B.チェイス=リボウ著/井野瀬久美惠監訳『ホッテントット・ヴィーナス』が、「ふぇみん」(No.2996、2012年7月25日発行)にて紹介されました。
2012年 のアーカイブ
2010年の終戦記念日に放送され好評を博した「NHKスペシャル・終戦特集ドラマ〈15歳の志願兵〉」が、この夏、再放送されます。 (さらに…)
イタリアで出版されると同時に世界的に影響を与えた、現代イタリアの思想家11名による論集『弱い思考』と、その関連書のご案内です。
弱い思考 /チラシ(PDF533KB)
イタリア現代思想の関連書/チラシ(PDF548KB)
この夏再放送が決定された終戦特集ドラマ「15歳の志願兵」の原案となった『積乱雲の彼方に』と、あわせて終戦記念日に展開していただきたい関連書のご案内です。
積乱雲の彼方に/チラシ(PDF435KB)
終戦記念日の関連書/チラシ(PDF220KB)
新城道彦著『天皇の韓国併合』が、「東アジア近代史」(第15号、2012年3月発行/月脚達彦氏・評)にて紹介されました。
B.チェイス=リボウ著/井野瀬久美惠監訳『ホッテントット・ヴィーナス』が、「読売新聞」(2012年7月15日付/尾崎真理子氏・評)にて紹介されました。
凡例/参照した蔵書の略号
書簡 一八六五年─一九一三年
監修者あとがき
訳者あとがき その公刊作品をつうじて20世紀哲学に深い衝撃をもたらしたベルクソン。だが彼生前、が親しい友人や著名な学者、出版人や文化人、海外の作家や思想家らに宛てた膨大な個人書簡の全容は、近年まで公にされてこなかった。思索の展開や読書の記録のみならず、大戦期ヨーロッパの時局への反応など、伝記的事実を伝える1800通以上の書簡を収めた第一級資料の全訳。全3分冊の初巻。
主著として『サド──圧搾場における哲学』(グラッセ社,1976),『ロラン・バルト,小説』(グラッセ社,1986.リーヴェル・ド・ポッシュ,1990),本書『アメリカという敵──フランス反米主義の系譜学』(スイユ社,2002.スイユ社〈ポワン叢書〉,2004.2003年の〈今日賞〉受賞.本書の英訳は2005年のグールド財団および仏米財団賞受賞).
その他,『サド──危機を書く』(M.カミュとの共著,1983),『20世紀におけるフランス革命の伝説』(J.-Cl.ボネとの共著,1988),『啓蒙主義の人間──パリからペテルブルグへ』(共著,1995),『百科全書──ネットワークから書物へ,書物からネットワークへ』(R.モリセーとの共著,2001),『二世紀にわたる一時代? 一七世紀と一八世紀──連続性と不連続性』(J.ダジャンとの共著,2004)など共著,およびフランス内外を問わずさまざまな雑誌に文学や文化史にかんする論文多数.
1996年以後,ジョルジュ・バタイユによって創設された『クリティック』誌の編集長. 1947年に生まれる.東北大学文学部卒業.現在,石巻専修大学教授.訳書に,トドロフ『歴史のモラル』,『ミハイル・バフチン 対話の原理』,『イラク戦争と明日の世界』,『悪の記憶・善の誘惑──20世紀から何を学ぶか』,『絶対の冒険者たち』,『他者の記号学──アメリカ大陸の征服』(共訳),トドロフ他『アステカ帝国滅亡記』(共訳),ショーニュー『歴史とデカダンス』,ヴェーヌ他『個人について』,ラルセン『風景画家レンブラント』(共訳),オリヴィエ『母の刻印』,『母と娘の精神分析』(共訳),リポヴェツキー『空虚の時代』(共訳,以上,法政大学出版局)などがある. 1971年に生まれる.弘前大学人文学部卒業.ベルギー政府給費留学生としてブリュッセル自由大学に留学.京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程単位取得認定退学.専攻:フランス文学,ユダヤ思想史.訳書に,リポヴェツキー『空虚の時代──現代個人主義論考』(共訳,法政大学出版局)がある. 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク 日本語版への序文
序 文
プロローグ この「不運な世界」
第Ⅰ部 ヤンキーの抑えがたい上昇
1 軽蔑の時代
2 アメリカ非合衆国
