上村英明・他編著/市民外交センター監修『市民の外交』が、「北海道新聞」(2013年3月1日付)にて紹介されました。
2013年 のアーカイブ
森貴史・藤代幸一著『ビールを〈読む〉』が、「出版ニュース」(2013年3月上旬号)にて紹介されました。
伊藤誓著『〈ノヴェル〉の考古学』が、「図書新聞」(2013年3月9日号/原田範行氏・評)にて紹介されました。
岩波ブックセンター信山社において、3月~8月まで6回にわたり開催される連続ブックフェア「大事に売っていきたい本」を記念したトークイベントが行なわれます。 (さらに…)
N.フレイザー、A.ホネット著/加藤泰史監訳『再配分か承認か?』が、「図書新聞」(2013年3月2日号/熱田敬子氏・評)にて紹介されました。
第I部 日本の成年後見法制度の課題と改正の展望
第1章 成年後見制度の理念的再検討:イギリス・ドイツとの比較を踏まえて(上山 泰・菅 富美枝)
第2章 現行成年後見制度と障がいのある人の権利に関する条約12条の整合性:「小さな成年後見」の視点から(上山 泰)
第3章 家事事件手続法と成年後見事件における本人の手続上の地位と権能(橋本 聡)
第4章 消費者政策における「保護」と「自立」:経済法学の立場から(岩本 諭)
第5章 行為能力制限と契約法理・消費者保護法理(熊谷 士郎)
第6章 保護者制度廃止と成年後見制度:精神科病院への入院手続,地域生活支援,身体疾患の治療同意(白石 弘巳・中村江美子)
第7章 「意思決定支援」の観点からみた成年後見制度の再考:イギリス2005年意思決定能力法からの示唆(菅 富美枝)
第II部 諸外国の法制度・社会制度からの示唆
第8章 イギリスにおける本人を代弁する公的サービス:IMCAの実践(スー・リー)
第9章 イギリス社会における裁判所受託局の役割:社会的弱者を支援すべく活躍してきた公的財産管理機関(ベン・ラスコンベ)
第10章 福祉国家フィンランドにおける成年後見制度:公的サービスとしての後見(公的後見)を中心に(菅 富美枝)
第11章 フィンランドの成年後見制度:その現状と課題(アイラ・ヘウサラ)
第12章 台湾の成年後見制度における社会福祉主管機関の役割(林 秀雄)
第13章 ハンガリーとチェコ共和国における民法改正の動向:「法的能力」の制限撤廃に向けた法制度改革(サンドル・グルバイ)
第14章 成年後見制度における「本人意思の尊重」:ドイツ世話法との比較から(上山 泰)
第15章 スイスにおける成年者保護法の改正(ダニエル・ロッシュ) 消費生活、ケア、介護、福祉など、人々が生きていく現場で、保護あるいは庇護の対象でしかなかった人々が自分自身の権利を行使し積極的な主体となるために必要とされる支援とは何か。本人を中心とした多層的・複合的な支援の枠組みの可能性に展望を開くため、成年後見制度の抜本的再構築を目指し、新たな法的関係を築くためには何が必要かを、様々な分野の専門家たちが論じつくす。 [執筆者紹介] (執筆順)
菅 富美枝(スガ フミエ)[はしがき、第1章、第7章、第10章]
法政大学経済学部准教授(*編者)
上山 泰(カミヤマ ヤスシ)[第1章、第2章、第14章]
筑波大学法科大学院教授
橋本 聡(ハシモト サトシ)[第3章]
東海大学法学部教授
岩本 諭(イワモト サトシ)[第4章]
佐賀大学経済学部教授・副学長
熊谷 士郎(クマガイ シロウ)[第5章]
青山学院大学法務研究科教授
白石 弘巳(シライシ ヒロミ)[第6章]
東洋大学ライフデザイン学部教授
中村 江美子(ナカムラ エミコ)[第6章]
公益財団法人井之頭病院相談室精神保健福祉士
スー・リー(Sue Lee)[第8章]
英国・CIC(Community Interest Company)団体Empowerment Matters代表
