H.クレイシ著/武田将明訳『言葉と爆弾』が、「図書新聞」(2015年9月12日号/原田範行氏・評)にて紹介されました。
2015年 のアーカイブ
1 天、化、時
2 各章概観
第一章 天について (中島隆博)
1 孔子──天を怨まず
2 墨子──天の欲することをなす
3 孟子──人から天への通路
4 荘子──人は天を損なう
5 荀子──天の領分、人の領分
6 董仲舒──天人合一
7 王充──無為の天と有為の人
8 唐代の天論──天が乱れる
9 宋代の天論──天人相関の回復
10 明代の天論──理としての天を越えるもの
11 清代の天論──理としての天への批判
12 近代の天──西洋的普遍に直面して
13 現代の天──天下という中国的普遍
第二章 化について (本間次彦)
1 生成変化する世界と『易』
2 乾坤と易簡──『易』繋辞上伝第一章
3 無為と『易』──鄭玄
4 天地と三となる──『中庸』からの道
5 「天地の和」としての楽──『礼記』楽記
6 風を移し俗を易える──楽の効用
7 生成変化する世界を別様に表現する──『易』繋辞上伝第五章
8 陰陽と道──朱子・王夫之・戴震
9 日新と生生──張載
10 日新と生生、そして、鬼神──朱子・王夫之
11 修己から治人へ──教化の新たな構想
12 万物一体の仁──ドジョウとウナギの関係論
13 近代以降の新展開
14 『荘子』からの出発法
15 身体の操作的構築
第三章 時について (林文孝)
1 「時」は「時間の流れ」を意味しない
1 「時に習う」とはいつ習うのか?
2 『易』の時
3 「時中」、「聖の時なる者」
2 「時間性」を表す概念は「道」ではないか?
1 『老子』の「道」
2 朱熹の「川上の嘆」解釈と「道」の姿
3 「消息」
3 終末論について
1 『皇極経世書』
2 『太平経』
4 「古・今」、「過去・現在・未来」
1 「古」と「今」
2 中国における「過去・現在・未来」
余説
文化本質主義を越えて (中島隆博)
本文の余白に/から (本間次彦)
天と化についてのコメント (林文孝)
索引 本巻では、天・化・時の三つの概念に焦点を当てて、中国の宇宙論的想像力であるコスモロギアを概観していく。人間は天に大きく規定されながらもそれをはみ出し、変化に翻弄されながらも変化を統御し、時宜を得た判断を行って、この世界に善を実現しようとするものである。人間世界を規定する条件は何か。古典による転回を行いつつ、「近代」そのものを問い直し、現在の「知」について批評的であろうとする。新シリーズ、待望の第一巻刊行。
冨岡典子著『ごぼう』が、「日本農業新聞」(2015年8月30日付/川口和雄氏・評)にて紹介されました。
H.A.ベイカー・ジュニア著/松本昇、他訳/今福龍太解説『ブルースの文学』が、「ブルース&ソウル・レコーズ」(No.125、2015年10月号/高野裕介氏・評)にて紹介されました。
齋藤智志著『近代日本の史蹟保存事業とアカデミズム』が、「地理」(2015年9月号/上杉和央氏・評)にて紹介されました。
J.F.ワレン著/蔡史君、早瀬晋三監訳/藤沢邦子訳『阿姑とからゆきさん』が、「出版ニュース」(2015年8月下旬号)にて紹介されました。
H.A.ベイカー・ジュニア著/松本昇、他訳/今福龍太解説『ブルースの文学』が、「図書新聞」(2015年8月29日号/飯野友幸氏・評)にて紹介されました。
J.F.ワレン著/蔡史君、早瀬晋三監訳/藤沢邦子訳『阿姑とからゆきさん』が、「山梨日日新聞」「神戸新聞」「四国新聞」(2015年8月2日付)、「熊本日日新聞」(2015年8月23日付)にて紹介されました。
千森幹子著『表象のアリス』が、「愛媛新聞」「徳島新聞」「佐賀新聞」(2015年6月14日付)、「山梨日日新聞」(2015年6月21日付)、「山形新聞」(2015年6月28日付)、「信濃毎日新聞」(2015年8月23日付)にて紹介されました。
第一章 ウスラをむさぼる者を待ち受けているのは
一 永遠の死を招く大罪
二 時間を盗む者
三 ゆるされることがあるとすれば
四 キリスト教徒としての埋葬の拒否
五 地獄、その第七の圏谷
第二章 宥恕されうる利得、されえない利得
一 消費貸借、使用貸借、ソキエタス
二 ウスラをめぐるトマス・アクィナスの理解
三 返済の遅滞と逸失利益への補償
四 ソキエタスからの利益──トマス・アクィナスの理解
五 教会法学者の逡巡
六 シエナのベルナルディーヌスとフィレンツェのアントニーヌス
七 新たな生き様解放への一歩
第三章 十三、十四世紀のフィレンツェとメディチの事業の創業
一 十三、十四世紀のフィレンツェ
二 ムジェッロからフィレンツェへ
三 メディチの事業の創業──ヴィエーリ・ディ・カンビオとジョヴァンニ・デ・メディチ
第四章 コジモの追放、帰還とメディチ・レジームの形成
一 フィレンツェからの追放と帰還
二 メディチ・レジームの形成
三 〈ローディの和〉
第五章 コジモの時代のメディチの事業(I)──その概容、組織、そしてひと
一 コジモの時代のメディチの事業
二 為替手形の引き受け
三 寄託とローマの拠点
四 事業組織の統轄と総支配人
第六章 コジモの時代のメディチの事業(II)──その収益は宥恕されうるものであったか?