3 ミス・リバティと聖像破壊者
4 ハバナからマニラまで
5 ヤンキーとアングロ―サクソン
6 人種のポートレー
7 「敵の血が流れる人々」
8 トラストの帝国
第Ⅱ部 聖職者の偏見
1 もう一つのマジノ戦
2 衰退に直面して
3 負債から従属へ
4 メトロポリス、コスモポリス
5 人間の擁護
6 精神の反乱、文化の闘争、同業者組合の擁護
結 論
訳者あとがき
原 注
索 引 同じく民主主義革命から誕生した「姉妹共和国」ともいうべきフランスと合衆国は、なぜ対立するのか。二世紀を超えてフランスに存在する反米的表象・言説の歴史をひもとき、その分析によって、今やグローバルな現象となった反米主義の本質、集団的確信のメカニズムについて考察した大著。合衆国に対する弾劾の書ではなく、偏見や幻想に身をゆだねがちな私たち自身に対する警戒をも呼びかける。
小柳美代子著『〈自己〉という謎』が、「週刊読書人」(2012年7月13日号/日下部吉信氏・評)にて紹介されました。
1904年フランス西南部のカステルノダリーに生まれる。ソルボンヌで哲学を、ストラスブール大学で医学を修め、バシュラールに師事して科学哲学研究者の道を歩む。バシュラールの後任としてパリ大学科学史・技術史研究所長をつとめ、1955年から71年までソルボンヌの教壇に立ち、科学史・科学哲学を講じた。科学哲学、医学、生物学にわたる深い学殖をもとに、概念の生成を歴史的に究明し、アルチュセール派、ラカンの後継者たち、さらにはフーコー、ダゴニェ、ブルデュー、セールらに大きな影響を与えた。95年9月死去。邦訳書に、『正常と病理』(1943、66)、『生命の認識』(52、65)、『反射概念の形成』(55、77)、本書『科学史・科学哲学研究』(68)、『生命科学の歴史』(77)〔以上、法政大学出版局刊〕などがある。 1954年生まれ。1985年パリ第一大学哲学博士。86年東京大学比較文学比較文化博士課程満期退学。現在、東京大学大学院教育学研究科教授。 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク 緒言
第五版のための覚え書
A 序論──科学史の対象
I 追憶
B コペルニクスの世界の中のヴェサリウスの人間
C ガリレイ──業績の意味と人間としての教訓
D フォントネル──哲学者にして科学史家
II 解釈
オーギュスト・コント
E オーギュスト・コントの生命哲学と十九世紀フランスにおけるその影響
F オーギュスト・コントからみたモンペリエ学派
G オーギュスト・コントのフェティシズム論における宗教史と科学史
チャールズ・ダーウィン
H 一九五八年における「生存闘争」と「自然淘汰」の概念
I 心理学の観点からみたチャールズ・ダーウィンによる人間と動物
クロード・ベルナール
J クロード・ベルナールにおける実験医学の概念
K クロード・ベルナールにおける実験の理解と技術
L クロード・ベルナールとビシャ
M クロード・ベルナールからガストン・バシュラールに至る方法概念の進展
ガストン・バシュラール
N ガストン・バシュラールのエピステモロジーにおける科学史
O ガストン・バシュラールと哲学者
P ガストン・バシュラールにおける弁証法と否定の哲学
III 探求
生物学
Q 生物学のエピステモロジーにおける特異なものと特異性について
R 科学としての生理学の形成
S 十九世紀における甲状腺の病理学と生理学
T 十九世紀における反射概念
U 生物学の発見におけるモデルとアナロジー
V 生物学的思考における全体と部分
生物の新しい認識
W 概念と生命
心理学
X 心理学とは何か
医学
Y 治療学、実験、責任
Z 医学における合理性の権能と限界
原注
訳注
解説 カンギレムの主要業績 (金森 修)
あとがき コントの生命論、ベルナールの内部環境論や実験医学論、バシュラールのエピステモロジーを論じ、生理学・甲状腺病理学・反射概念・心理学・治療学などの形成史を、生命科学の認識論の角度から考察する。〈科学史とは何か〉を問い続けたカンギレムの仕事の総体を示す重要著作。 [訳者]
松浦 俊輔(マツウラ シュンスケ)