ベン・ラスコンベ(Ben Luscombe)[第9章]
元・英国裁判所受託局・政策課長
アイラ・ヘウサラ(Aila Heusala)[第11章]
フィンランド・東部地域登記局・登記官
林 秀雄(Hsiu-hsiung Lin)[第12章]
台湾・輔仁大学法律学系教授
サンドル・グルバイ(Sándor Gurbai)[第13章]
ハンガリー・NGO団体MDAC(Mental Disability Advocacy Center)法的能力に関する法改正プロジェクト・リーダー
ダニエル・ロッシュ(Daniel Rosch)[第15章]
ルチェルン専門大学社会福祉学部教授
──ウィリアムズの一九三〇年代(舌津 智之)
エクリチュールと私生活を巡るウィリアムズ晩年の亡霊劇
──亡霊・狂気・罪悪感(貴志 雅之)
メッセンジャーとしての同性愛者の役割
──テネシー・ウィリアムズ作品における性、暴力、死(古木 圭子)
〈テネシー・ウィリアムズ〉というトラウマと表象
──『牛乳列車』における「人生はすべて記憶」(原 恵理子)
遠回しに書く
──T・ウィリアムズの黒人表象とアメリカ演劇史(常山菜穂子)
遥かなる月の住人
──『青春の甘き小鳥』が描く芸術家ウィリアムズ像の修訂(森 瑞樹)
テネシー・ウィリアムズ年表 (古木 圭子)
日本アメリカ演劇学会第2回大会報告と発表レジュメ
日本アメリカ演劇学会選挙規程
日本アメリカ演劇学会会則
日本アメリカ演劇学会本部構成・役員構成
『アメリカ演劇』投稿規程
編集後記
「テネシー・ウィリアムズ特集Ⅱ」執筆者紹介
抒情と社会意識──ウィリアムズの1930年代(舌津智之)/エクリチュールと私生活を巡るウィリアムズ晩年の亡霊劇(貴志雅之)/メッセンジャーとしての同性愛者の役割──T.ウィリアムズ作品における性、暴力、死(古木圭子)/〈テネシー・ウィリアムズ〉というトラウマと表象(原恵理子)/遠回しに書く──T.ウィリアムズの黒人表象とアメリカ演劇史/遥かなる月の住人(森瑞樹)/他。
1930-2004年.アルジェリア生まれのユダヤ系哲学者.パリの高等師範学校で哲学を専攻.同校の哲学教授を経て、社会科学高等研究院教授を務める.西洋形而上学におけるロゴス中心主義の脱構築を提唱し、構造主義以降の人文社会科学の広範な領域──文学・芸術理論、言語論、政治・法哲学、歴史学、建築論ほか──に多大な影響をもたらした.邦訳書に『エクリチュールと差異』『絵画における真理』『法の力』『ユリシーズ グラモフォン』『有限責任会社』『哲学の余白』『シニェポンジュ』『アーカイヴの病』(以上、法政大学出版局)、『声と現象』(理想社)、『グラマトロジーについて』(現代思潮新社)、『友愛のポリティックス』『フッサール哲学における発生の問題』『ならず者たち』(みすず書房)、『アポリア』(人文書院)、『そのたびごとにただ一つ、世界の終焉』(岩波書店)、『死を与える』(筑摩書房)、『精神分析の抵抗』(青土社)、『マルクスの亡霊たち』(藤原書店)、『条件なき大学』(月曜社)ほか多数. 1966年生まれ.早稲田大学文学学術院教授.20世紀フランス哲学専攻.著書に『情報のマテリアリズム』(NTT出版)、『外国語学』(岩波書店)、『批判感覚の再生』(白澤社)、共著に『現代思想入門』(PHP研究所)、訳書にデリダ『哲学の余白』(共訳、法政大学出版局)、同『アデュー』、デリダ/ルディネスコ『来たるべき世界のために』、デリダ/ハーバーマス『テロルの時代と哲学の使命』(以上、岩波書店)、ラクー=ラバルト『歴史の詩学』(藤原書店)、『来たるべきデリダ』(共訳、明石書店)、『デリダ 政治的なものの時代へ』(共訳、岩波書店)ほか. 1974年生まれ.早稲田大学非常勤講師.フランス文学専攻.