一 ソキエタスから分配される利益
二 〈乾燥手形〉と〈初年度献上金〉の立て替え
三 寄託と危険の共有
四 〈教皇官房付き受寄者総代〉
第七章 コジモ・デ・メディチのパトロネージ
一 大パトロンの時代
二 富者コジモ
三 コジモ・デ・メディチのパトロネージ
第八章 それはつぐないの行為であったか?
一 大度量のひとコジモ
二 返還の容易なウスラと容易でないウスラ
三 それはつぐないの行為であったか?
四 コジモの胸中に去来したもの
結びにかえて──煉獄のコジモ
一 コジモは今、どこに?
二 第三の場、煉獄
三 煉獄のコジモ?
あとがき
初出一覧
引用・参考文献
人名索引 遠隔地交易の発展と商業都市の勃興にともない、富をなす事業家、銀行家が次々に現れた中世後期ヨーロッパ。しかし、教会法はウスラ=利子をむさぼる行為を許されざる大罪とみなしていた。ウスラをめぐる聖職者達の言葉と、メディチ家の巨人コジモの生涯をたどり、そのパトロネージに秘められた贖罪の悲願を明らかにする。
凡例
引用全集一覧
挿図一覧
序章 作品を観る場 ザクセンの王都ドレースデンとその王室画廊
1 ザクセンの王都ドレースデン
2 ドレースデンの王室画廊とその展示法
3 ドレースデン王室画廊訪問記
4 作品鑑賞手段としての版画集
第一部 ヴィンケルマンとその世紀
第1章 ヴィンケルマンの古典主義
1 古代美術模倣論
2 「ギリシア的自然」(ヘルダリン)
3 「高貴なる単純と静謐なる偉大」
4 ギリシア美術の四様式
第2章 レッシングのラオコーオン論
1 絵画(造形芸術)と文学(言語芸術)
2 古代文献とラオコーオン像の制作年代
第3章 ヘルダーのラオコーオン論と彫塑論
1 レッシング批判(「不滅のヴィンケルマン」)
2 ヴィンケルマン批判
3 触覚または彫塑論
第4章 ヒルトのラオコーオン論と特性論
第5章 ゲーテの古典主義
1 自然と芸術(『プロピュレーエン』「序説」)
2 ラオコーオン論
3 ヴィンケルマン小伝(「われらがヴィンケルマン」)
第6章 初期ロマン派の芸術論
1 フリードリヒ・シュレーゲルの文学論
2 ヴァッケンローダー(『心情吐露』)とティーク(『シュテルンバルト』)
3 フリードリヒ・シュレーゲルの絵画論
第二部 シェリングのミュンヘン講演
第1章 時代の中のミュンヘン講演
1 バイエルンの王都ミュンヘン
2 ミュンヘン講演の歴史的問題点
3 『芸術哲学』講義とミュンヘン講演
第2章 芸術哲学と自然哲学
1 ドイツ美学と自然哲学
2 自然模倣と古代模倣
3 自然哲学と天才美学
4 「自然精神」をめぐって
第3章 象徴と寓意 ヴィンケルマン,モーリッツ,シェリング
1 絵画と彫刻
2 他律と自律または寓意と象徴
3 神話と象徴
4 象徴と寓意または古代と近代
第4章 特性と悲劇 モーリッツ,ゲーテ,シュレーゲル,シェリング
1 造形的模倣
2 自然模倣,手法,様式
3 特性と非特性
4 特性と悲劇
第5章 彫刻と絵画 ラファエロ,カラッチ,レーニ
1 彫刻と絵画
2 カラッチ絵画とレーニ絵画
3 ラファエロ絵画とレーニ絵画
第6章 ドイツ芸術の再生に向けて
1 バイエルン王室の芸術振興
2 古代模倣と自然観察
3 ドイツ芸術の「花」デューラー
終章 ディオニューソス的なるもの シェリング,ショーペンハウアー,ニーチェ
あとがき
ギリシア美術年表
画家年表
人名索引 古典主義からロマン主義への移行期に、近代ドイツの美学的思考はどのように成立したのか。レッシング、ヘルダー、ゲーテ、シュレーゲル兄弟らを中心とする思想家たちが、ラオコーオン像などの古代彫刻作品やイタリア・ルネサンス美術の批評をめぐって展開した論争をつぶさに追い、ギリシア的理想がドイツの思想空間にもたらした文化的・宗教的革新の本質に迫る。掲載図版多数。
