宮崎揚弘著『函館の大火』が、「北海道新聞」(2017年3月5日付)にて紹介されました。
2017年 のアーカイブ
カール・R.ポパー著/藤本隆志・石垣壽郎錫・森博訳『推測と反駁〈新装版〉』が、「医療経営士」(2017年3月20日号/神内秀之介氏・評)にて紹介されました。
序 【アニー・ビトボル‐エスぺリエス】
*
解剖学摘要 【安西なつめ・澤井 直・坂井建雄 訳】
治療法と薬の効能 【安西なつめ・澤井 直・坂井建雄 訳】
動物の発生についての最初の思索 【香川知晶・竹田 扇 訳】
味覚について 【香川知晶・竹田 扇 訳】
人体の記述 【山田弘明・竹田 扇 訳】
*
解 説
Ⅰ 『解剖学摘要』『治療法と薬の効能』解題 【安西なつめ】
はじめに
出版・翻訳の状況
両テキストの概要
『解剖学摘要』読解の留意点
『解剖学摘要』に見られる松果腺
おわりに
Ⅱ 『動物の発生についての最初の思索』『味覚について』解題 【香川知晶】
テキストの問題
『動物発生論』の執筆時期
デカルト以前の動物発生論
ガレノスの生理学説とデカルト
『動物発生論』の概要
『味覚論』
『動物発生論』の意義
Ⅲ 『人体の記述』解題 【山田弘明】
『人体の記述』の執筆
その内容
その特色
Ⅳ 解剖用語の歴史から見たデカルト──襲用と独自性 【澤井 直】
はじめに──デカルトの観察の独自性への疑問
観察における解剖用語
17世紀前半の解剖用語の状況
デカルトとボアンの解剖用語の比較
ボアン以外の解剖学者の用語
デカルトによる用語の襲用と独自の用語
Ⅴ 現代医学から見たデカルトの解剖学とその周辺 【竹田 扇】
はじめに
デカルトの解剖学における構造の同定とその解釈
用語と概念の多義性──Semenceを例に
おわりに
Ⅵ 西洋医学におけるデカルトと解剖学 【坂井建雄】
17世紀の西洋医学
デカルト以後の医学
西洋医学における解剖学の役割
あとがき 【香川知晶】
人名索引
事項索引 近代哲学の父デカルトによる、医学・解剖学関連のテクストを初集成。ヴェサリウス、ファブリキウス、ボアンやハーヴィなど、当時最先端の医学・生理学の知と渡り合い、自ら解剖実践を繰り返しながら執筆した全5編を収録。近代の機械論的自然観・生命観の成立において、哲学史・科学史全般に大きな影響をもたらした第一級の資料。最高の訳者陣による注・解説と、学界の第一人者ビトボル=エスペリエス氏による序を付す。
中村敏子著『トマス・ホッブズの母権論』が、「出版ニュース」(2017年3月下旬号)にて紹介されました。
中江秀雄著『大砲からみた幕末・明治』が、「素形材」(2017年Vol.58号)にて紹介されました。
ソニア・O・ローズ著/長谷川貴彦・兼子歩訳『ジェンダー史とは何か』が、「ふぇみん」(2017年3月15日号)にて紹介されました。
1946年生まれ。イェール大学卒業、ピッツバーグ大学で博士号を取得、ノースカロライナ大学教授、ミシガン大学教授を経て、現在イェール大学アンドリュー・ダウニー・オリック教授、ミシガン大学ジョン・デューイ卓越名誉教授。主な研究分野は倫理学。主な著作に、本書のほか、Philosophical Ethics Westview Press, 1998:『哲学的倫理学』), Welfare and Rational Care(Princeton University Press, 2002:『福祉と理性的ケア』), Morality, Authority, and Law : Essays in Second-Personal Ethics I(Oxford University Press, 2013:『道徳・権威・法──二人称的観点の倫理学に関する試論Ⅰ』), Honor, History, and Relationship: Essays in Second-Personal Ethics II(Oxford University Press, 2013:『名誉・歴史・人間関係──二人称的観点の倫理学に関する試論Ⅱ』)など。 