共著に『危機のなかの文学』(水声社)、『近代の超克──フクシマ以後』(理想社、近刊)ほか、論文に「連鎖と交差──初期デリダ研究」(『AZUR』第7号)、「マラルメの辞書学──『英単語』第一巻「一覧表」の解読」(『フランス語フランス文学研究』102号)ほか. 1975年生まれ.関東学院大学准教授.フランス文学専攻.著書に『文学のミニマル・イメージ──モーリス・ブランショ論』(左右社)、論文に「アブラハムから雄羊へ──動物たちの方を向くデリダ」(『現代思想』2009年7月号)、訳書にデリダ『滞留』(共訳、未來社)、ブランショ『ブランショ政治論集1958-1993』(共訳、月曜社)ほか. 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク 書物外 序文
プラトンのパルマケイアー
Ⅰ 1.パルマケイア
2.ロゴスの父
3.息子たちの書き込み──テウト、ヘルメス、トート、ナブー、ネボ
4.薬物=魔法の薬(パルマコン)
5.呪術師(パルマケウス)
Ⅱ 6.犯罪者=人身御供(パルマコス)
7.成分──白粉、幻影(ファンタスム)、祝祭
8.パルマコンの遺産相続──家族の光景
9.戯れ──パルマコンから文字へ、そして失明から代補へ
二重の会
Ⅰ
Ⅱ
散 種
Ⅰ 1.始 動
2.装置あるいは枠
3.切 断
4.大現在の二重底
5.ÉCRIT、ÉCRAN、ÉCRIN
6.立ち会いの言説
Ⅱ 7.最初の前の回
8.円 柱
9.「東=ある」の四つ角
10.接ぎ木、縁かがりへの回帰
11.超過数
訳 注
訳者あとがき 『グラマトロジーについて』『エクリチュールと差異』『哲学の余白』と並ぶデリダの初期代表作、待望の全訳! 〈書物〉の円環を破砕する「書物外」、ロゴスの真理を転覆させるパルマコン(薬/毒)としてのエクリチュール論「プラトンのパルマケイアー」、マラルメの詩学に形而上学の脱構築を見出す「二重の会」、ソレルスのテクスト機械に接ぎ木する「散種」の四篇が織りなす、書物ならざる書物の到来。
G.ヴァッティモ・他編著/上村忠男・他訳『弱い思考』が、「図書新聞」(2013年2月23日号/今村純子氏・評)にて紹介されました。
J.ル・ゴッフ著/渡辺香根夫訳『中世の高利貸』が、「日経産業新聞」(2013年2月15日付/水野和夫氏・評)にて紹介されました。
J.ジャーモン著/左古輝人訳『ジェンダーの系譜学』が、「週刊読書人」(2013年2月8日号/千田有紀氏・評)にて紹介されました。
1911年、ルーマニアに生まれる。1931年、ブカレスト大学文学部卒業。哲学教授資格を取得後、1937年、パリに留学。以降パリに定住してフランス語で著作を発表。孤独な無国籍者(自称「穴居人」)として、イデオロギーや教義で正当化された文明の虚妄と幻想を徹底的に告発し、人間存在の深奥から、ラディカルな懐疑思想を断章のかたちで展開する。『歴史とユートピア』でコンバ賞受賞。著書:『涙と聖者』(1937)、『崩壊概論』(1949)、『苦渋の三段論法』(1952)、『時間への失墜』(1964)、『生誕の災厄』(1973)、『告白と呪詛』(1987)ほか。1995年6月20日死去。 1934年、東京に生まれる。京都大学仏文科卒。訳書:シオラン『絶望のきわみで』、『時間への失墜』、『思想の黄昏』、『オマージュの試み』、『欺瞞の書』、『敗者の祈?書』、『シオラン対談集』、カイヨワ『旅路の果てに』ほか。 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク 刊行者まえがき
はしがき コンスタンティン・タクウ
序文 マルタ・ペトレウ
*
コドレアヌ、大天使ミハイル軍団および鉄衛団についての覚書 ヴァンサン・ピエノワール
祖国 シオラン
シモーヌ・ブエのメモ
シオラン書簡断片
*
ルーマニアの変容 シオラン
Ⅰ 小文化の悲劇
Ⅱ ルーマニアのアダミスム
Ⅲ ルーマニアの心理的および歴史的な欠陥