1956年生まれ。1987年東京大学比較文学比較文化博士課程満期退学。現在、フリーの翻訳家。
古賀 祥二郎(コガ ショウジロウ)
1950年生まれ。1986年一橋大学社会学研究科博士課程満期退学。現在、足利工業大学准教授。
兵藤 宗吉(ヒョウドウ ムネヨシ)
1951年生まれ。パリ第八大学心理学部博士課程修了。心理学博士。現在、中央大学文学部教授。
森脇 靖子(モリワキ ヤスコ)
1943年生まれ。東京都立大学理学部生物学科卒業。大阪府立大学修士課程修了。現在、大阪大学非常勤講師。
平松 希伊子(ヒラマツ キイコ)
1954年生まれ。1982年京都大学哲学科博士課程修了。パリ第四大学博士課程中退。現在、島根大学・他非常勤講師。
G.ドゥルーズ著/財津理・他訳『シネマ1*運動イメージ』、G.ドゥルーズ著/宇野邦一・他訳『シネマ2*時間イメージ』が、「東京新聞/中日新聞」(2012年7月8日付/雑賀恵子氏・評)にて紹介されました。
齋藤元紀著『存在の解釈学』が、「週刊読書人」(2012年7月6日号/秋富克哉氏・評)にて紹介されました。
1880年11月21日チェコのモラヴィア地方に生まれ、ウィーン大学で哲学の博士号を取得したのち、1907年から3年間パレスチナでギムナジウムの教師。1910年ふたたびウィーンに戻り、ユダヤ人教区の図書館司書職に就く。1938年ナチスの進出によってロンドンに亡命。1954年死去。主な作品にCh. N. ビアリクの抒情詩の翻訳(1911)、カバラー入門『ゾーハルとその教義』(1920)、『ゾーハル』抄訳(1932)、『ユダヤ神秘主義の歴史』(1946)、精神的自画像『わが道ユダヤ教とキリスト教』(1952)がある。 1940年生まれ。東京大学大学院修士課程修了。ドイツ文学専攻。お茶の水女子大学名誉教授。現在獨協大学特任教授。主な著訳書に『アール・ヌーヴォーのグラフィック』(岩崎美術社)、G.ショーレム『ユダヤ神秘主義』(共訳)、G. R.ホッケ『ヨーロッパの日記』全二巻(共訳)、A.ノーシー『カフカ家の人々』、ハイデン=リンシュ『ヨーロッパのサロン』、G.ショーレム『サバタイ・ツヴィ伝』全二巻(以上、法政大学出版局刊)、E.ブロッホ『希望の原理』全三巻(共訳)、G.ロスト『司書』、U.ハイゼ『亭主』(以上白水社刊)、『独和辞典』(共編著)、『和独辞典』(共編著)(以上郁文堂刊)ほか。 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク 凡例
カバラーとゾーハル
序/秘密の開示 シモン・ベン・ヨハイと弟子たち/薔薇の比喩
トーラーの賛美
トーラーの言葉の創造力/神の名、自由、右側としてのトーラー コラハの乱行/下と上のトーラー/トーラーと人間創造 トーラーに庇護されていること/トーラーの愛の告白/トーラーの衣服と本性/一般的なものと特定のもの/二重の知恵/わたしと自由とトーラーについて
創造教義 世界計画
源泉の光──仲介者/隠れた原光──会見の幕屋 サロモとヒラム──露顕の時代/罪深くも最高位者を区別すること/完全なものとしての恐ろしきもの 父と子/義人の守護──二種類の岩/幕屋の意味について 礎石とその周囲/原生岩 生命の木と知識の木/一〇の神的セフィロースの無形と形態 および一〇の天使の位階/裁きの径と愛の径/世界の主体と客体/二つの相対する領域/最高の一者における三者/神の目/詩篇一九への注釈/胡桃の像で/日と月/二種類の天の使い/世界の礎石 天使の夜の讃歌とイスラエルの昼の讃歌/上の歌と下の歌/朝の空に現れるしるし 三重の讃歌/御召し車の幻視の説明 原色の弧/天の生き物とその完成たる人間像 /下と上の生き物の栄養 原人間の形像である王の戦車の四つの生き物/それからすべての言葉が造られた原初の輝き/生命の天秤/創造の日々と雅歌のなかの父祖たち/光と闇、昼と夜/光の創造と第一日について/創造の業について。生き物の群れ、言葉と光 上と下の一致/二種の対立/天と地における分かれ/一つになる場所──第三日の実を結ぶ木/第七日の段階
人間界