京都大学大学院文学研究科博士課程学修退学、大阪大学大学院文学研究科博士後期課程修了、博士(文学)。洛星中学・高等学校教諭、明治学院大学一般教育部助教授、同大学法学部准教授を経て、現在、上智大学文学部教授。主な研究分野は、近現代の実践哲学、臨床哲学、哲学的対話の理論と実践。主な著作に『グローバル・エシックスを考える──「九・一一」後の世界と倫理』(共編著、梓出版社、2008年)、『世界市民の哲学』(共編著、晃洋書房、2012年)、『自由の秩序──カントの法および国家の哲学』(共監訳、ミネルヴァ書房、2013年)など。 大阪大学大学院文学研究科博士後期課程単位修得退学、日本学術振興会特別研究員、ミシガン大学客員研究員、熊本大学グローバルCOEリサーチ・アソシエイトを経て、国立循環器病研究センター研究員、現在、同センター医学倫理研究部倫理研究室長。主な研究分野は、臨床倫理、研究倫理、臨床哲学。主な著作に「家族と代理判断」(浅井篤・高橋隆雄編『臨床倫理』丸善、2012年)、“Defining life-prolonging treatment through Neo- Socratic Dialogue”(BMC Medical Ethics, 2013),「国内における研究倫理コンサルテーションのニーズ」(『臨床薬理』2015年)など。 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク まえがき
凡 例
第一部
第一章 主要な着想(一)
二人称的理由/論理的関係と人称的関係/二人称的概念の還元不可能な円環/ストローソンの論点/権利/理由を二人称的に宛てることの諸前提/フィヒテの論点/プーフェンドルフの論点
第二章 主要な着想(二)
道徳的義務がもつとされている規範性/道徳的義務の範囲/道徳的義務を立証する──カント的プロジェクト/定言命法の二人称的解釈/契約主義の基礎
第三章 二人称的構えと二人称的理由
共感とアダム・スミスの交換論/強いることと導くこと/言語行為と適切性の条件/信念の理由を宛てること/二人称的な実践的理由を宛てること/二人称的理由、責任、尊敬
第二部
第四章 責任と二人称
誰かに何かを宛てることの一種としての反応的応答/二人称的な能力と権威を前提とすること/(人としての)相手の振舞いに応答すること/(少なくとも部分的に)人に対する尊敬をもつこと/(少なくとも見たところでは)無道徳的な事例/尊敬、尊厳、反応的制裁/責任、自由、中心的ではない事例
第五章 道徳的義務と責任
責任と道徳的義務のメタ倫理学/道徳的義務の二人称性を明示的にする/道徳の規範性と二人称的理由/平等な責任としての道徳/近代初期の自然法における責任と二人称的理由/道徳的義務に関するスアレスの見解/道徳的義務に関するプーフェンドルフの見解/責任、道徳的理由、二人称的観点/二人称的なものとしての定言命法と黄金律
第六章 尊敬と二人称
態度と対象/評価としての尊敬と認知としての尊敬との対比/尊敬とケアの対比/尊敬に関するカントの見解/自惚れと道徳──スターリンの事例/二人称的なものとしての尊敬/礼儀作法、名誉、公共空間/尊厳はどこから来るか
第三部
第七章 カントにおける道徳と自律
道徳・自律の正当性を立証する必要性/カントの行為論/『基礎づけ』第三章における道徳・自律の立証/『基礎づけ』のその他の議論/理性の事実/理性の事実──二人称的な解釈
第八章 尊厳と二人称──フィヒテの主題による変奏
序奏──材料を集める/フィヒテの分析──要求を二人称的に宛てることと自由な実践理性/フィヒテの分析──行為主体性を定立することと二人称的理由/フィヒテの論点──法・権利の原理と平等な尊厳/反論──奴隷制/主張を定式化する
第九章 自由と実践理性
規範性と未決の問い──信念と真理/規範性と未決の問い──行為、欲求、結果の価値/自由な行為主体性と二人称的観点/実践理性のメタ倫理学──認識的理論と構成主義的理論の対比/構成主義と二人称的観点/認識的理論と二人称的観点