Ⅳ 国家集産主義
Ⅴ 戦争と革命
Ⅵ 政治の世界
Ⅶ ルーマニアの歴史の螺旋
*
ルーマニア人名一覧
訳者あとがき
ナショナリズムとファシズムによる不寛容と熱狂的崇拝は特異なものでも歴史の一幕でもなく、いまなお人々に心酔と激情をもたらしている。人々を襲う災厄は変容の始まりなのか。戦前・青年期のヒトラー崇拝と反ユダヤ主義的言説により、生前から死後も非難に曝され、その痛切な悔恨が絶望となって著作に深い影を落としてきたシオラン。その封印された過去を初めて明るみに出す政治評論。
第一節 問題の所在
第二節 本書の分析視角
第三節 本書の構成と用語説明
第1章 英仏の植民地政策と独立前史
第一節 第二次大戦後の英仏の植民地政策
第二節 一九四九年までのフランスのチュニジア・モロッコ政策
第2章 ブルギバの七原則とフランス・チュニジア交渉 1950年-1951年
第一節 フランスとチュニジアの対立
第二節 フランス案の発表
第三節 共同主権の覚書
第3章 スルタンによる独立の要求 1950年10月-1951年12月
第一節 スルタンの覚書
第二節 アラブ諸国の動きと仏米交渉
第三節 国連での討議
第4章 チュニジア問題の国連討議 1952年1月-12月
第一節 ブルギバの帰国
第二節 安保理における討議
第三節 総会の特別会期
第四節 総会における討議
第5章 スルタンの廃位 1952年1月-1953年8月
第一節 国連の討議とカサブランカ虐殺事件
第二節 伝統主義者の反発
第三節 フランスによる廃位
第6章 チュニジアの国内自治 1953年1月-1955年6月
第一節 フランスの緊張緩和政策
第二節 一九五四年三月改革
第三節 カルタゴ宣言
第四節 二国間交渉とフェラガ問題
第五節 フランス・チュニジア規約
第7章 モハメド五世の復位 1953年8月-1955年10月
第一節 テロリズムと停滞
第二節 ラコスト計画
第三節 グランヴァル計画とエクス・レ・バン会議
第四節 アラファの退位
第五節 王位評議会
第8章 モロッコの独立 1955年10月-1956年5月
第一節 モハメド五世の復位と組閣
第二節 仏モロッコ議定書
第三節 外交関係の樹立
第9章 チュニジアの独立 1955年6月-1956年6月
第一節 ブルギバとサラ・ベン・ユーセフの対立
第二節 ネオ・ドゥストゥール党全国大会
第三節 フランス・チュニジア議定書
第四節 外交関係の樹立
終 章 チュニジア・モロッコの独立とその後
第一節 フランスの政策転換と「実効的な協力者」
第二節 国内自治と国際的要因
第三節 独立と「実効的な協力者」
第四節 第三世界諸国の独立
あとがき
略年表
索引 1960年は次々にアフリカ諸国が独立を果たし,「アフリカの年」と呼ばれた。その引き金を引いたのが、1956年に独立したチュニジアとモロッコである。フランスはなぜどこよりも早く独立を承認するという政治的選択をし、ヨーロッパ帝国の解体を導いたのか。旧植民地の支配層と英米や国連、世界各国を巻き込んだ駆け引きの一部始終を、膨大な資料から浮かび上がらせる。
平素は格別のご高配を賜り、厚く御礼申し上げます。
このたび小局は、下記の通り事務所を移転することとなりました。 (さらに…)
月刊「みすず」(2013年1・2月合併号)読書アンケート特集にて、小局の書籍が多数紹介されました。 (さらに…)
森貴史・藤代幸一著『ビールを〈読む〉』が、「中国新聞」(2013年1月27日付)、「信濃毎日新聞」「新潟日報」「神戸新聞」(ともに2013年2月3日付)にて紹介されました。
久米康生著『和紙文化研究事典』が、「出版ニュース」(2013年2月上旬号)にて紹介されました。
J.ジャーモン著/左古輝人訳『ジェンダーの系譜学』が、「出版ニュース」(2013年2月上旬号)にて紹介されました。