わたしについて──あの世の境目の原人間/創造の中心としての人間/世界の仕事につくシェキーナー 光と闇のなかでの人間の創造/最初の人について/地と人の創造 魂の三幅対/誕生まえの軀の形 一点の曇りなく祝福を反映する段階/眠っているあいだの魂──三つの魂の段階/人の霊の形成/言葉を持つ魂/人の魂の下降と再上昇 魂とその身体──愛の宮殿/男と女/原初の女性について、原初の両性関係について──セフィロースの木について/結婚生活の聖別/民族の統一──正しい愛の和合に写った神的統一/アダムから妻を分離すること 結婚生活と不倫について/シャロンの百合と低地の薔薇──アダムの堕落/低級な恐怖の始まり/新しい衝動としての善について ならびにそれより古い衝動としての悪について/誘惑のデーモンたち/神的一人称存在と異物 二重の七/暗黒の国の果て/三つの大罪と下半身の三つの器官/いまわのきわにおけるアダムとの出会い あからさまな冒瀆行為の結果/悪の必然性/善と悪の衝動ならびにその浄化──ヤハウェの使い/正しい近づきの供儀 ヨブの片手落ちな全焼の供儀 パン種としての悪人/ヨブの試練──悪への供儀/罪と死 神と人の三つの世界/いまわのきわに/死にぎわにまなざしが消えること 低いところと高いところの衣服 人の体の形成について/地獄の業火/死後の魂の三部分/生きる日々の衣服/魂のより高い光の衣/レヴィラト婚と人の魂の具現/あらかじめ定められた夫婦──他と最後/生と死の原素材/人の身体器官について/脾臓と胆汁/人体のなかの嵐と火、水について/最初の病人と最初の治癒者 バビロニアの王たち/上と下の諸元素の多様性 金属の起源──一二の象徴/星星の効力/ヤコブの墓所──いまわのきわに見ること 人間の目/人の額の表情について
祭祀と祭式
組み合わせて一つにすること。神とシェキーナー、イスラエルと大地/契約と契約のしるし/供儀の秘義/原元素と天使──供儀幻想としてのウリエル/生け贄を焼く炎の秘義 焼き尽くす天の光/上の祭壇と下の祭壇 ごくかすかな声と極上の供儀のきずな/幕屋に必要なもの/口の清浄さ──食餌法の理由/神殿建設の不思議と言葉の形成/大祭司の高さ 王と大祭司の妻/低いところの混合と高いところの結合/空っぽの卓上に祝福なし/パンと葡萄酒/契約のシンボルとしての塩/安息日について/安息日の聖別について/下と上の安息日/親への畏れと安息日の聖別/裁きの日と贖罪の日/裁きの源流──ショーファールの三つの音/贖罪の日の雄山羊 ソロモンの三書──恩寵の実現/耕されるべき土地と返ってくる祝福 ラビ・イェッセ老の食事/挙げられた両手/功績と高いところの恵みの川 深みからの祝福/一〇の言葉の重複/十戒の解釈から/最高位の三つのセフィロース──一二部族 ツァッディークの力/戒律の石板/より気高い行い/祈祷の梯子/祈りの冠/朝の祈りの六段階/ニシュマート祈祷──神のそばにいること/食前の祈り──三種の火/長引いた期待とかなう願い/義人の賞讃/神への畏れ、より高い知恵の始まり/裁きにおける釣り合い 魂のなかの支配するものと仕えるもの/井戸とノアの方舟/魂の力と養分について/奉仕の二段階 下降のまえのより高い結合/上昇、改悛、そしてより高い住まい/統一における真実の勤め──神の顔 義しい人の力/優しさの道と平安の径/聞けの秘密 三者一体と人の声/言葉の力と純粋さ 言語の分裂/魔術の克服──神の喜び マルキツェデク/アダムの子ら──悪の衝動や聖霊による生殖/神の愛について/喜びの完成/炎の比喩について/時と意志/時間の段階/洞穴のなかの書
ゾーハルについての声
附『ゾーハルとその教義』抄(エルンスト・ミュラー)
訳者あとがき
ゾーハルの翻訳箇所の一覧表
文献指示 一千年以上にわたる民族離散の歴史を背景に、13世紀スペインに出現した作者未詳の伝承テクスト『ゾーハル』(光輝の書)。ユダヤ神秘主義において聖書やタルムードと同列に置かれ、後世のメシアニズムに深い影響をもたらしたこの聖書解釈の聖典を、作家ミュラーによるヘブライ語(アラム語)原典からのドイツ語抄訳に基づいて初めて邦訳。その貴重な解説「ゾーハルとその教義」も併録。
三井さよ・鈴木智之編著『ケアのリアリティ』が、「出版ニュース」(2012年7月上旬号)にて紹介されました。
序章 日本の学校はどういう人間を形成してきたか