第十章 契約主義の基礎
契約主義のさまざまな種類/契約主義と定言命法/契約主義における理性的な受け入れと道理にかなった却下の基礎/契約主義と規則帰結主義/公共性の役割と原則/道理にかなったものを立証する
監訳者解説(寺田俊郎)
監訳者あとがき
引用文献
索 引 人はなぜ、道徳的に正しいことを行い、不正なことを避けるべきなのか? 道徳的義務が本質的に相互人格的な性格をもつという「二人称的観点」を明確に導入し、尊敬にもとづく義務や責任の倫理学を構築しようとする問題提起の書。哲学史との対話を通じ、義務論的・契約主義的立場から応用・実践倫理分野に新たな視座をもたらす、現代英語圏を代表する哲学者の一人ダーウォルの主著。
主な著書に『フランス近代社会1814-1852――秩序と統治』(木鐸社、1995年)、『19世紀フランス社会政治史』(山川出版社、2013年)。 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク 0 イントロダクション 小田中直樹
1 今日の『アナール』 ベルナール・ルプティ
2 組織、新たな研究対象 パトリック・フリダンソン
3 社会的なるものの主観主義的アプローチにむけて ジェラール・ノワリエル
4 交錯する歴史を考える ミシェル・ヴェルネール&ベネディクト・ツィンメルマン
─経験的なるものと再帰的なるものとのはざまで─
5 19世紀フランスにおける準幹部公務員 ジャン・ルビアン
─ある研究の中間報告─
6 巻頭言 『アナール』第66巻第1号(2011年)
7 巻頭言『アナール』、今日、明日 『アナール』第67巻第3号(2012年)
編訳者あとがき 「歴史学はパン屑のように細分化した」と批判され、1989年に「危機的な曲がり角=批判的転回」特集を組んだ歴史学を代表する世界的学術誌『アナール』。彼らは何に危機感を抱いたのか。根底を揺るがされる危機を乗り越え、さらにはインターネットの普及で研究状況が一変した今、歴史学はどこに向かおうとしているのか。その試行錯誤の軌跡を、現状理解に不可欠な精選された論考群でたどる。 【著者紹介】
ベルナール・ルプティ(Bernard Lepetit)
1948-1996年。1989年から死去するまで社会科学高等研究院指導教授。専門は歴史学。
パトリック・フリダンソン(Patrick Fridenson)
1944年生まれ。現在、社会科学高等研究院名誉教授。専門は経営史学。
ジェラール・ノワリエル(Gérard Noiriel)
1950年生まれ。現在、社会科学高等研究院指導教授。専門は史学史、歴史理論。
ミシェル・ヴェルネール(Michael Werner)
1946年生まれ。現在、国立科学研究センター研究指導教授および社会科学高等研究院指導教授。専門は独仏関係論。
ベネディクト・ツィンメルマン(Bénédicte Zimmermann)
社会科学高等研究院指導教授。専門は独仏比較歴史社会学。
ジャン・ルビアン(Jean Le Bihan)
1971年生まれ。レンヌ第二大学准教授。専門はフランス近代史。
1944年生まれ。1977年ハーヴァード大学哲学博士(歴史学)。以来、カリフォルニア大学バークレー校でヨーロッパ思想史を担当。現在は同校教授。「フランクフルト学派」の「批判理論」の思想史的領野をアメリカからの視座で分析する研究を開始。のち、ヨーロッパ(とくにフランス)20世紀思想を「視覚の名誉剥奪」の契機から読み解く思想史的分析などに研究対象を広げている。邦訳書に『弁証法的想像力』(みすず書房)、『マルクス主義と全体性』(国文社)、『アドルノ』(岩波現代文庫)、『永遠の亡命者たち』(新曜社)、『暴力の屈折』(岩波書店)、『世紀末社会主義』、『文化の意味論』(以上、小局刊)、編著に『ハーバーマスとアメリカ・フランクフルト学派』(青木書店)、『アメリカ批判理論の現在』(こうち書房)ほか。 東京大学文学部哲学科卒業。