W.キムリッカ著/岡﨑晴輝・他監訳『土着語の政治』が、「図書新聞」(2013年2月9日号)にて紹介されました。
1932年生まれ。ペンシルヴァニア大学、マサチューセッツ工科大学などを経て現在はニュー・スクール・フォー・ソーシャル・リサーチに所属。主としてプラグマティズムを研究するが、ヨーロッパ大陸の哲学にも造詣が深い。今は亡きリチャード・ローティの思想的盟友としても知られる。単著に『ジョン・デューイ』、『実践と行為』、『科学・解釈学・実践』(邦訳、岩波書店)、『手すりなき思考』(邦訳、産業図書)、『ハーバーマスとモダニティ』、『ハンナ・アーレントとユダヤ人問題』、『フロイトとモーゼ神話』、『悪の濫用』および『プラグマティズム的転回』がある。 1981年生まれ。日本学術振興会特別研究員(新潟大学)。共著書に『ヘーゲル体系の見直し』(理想社)、論文に「哲学と人間形成──ニートハンマーとシェリングの教養形成論をめぐって」(『シェリング年報』第19号)ほか。 1974年生まれ。佐賀大学准教授。共著書に『ユダヤ人と国民国家──「政教分離」を再考する』(岩波書店)、『ドイツ観念論を学ぶ人のために』(世界思想社)、共訳書に『シェリング著作集 (1b) 自然哲学』(燈影舎)ほか。 1970年生まれ。盛岡大学准教授。共著書に『21世紀の哲学史』(昭和堂)、共訳書にブプナー『美的経験』(法政大学出版局)、論文に「ツァラトゥストラの「言語」──情動的言語使用の音楽的基礎」『理想』(第684号)ほか。 1963年生まれ。長崎大学大学院教授。著書に『環境倫理学入門──風景論からのアプローチ』(昭和堂)、『「近代の超克」再考』(晃洋書房)、『昭和思想史とシェリング──哲学と文学の間』(萌書房)ほか。 1967年生まれ。北海道大学大学院准教授。著書に『フッサールにおける〈原自我〉の問題』(法政大学出版局)、論文に「「私」の定義としての「身代わり」──主体の唯一性と留保なき普遍性をめぐって」『現代思想 総特集・レヴィナス』(40巻3号)ほか。 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク 序
緒論
第一部 悪、意志、自由
第一章 根源悪──自分自身と戦うカント
悪しき格率
根源悪
悪魔的な悪
無制約的な道徳的責任
第二章 ヘーゲル──〈精神〉の治癒?
有限者と無限者
悪と有限性
アダムの堕罪
悪の必然性と正当化?
ヘーゲル対ヘーゲル
第三章 シェリング──悪の形而上学
実在的な悪
根拠と実存
我意と闇の原理
悪の道徳心理学
間奏曲
第二部 悪の道徳心理学
第四章 ニーチェ──善悪の彼岸
「よいとわるい」対「善と悪」
弁証法的アイロニスト
悪とルサンチマン
善悪の彼岸
悪についてニーチェから学ぶもの
第五章 フロイト──根絶不可能な悪と両価性
一群の兄弟たちが経験する両価性
欲動論
ニーチェとフロイト
悪に対する責任
第三部 アウシュヴィッツ以後
プロローグ
第六章 レヴィナス──悪と弁神論の誘惑
弁神論の終焉
悪の現象学
無限の責任
第七章 ヨーナス──新しい責任の倫理
ニヒリズムに対する応答
悪とわれわれの黙示録的状況
ヨーナスの神話を「脱神話化する」
ヨーナスとレヴィナス
第八章 アーレント──根源悪と悪の陳腐さ
余計さ、自発性、複数性
悪の意図と動機?
アイヒマン──人間的な、あまりに人間的な
結論
原注
訳者あとがき
文献一覧
人名索引 二十世紀の歴史に癒しえぬ傷を残した数々の大量虐殺のあとで、哲学は「悪」をどう語りうるのか。カントが創出した「根源悪」の概念を軸に、人間が罪悪を犯す生来の可能性や必然性を熟考した思想家の系譜──ヘーゲル、シェリング、ニーチェ、フロイト、レヴィナス、ヨーナス、アーレント──を鋭く一望する。弁神論による「悪」の正当化が困難な今日、倫理の根源を問い質す碩学の労作。