第1部 学力と学習意欲
第1章 学習意欲
学習意欲に組み込まれた矛盾の構造
第2章 学力の構造
学力、習熟、基礎学力、学習の総合化
第2部 学校の転換
第3章 学校と人間形成の歴史
日本の学校はどんな人格を育ててきたか
第4章 学校の転換を──新しい教育課程創造の原理
ヒドゥン・カリキュラムとの対決
第5章 高校生の学習権宣言
大阪・私立千代田高校の生徒による学習観の転換
第3部 市民形成と教育
第6章 市民形成の教育
統治主体形成のための学習空間を考える
第7章 憲法学習の方法
憲法的原理に拠って生きる方法の教育
第8章 暴力と平和
平和教育の原理を考える
第9章 体罰と教育
子どもの内面と対話する教育を断念するもの
終章 国家と個人と教育
人間の自由と自立のための教育の論理
付 教育基本法
あとがき
注
索引 戦後から現在に至る学校の人間形成力を取りだし、今日の教育的状況を原点に立ち戻って批判的に検討しつつ、その組替えの方策を探り、新たな創造への道案内を示す。
1927年マールブルク生まれ。現代ドイツを代表する哲学者。マールブルク、フランクフルト両大学で学び、1950年ハイデルベルク大学哲学博士、56年同大学で大学教授資格を取得。その後、ベルリン自由大学、ハイデルベルク大学の正教授を経て、81年ミュンヘン大学正教授に就任。カント、フィヒテ、ヘーゲルなどいわゆるドイツ観念論哲学の研究に独自の領野を拓く。国際ヘーゲル学会の会長をつとめ、1970、79年には来日し各地で講演を行なっている。 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク 序文
第一部 近世の形而上学における存在神学
序論
第1章 存在論的論証の根拠づけ
A デカルトとデカルト主義者たち
1 デカルト
2 マールブランシュとスピノザ
B イギリスのプラトン主義とライプニッツ学派
1 モアとカドワース
2 ライプニッツ
3 クリスチャン・ヴォルフ
4 バウムガルテン
5 メンデルスゾーン
第2章 存在論的論証に対する批判
序論
A 十七世紀における批判
1 ガッサンディ
2 ユエ、レルミニエ、パーカー
B 十八世紀における批判
1 ウェーレンフェルス
2 ジャクロとフランスの諸雑誌
3 モスハイム
4 リュディガーとクルージウス
5 ベーリング
6 ヒューム
第3章 体系的概観
第二部 カントの存在神学批判
序論
A カントの主要著作における存在神学批判
B 合理的神学の体系と批判
C カントの前批判期の諸著作における批判
第三部 思弁的観念論における存在神学
A ヘーゲルによる存在神学の革新
1 カント以後の存在神学の状況
2 カントの存在論的論証批判とヘーゲルとの関係
3 ヘーゲルの『論理学』における存在論的論証
B 後期シェリング哲学における概念と現存在
1 シェリングと存在神学の歴史
2 シェリングの論理的異論
3 必然的な存在と積極哲学の端緒
C Ch・H・ヴァイセと存在神学の終焉
1 論理的なものの存在様式
2 ヴァイセの論理的異論
3 思惟必然性の概念
4 思惟必然性の現存在
結び 現代における存在神学の問題
原註
訳註
解説 (加藤尚武)
訳者あとがき
参考文献/引用文献および引用略号 デカルトから後期ドイツ観念論にいたる近世哲学の歴史を、デカルトによって革新された《神の存在の存在論的証明》の展開という全く新たな視点から捉え直し、近代のいわゆる主観性の哲学の真の本質を解明するとともに、従来の近世哲学理解の根底的見直しを迫る。
大橋完太郎著『ディドロの唯物論』が、「思想」(2012年7月号/玉寺賢太氏・評)にて紹介されました。
7月5日(木)~8日(日)の4日間にわたり、日本最大の本の展示会「第19回東京国際ブックフェア」が東京ビッグサイトで開催されます(一般公開日は7日・8日)。 (さらに…)
B.チェイス=リボウ著/井野瀬久美惠監訳『ホッテントット・ヴィーナス』が、「ハヤワカミステリマガジン」(2012年8月号/風間賢二氏・評)にて紹介されました。
三井さよ・鈴木智之編著『ケアのリアリティ』が、「看護管理」(2012年7月号)にて紹介されました。