北海道大学大学院文学研究科(哲学専攻)修了。札幌医科大学名誉教授。科学論、ドイツ・オーストリア思想史。著書に『生命倫理学入門』(産業図書)、『思想史のなかのエルンスト・マッハ』(東信堂)、訳書・共訳書にハート『レオナルド・ダ・ヴィンチ小伝』、マクギネス『ウィトゲンシュタイン評伝』、ブロッホ『チュービンゲン哲学入門』、リュッベ『ドイツ政治哲学史』(以上、小局刊)ほか。 北海道大学文学部独文学科卒業。北海道大学大学院文学研究科(独文学専攻)修了。北海道大学名誉教授。ゲーテの文学、ドイツ現代思想。共著に『魔法の角笛──ドイツ文学の森に遊ぶ』(北海道大学出版会)、共訳書にアイク『ビスマルク伝(5)』(ぺりかん社)ほか。 北海道大学文学部西洋哲学科卒業。北海道大学大学院文学研究科(宗教学専攻)修了。北海道大学教授。新約聖書学、宗教学。共著に『リクール読本』(小局刊)、『旅と交流』、『新渡戸稲造に学ぶ』、『聖と俗の交錯』(以上、北海道大学出版会)、共訳書に『リクール聖書解釈学』(ヨルダン社)、『エリアーデ=クリアーヌ往復書簡』(慶應義塾大学出版会)ほか。 北海道大学文学部西洋哲学科卒業。北海道大学大学院文学研究科(哲学専攻)修了。現在、武蔵野美術大学教授。西洋哲学、フランス現代思想。著訳書に『メルロ=ポンティ『眼と精神』を読む』(武蔵野美術大学出版局)、著書に『アリストテレス──はじめての形而上学』、『アウグスティヌス──“私”のはじまり』(以上、NHK出版)、共訳書にバノフスキー『イデア──美と芸術の理論のために』(平凡社ライブラリー)ほか。 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク 謝 辞
序 論
第1章 都市から都市への脱出──フランクフルトとニューヨークの社会研究所
第2章 行為遂行的矛盾についての論争──ハーバマスとポスト構造主義者たち
第3章 系譜学の道徳──あるいはポスト構造主義的倫理は存在するか
第4章 危機の時にあっての主権の再主張──カール・シュミットとジョルジュ・バタイユ
第5章 暗い時代の女性たち──アグネス・ヘラーとハンナ・アーレント
第6章 イデオロギーとしての「美的イデオロギー」──あるいは政治を美学化するとはどういうことか
第7章 黙示録的想像力と悲哀の能力の欠如
第8章 解釈学の興隆と視覚中心主義の危機
第9章 近代の視覚体制
第10章 イデオロギーと視覚中心主義──鏡の裏箔の背後に何かがあるのか
第11章 モダニズムと形式からの後退
第12章 思想史へのテクスト的アプローチ
第13章 〈名前を挙げる〉のか〈名前を落とす〉のか──人文諸科学における正統化の諸様式
訳者あとがき
原 注
人名索引 フランクフルト学派の形成、ハーバマスとポスト構造主義者、シュミットとバタイユ、ヘラーとアーレント等々、多岐にわたる論考から現代の思想的アポリアを読み解く。
1 伝統中国(古典中国)における「歴史」とは?──「空間」性への眺望
2 華夷/正統/勢──「空間」の歴史、または、各章への導入を兼ねて
3 「歴史」を再考する──偶然性・中立性と流動性の坩堝へ
第一章 華夷について (渡邉義浩)
1 文化概念としての華夷
1 春秋公羊学
2 春秋穀梁学
3 春秋左氏学
2 仏教と華夷思想
1 仏教の排斥
2 仏教との共存
3 道学の華夷思想
3 西欧と華夷思想
1 征服王朝下の華夷思想
2 公羊伝と左氏伝
3 華夷思想の終焉
第二章 正統について (林文孝)
1 正統論的議論の発生
1 政権正統性の観念
2 五徳終始説
3 春秋学
2 三国時代と南北朝時代
3 北宋
1 西順蔵の議論の概要とその問題点
2 欧陽脩(一)
3 章望之
4 蘇軾
5 司馬光
6 欧陽脩(二)
4 南宋
5 元・明・清
1 概要
2 「道統」と「治統」
3 明代通俗歴史書の正統論
4 清朝正統論のうちそと
6 近現代
第三章 勢について (伊東貴之)
1 移ろいゆくもの──「勢」とは何か?