マンデヴィルは利己主義の思想家で、マキアヴェリ、トマス・ホッブズ、アダム・スミス、マルクスなどとつづく人たちのなかにその位置を占めている。1670年にオランダで生まれ、ロッテルダムのエラスムス学校に進み、1685年10月にライデン大学に入学、1689年3月に哲学の学位論文を提出し、1691年3月に医学博士の学位取得のあと、神経系統の医者になる。まもなく英語を学ぶためロンドンに渡り、医者として開業しながらそこに永住するにいたる。1699年1月にイギリス女性と結婚、少なくとも二子はもうけている。1733年1月に死去。無名時代の彼については知られているものの、もっとも著名な人物の一人であったころの記録はほとんどない。ただ彼への誹謗のみがひとり歩きしている感じだが、彼に会ったベンジャミン・フランクリンによれば、剽軽で愉快な人物であったようだ。著書には本書正・続編の他に、『寓話』(1703年)、『ヒポコンデリー症とヒステリー症についての論文』(1711年)、『自由思想』(1720年)、『名誉の起源』(1732年)などがある。 1934年、青森県北津軽郡五所川原市金木町大字川倉に生まれる。青森県立五所川原高校を卒業後、東京大学文学部英文学科を経て、1962年、同大学院修士課程を修了。法政大学文学部英文学科名誉教授。2013年11月、瑞宝中綬章を受章。著書:『イギリスの風刺小説』(共著、東海大学出版会、1987年)、『愚者と遊び──スターンの文学世界』(法政大学出版局、2003年)、訳書:D.デフォー『疫病流行記』(現代思潮社、1967年)、『イギリス通商案──植民地拡充の政策』(法政大学出版局、2010年)。 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク 凡例
緒言
ホレイショとクレオメネスとフルヴィアのあいだの第一の対話
ホレイショとクレオメネスのあいだの第二の対話
ホレイショとクレオメネスのあいだの第三の対話
ホレイショとクレオメネスのあいだの第四の対話
ホレイショとクレオメネスのあいだの第五の対話
ホレイショとクレオメネスのあいだの第六の対話
索引
訳注
訳者あとがき 『蜂の寓話』への反論に対して書かれた本書は、自負心や虚栄心、自己愛や名誉心、慈善やお世辞、それらを自己抑制して生まれる美徳などを論じ、市民社会における人間の情念の意味を追究する六つの対話からなる。シャフツベリー批判でもある。
マンデヴィルは利己主義の思想家で、マキアヴェリ、トマス・ホッブズ、アダム・スミス、マルクスなどとつづく人たちのなかにその位置を占めている。1670年にオランダで生まれ、ロッテルダムのエラスムス学校に進み、1685年10月にライデン大学に入学、1689年3月に哲学の学位論文を提出し、1691年3月に医学博士の学位取得のあと、神経系統の医者になる。まもなく英語を学ぶためロンドンに渡り、医者として開業しながらそこに永住するにいたる。1699年1月にイギリス女性と結婚、少なくとも二子はもうけている。1733年1月に死去。無名時代の彼については知られているものの、もっとも著名な人物の一人であったころの記録はほとんどない。ただ彼への誹謗のみがひとり歩きしている感じだが、彼に会ったベンジャミン・フランクリンによれば、剽軽で愉快な人物であったようだ。著書には本書正・続編の他に、『寓話』(1703年)、『ヒポコンデリー症とヒステリー症についての論文』(1711年)、『自由思想』(1720年)、『名誉の起源』(1732年)などがある。 1934年、青森県北津軽郡五所川原市金木町大字川倉に生まれる。青森県立五所川原高校を卒業後、東京大学文学部英文学科を経て、1962年、同大学院修士課程を修了。法政大学文学部英文学科名誉教授。2013年11月、瑞宝中綬章を受章。著書:『イギリスの風刺小説』(共著、東海大学出版会、1987年)、『愚者と遊び──スターンの文学世界』(法政大学出版局、2003年)、訳書:D.デフォー『疫病流行記』(現代思潮社、1967年)、『イギリス通商案──植民地拡充の政策』(法政大学出版局、2010年)。 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク 凡例
緒言
ブンブンうなる蜂の巣──悪者が正直者になる話
序文
美徳の起源についての考察
注釈
慈善と慈善学校についての試論
