叢書・ウニベルシタス 137
恐怖の権力 〈新装版〉
〈アブジェクシオン〉試論

四六判 / 418ページ / 上製 / 定価:4,800円 + 税 
ISBN978-4-588-14027-3 C1310 [2016年01月 刊行]

内容紹介

文化を母なる〈アブジェクシオン〉(おぞましきもの)の排除と抑圧の体系としてとらえなおし、〈アブジェクシオン〉の復権により父性=象徴秩序からの離脱をはかり、知の再構築をめざす野心的論考。精神分析学、人類学、文学の各領野を自在に横断し、文化記号論の新たな地平をひらく。

著訳者プロフィール

ジュリア・クリステヴァ(クリステヴァ ジュリア)

(Julia Kristeva)
1941年ブルガリアのユダヤ系の家庭に生まれる。66年パリに出て、文学の記号論的・精神分析的研究に従事する傍ら、後に彼女の夫君となる作家フィリップ・ソレルスの主宰する前衛的雑誌『テル・ケル』に参加、バフチン、ソシュール、フロイト、ラカンらの読解を軸に、デカルト的主体の解体、意味の産出性、詩的言語の侵犯性、母体的原理の措定を中核とする独自のテクスト理論を提出し、ポスト構造主義の一翼を担う。パリ第七大学名誉教授。『セメイオチケ』(69)、『ことば、この未知なるもの』(69)、『テクストとしての小説』(70)、『中国の女たち』(74)、『記号の横断』(75)、『ポリローグ』(77)、『女の時間』(79)、『初めに愛があった』(85)、『黒い太陽』(87)、『外国人』(88)、『彼方をめざして』(90)、『サムライたち』(90)、『プルースト』(94)、『〈母〉の根源を求めて』(98)、『斬首の光景』(98)、『ハンナ・アーレント』(99)、『メラニー・クライン』(2001)などの著作がある。

枝川 昌雄(エダガワ マサオ)

1944年生まれ。大阪大学大学院文学研究科博士課程単位取得。元神戸大学教授。訳書:ジュリア・クリステヴァ『初めに愛があった』(法政大学出版局)、『ことば、この未知なるもの』(共訳、国文社)、『詩的言語の革命 第3部』(共訳、勁草書房)ほか。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

第1章 〈アブジェクシオン〉へのアプローチ

第2章 何を恐がるのか

第3章 「汚れ」から「穢れ」へ

第4章 聖書における嫌忌の記号論

第5章 ……汝、世の罪を拭い去る者よ

第6章 セリーヌ――喜劇役者でも殉教者でもなく

第7章 苦痛/恐怖

第8章 無限を食いつぶす女たち……

第9章 「ユダヤ化するか、それとも死ぬか」

第10章 初めに、そして終りなく……

第11章 恐怖の権力

〈付録〉 『恐怖の権力』自作解説

原注
訳注
訳者あとがき

関連書籍

『初めに愛があった』
J.クリステヴァ:著
『外国人 〈新装版〉』
ジュリア・クリステヴァ:著
『ラカンの思想』
M.ボルク=ヤコブセン:著
『アーカイヴの病』
ジャック・デリダ:著
『羨望の炎』
R.ジラール:著