1 天(=自然史/誌)から人事(=歴史)へ──変化と反復、循環
2 古代における「勢」──個人から集団へ、空間的な布置から歴史へ
3 藝術における「勢」──文章・絵画・書における転調と変貌
2 歴史と「勢」──治乱、気数と事勢(時勢)、理勢の相剋
1 歴史意識の諸相──治乱、気数と事勢(時勢)
2 理/勢の相剋──制度と風俗の推移と変容
余説
乱のヒストリア、治のヒストリア、そして古典中国 (渡邉義浩)
索引 自らと他者を区別して、世界秩序や天下的世界観も示す「華夷」。治乱興亡の『三国志』から、現在も、政権などについて問い直される「正統」。君主の権力や勢威から派生し、空間的布置や形勢、歴史的・時間的趨勢も意味する「勢」。中国の政治思想、文化論、国家観など広範な領域でその本質を考察する。悠久の時間を往還し、広大な空間を横断して、歴史のダイナミズムが、いま動き出す。
第I部 沖縄の党
ポスト「島ぐるみ闘争」の思想戦 川満信一
「沖縄の党」とあま世の連帯 新川明
戦後の沖縄戦を生きぬく 松島朝義
第II部 帝国へ/帝国から
国場幸太郎における民族主義と「島」 冨山一郎
沖縄史の日本史からの自立──傷みの歴史から「あま世」の希望 鹿野政直
第III部 座談会 歴史の自立をめぐって
鹿野政直/新川明/川満信一/松島朝義/冨山一郎/森宣雄/戸邉秀明
あとがき──歴史における態度の問題 冨山一郎・戸邉秀明
戦後沖縄・歴史認識アピール 沖縄の歴史を知るということは、平和だと思い続けてきた日本の自画像を問うことであり、いま繰り広げられている暴力を前に自らの生き方や歴史認識にむきあう態度の問題である。そこから沖縄のめざす未来「あま世」が見えてくる。新川明、川満信一、鹿野政直、松島朝義のインタビュー、講演、座談会も所収。 【執筆者略歴】
川満信一(かわみつ・しんいち)
1932年沖縄・宮古島生まれ。1956年、琉球大学文理学部国文科在学時に文芸同人誌『琉大文学』に参加。1956年、同大卒業後、沖縄タイムス社に入社。以後、『新沖縄文学』編集長等を歴任。著書に『川満信一詩集1953-1972』(オリジナル企画、1978年)、『沖縄・根からの問い――共生への渇望』(泰流社、1978年)、『沖縄・自立と共生の思想――「未来の縄文」へ架ける橋』(海風社、1987年)、『沖縄発――復帰運動から40年』(世界書院、2010年)など多数。
新川 明(あらかわ・あきら)
1931年沖縄生まれ。琉球大学文理学部国文科在学時に文芸同人誌『琉大文学』に参加。1955年、同大を中退し沖縄タイムス社に入社。同社八重山支局長、『新沖縄文学』編集長、『沖縄大百科事典』刊行事務局長、編集局長、社長、会長を経て1995年退任。著書に『反国家の兇区』(現代評論社、1971年。社会評論社より1996年に増補新版)、『新南島風土記』(大和書房、1978年。毎日出版文化賞受賞。のち朝日文庫、岩波現代文庫)、『詩画集 日本が見える』(共著、築地書館、1983年)など多数。
松島朝義(まつしま・ちょうぎ)
1947年沖縄生まれ。1966年、国費自費留学制度で中央大学法学部入学、在学中に多数の沖縄論を執筆・発表。1973年卒業。翌年より那覇市首里で作陶を始め、沖縄県工芸公募展最優秀賞(1985年)、西日本陶芸美術展大賞(2000年)、沖縄タイムス芸術選賞大賞(2007年)など受賞多数。2003年より日本工芸会正会員に選出。陶芸論の共著書に『沖縄美術全集I 陶芸』(沖縄タイムス社、1989年)、沖縄県教育委員会編・発行『沖縄の陶器類関係資料調査報告書』2003年などがある。
鹿野政直(かの・まさなお)
1931年大阪府生まれ。早稲田大学文学部卒業、同大大学院を経て、1958-99年、早稲田大学文学部教員。現在、同大名誉教授。専攻は日本近現代思想史。著書に『鹿野政直思想史論集』全7巻(岩波書店、2007-08年)など多数。近年の沖縄関係の著作に、『沖縄の戦後思想を考える』(岩波書店、2011年)、「阿波根昌鴻――「命どぅ宝」への闘い」(テッサ・モーリス-スズキ編『ひとびとの精神史2 朝鮮の戦争 1950年代』岩波書店、2015年)などがある。