社会の本質についての考究
索引
本書の弁明
訳注
訳者あとがき 〈ブンブンうなる蜂の巣〉の寓意詩は、大胆な逆説をこめて市民社会の倫理と経済原則との間の関連をうたい、近代社会・経済思想の一源泉となった。著者自身による注釈、美徳の起源についての考察、慈善と慈善学校についての試論、社会の本質についての考究、索引等を含む上巻の完訳。
1897年ブレスラウ生まれのユダヤ系ドイツ人社会学者。地元のギムナジウムを経てブレスラウ大学に入学。そこで医学や哲学を学ぶ。第一次世界大戦では通信兵として従軍する。その後、ハイデルベルク大学でリッケルト、ヤスパースなどに哲学を学び、アルフレート・ヴェーバー、カール・マンハイムの下で社会学の研究に従事する。フランクフルト大学に移り、マンハイムの助手として働く。ナチスに追われフランスやイギリスに亡命。1954年57歳でレスター大学社会学の専任教員に任命される。レスター大学を退職した後にガーナ大学社会学部教授として招聘される。レスター大学では数多くの有能な若手社会学者を指導し、社会学、心理学、歴史学などの該博な知識に裏打ちされた独自の社会理論を構築する。邦訳書に、『文明化の過程』、『宮廷社会』、『社会学とは何か』、『参加と距離化』、『死にゆく者の孤独』、『時間について』、『諸個人の社会』、『モーツァルト』、『定着者と部外者』(共著)〔以上、法政大学出版局〕などがあり、その他にも英語とドイツ語で書かれた数多くの論文がある。1977年第一回アドルノ賞を受賞。ドイツ、フランス、オランダの大学からも名誉博士号や勲章が授与された。1990年オランダで93年の生涯を終える。 1932年福岡県に生まれる。京都大学大学院文学研究科博士課程単位取得退学(哲学専攻)。大阪女子大学名誉教授。著書:『ニーチェと政治』、『ニーチェを学ぶ人のために』、共著:『実践哲学の現在』(以上、世界思想社)、『過剰としてのプラクシス』(晃洋書房)ほか。訳書:アーレント『思索日記』・・・(レッシング・ドイツ連邦共和国翻訳賞受賞)、エリアス『モーツァルト』、シュトラウス『始まりの喪失』、エーベリング『マルティン・ハイデガー』、ピヒト『ニーチェ』、アンダース『寓話・塔からの眺め』、『世界なき人間:文学・美術論集』、『異端の思想』、『時代おくれの人間』上下、カネッティ『蠅の苦しみ:断想』、ブルーメンベルク『神話の変奏』(以上、法政大学出版局)、クリステヴァ『ハンナ・アーレント講義:新しい世界のために』(論創社)ほか。 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク 序論
I 文明化と逸脱
A 二十世紀におけるヨーロッパ的行動基準の変化
B 決闘を許された社会
II ナショナリズムについて
III 文明化と暴力──国家による肉体的暴力の独占とその侵犯
補論1 ヴィルヘルム二世時代の市民階級のエートス
補論2 ワイマール共和国の戦争肯定の文学(エルンスト・ユンガー)
補論3 ワイマール共和国における国家による暴力独占の崩壊
補論4 世界の廃墟に立つサタン
補論5 ドイツ連邦共和国のテロリズム──世代間の社会的葛藤
IV 文明化の挫折
V ドイツ連邦共和国について
原註
編集後記
訳者あとがき ナチズムの台頭から戦争・強制収容所へ、さらにドイツ分割へと至る20世紀前半のドイツの足跡を脱文明化=暴力の支配した過程として捉え、「文明化」の根底にあってその過程を動かしている「暴力」の本質を同時代の体験者の視点から剔抉する。
読者へのお知らせ
陣内秀信・高村雅彦 編
『水都学Ⅲ 特集 東京首都圏 水のテリトーリオ』
著作権侵害についてのお詫び (さらに…)
W.ウェーバー著/城戸朋子訳『音楽と中産階級』が、「音楽の友」(2015年9月号/寺西肇氏・評)にて紹介されました。
C.ヨプケ著/伊藤豊、他訳『ヴェール論争』が、「朝日新聞」(2015年8月16日付/杉田敦氏・評)にて紹介されました。
H.クレイシ著/武田将明訳『言葉と爆弾』が、「本の雑誌」(2015年9月号/都甲幸治氏・評)にて紹介されました。