『溝口健二論 映画の美学と政治学』の著者、木下千花先生が、このたび平成28年度(第67回)芸術選奨文部科学大臣新人賞(部門・評論等)を受賞されました。 (さらに…)
朴忠錫著/飯田泰三監修/井上厚史・石田徹訳『韓国政治思想史』が、「中国新聞」(2017年2月26日付/澤井啓一氏・評)にて紹介されました。
宮崎揚弘著『函館の大火』が、「東京人」(2017年4月号/五十嵐太郎氏・評)にて紹介されました。
李穂枝著『朝鮮の対日外交戦略』(サピエンティア47)が、「歴史と地理」(2017年2月号/山川志保・評)にて紹介されました。
R.ロス著/平田雅博訳『洋服を着る近代』(サピエンティア42)が、「西洋史学」(2016年262号/藤川隆男氏・評)にて紹介されました。
1897年、ブレスラウ生まれのユダヤ系ドイツ人社会学者。地元のギムナジウムを経てブレスラウ大学に入学、医学や哲学を学ぶ。第一次世界大戦では通信兵として従軍したのち、ハイデルベルク大学でリッケルト、ヤスパースらに哲学を学び、アルフレート・ヴェーバー、カール・マンハイムの下で社会学の研究に従事する。その後、フランクフルト大学に移り、マンハイムの助手として働くが、ナチスに追われフランスやイギリスに亡命。1954年、57歳でレスター大学社会学部の専任教員に任命される。レスター大学を退職した後にガーナ大学社会学部教授として招聘される。レスター大学では数多くの有能な若手社会学者を指導し、社会学、心理学、歴史学などの該博な知識に裏打ちされた独自の社会理論を構築する。邦訳書に『文明化の過程』『宮廷社会』『死にゆく者の孤独』『参加と距離化』『モーツァルト』『社会学とは何か』『スポーツと文明化』(共著)『時間について』『ドイツ人論』『諸個人の社会』『定着者と部外者』(共著)(以上、小局刊)などがあり、その他にも英語とドイツ語で書かれた数多くの論文がある。1977年、第1回アドルノ賞を受賞。ドイツ、フランス、オランダの大学からも名誉博士号や勲章が授与されている。1990年、オランダで93年の生涯を終えた。 1949年、広島に生まれる。1972年、早稲田大学第一文学部英文科卒業。1980年、同大学大学院文学研究科英文学専攻博士課程満期修了。早稲田大学教授。1990年、2001年、2011年、ケンブリッジ大学ダーウィン・カレッジ客員研究員。主著に『ロレンス文学のポリティクス』(金星堂)。編著に『ノルベルト・エリアスと21世紀』(成文堂)、Norbert Elias and Globalization, Norbert Elias as Social Theorist(以上、DTP出版)。訳書にエリアス/ダニング『スポーツと文明化』、リヴィングストン『狂暴なる霊長類』、ハウツブロム『火と文明化』、パイン『火』、ダニング『問題としてのスポーツ』、ハルバータル/マルガリート『偶像崇拝』、エリアス/スコットソン『定着者と部外者』(以上、小局刊)、共訳書にウォディングトン/スミス『スポーツと薬物の社会学』(彩流社)などがある。 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク 序 章
第一章 総合的な人間理解のために──相対配置の社会学・進化論的生物学・哲学
第二章 習得された音声パターンとしての言語、および「五次元」としてのシンボル
第三章 進化の新機軸としての「シンボルの解放」
第四章 習得された音声シンボルによるコミュニケーションの高度な生存価値
第五章 話すこと・考えること・知ること──現実適合的なシンボルの社会発生と心理発生
第六章 自然レベルとしての人間社会──観念論と唯物論を超えて
第七章 「真実」から現実適合へ──伝統的な哲学の知識理論を超えて
第八章 「五次元の」人間社会における概念形成──抽象概念の説明を超えて
第九章 遠い過去と長い未来──現実適合的知識と人間の生存
テキストについての註釈(リチャード・キルミンスター)
原著者について──ノルベルト・エリアス(一八九七─一九九〇)
訳者あとがき
文献一覧
索 引 言語はいかにして世代を超え、時代を超え伝承されてきたのか。そして、言語はなぜ人間の集団形成および知識・文化形成における社会的原動力となりえたのか。主著『文明化の過程』で示された長期的相互依存の連鎖による文明化モデル、『時間について』で示された五次元の世界概念を敷衍し、シンボルとしての言語・知識・文化に関する総合的理論を構築するとともに、知識社会学の刷新を試みたエリアス最晩年の重要作。
序 憲法の問題
1 悪文、大日本帝国憲法
2 それは、翻訳のせいだった
3 明治憲法以前の主語の翻訳
4 教育の場での翻訳
5 「~ハ」構文の文法――三上章説を中心に
6 「~は」と「~が」
第二章 「主語」はこうしてつくられた
1 論文における「主語」
2 「主語」の文法、その論理
3 近代日本における「主語」の論理
4 漱石の「~は」への風刺
第三章 小説における主語
1 小説における人称の「主語」
2 西洋市民社会の主人公
3 「彼」の文法、その論理
4 特別な人物を指す「三人称代名詞」
5 「彼は」、「彼女は」への批判
6 「彼」「彼女」への抵抗
7 やはり、「彼は」、「彼女は」は使われている
第四章 「文」は近代につくられた
1 日本文には、切れ目はなかった
2 句点「。」を打つ苦心
3 結局、「文」がよく分からなかった
4 「文」概念は入っていたが……
第五章 文末語もつくられた
1 「文」がつくられた
2 「た。」は過去形か
3 過去形「た。」の出現
4 近代以前の「口語文」
5 少数の作家だけが歓迎した「た。」
6 現在形もつくられた
7 「ル形」は、まともな文型ではなかった
8 「デアル。」文がつくられた
第六章 日本語はつくられていく
1 志賀直哉の翻訳調文体
2 「彼」の到達した個人主義
3 「彼は……た。」の論理
4 漱石の「現在形」
第七章 「~は……である。」文の新しい意味
1 歴史における翻訳
2 「~は」の役割が変わった
3 書き言葉における「である。」
4 「~は……である。」文の論理
5 日本国憲法前文の「~は」
第八章 日本語の論理
1 西田哲学の「主語」論理批判
2 「述語論理」の説――中村雄二郎、木村敏
3 翻訳論の立場から
4 西田哲学と時枝文法論
5 さらに翻訳論の立場から
第九章 A+B→Cの文化論
1 「未知」なままでの理解方法
2 現代の流行現象から
3 異文化「フランス」
4 キリシタンはキリスト教徒だったのか?
5 キリシタンの「転び」
6 「転び」と両立する信仰
第十章 漢字の造語力と、意味の空しさ
1 「~は」構文と漢字
2 訓読みの時代
3 音訓併用の時代
4 日本独自の勉強法「素読」
5 文字が時代をつくる
6 日本近代をつくった漢字
7 漢字の特有の機能について
8 漢字の「形」の造語力
9 漢字の「意味」の造語力
10 漢字造語力への思い込み
11 「外来語」の造語力
第十一章 言葉の限界
1 言葉に閉じこめられて
2 言葉の裂け目――パラドックス
3 堅固な言葉、文字
4 差別も文字がつくり出した
5 文字以前の言葉の世界
おもな参考文献
あとがき 日本語の文体は近代以後,翻訳によってつくられた――大日本帝国憲法に象徴される翻訳悪文の系譜を分析して日本語文の欠陥を摘発し,日本の思想の問題点を抉る。
ソニア・O.ローズ著/長谷川貴彦・兼子歩訳『ジェンダー史とは何か』が、「出版ニュース」(2017年3月上旬号)にて紹介されました。