叢書・ウニベルシタス 225
正常と病理〈新装版〉

四六判 / 320ページ / 上製 / 定価:3,600円 + 税 
ISBN978-4-588-14038-9 C1310 [2017年01月 刊行]

内容紹介

科学批判の認識論の立場から生命科学の根本問題を問いなおし、生命を物理・化学現象に解消させる機械論を徹底的に批判しつつ、正常と病理の概念を「生命に内在する規範」をもとに定義しなおして、現代医学・生命科学はもとより、科学哲学に新たな展望をひらく。エピステモロジーの古典的名著にしてフランス現代思想のオリジンとして必読書!

著訳者プロフィール

ジョルジュ・カンギレム(カンギレム ジョルジュ)

(Georges Canguilhem)
1904年フランス西南部のカステルノダリーに生まれる。ソルボンヌで哲学を、ストラスブール大学で医学を修め、バシュラールに師事して科学哲学研究者の道を歩む。バシュラールの後任としてパリ大学科学史・技術史研究所長をつとめ、1955年から71年までソルボンヌの教壇に立ち、科学史・科学哲学を講じた。科学哲学、医学、生物学にわたる深い学殖をもとに、概念の生成を歴史的に究明し、アルチュセール派、ラカンの後継者たち、さらにはフーコー、ダゴニェ、ブルデュー、セールらに大きな影響を与えた。1995年死去。邦訳書に、本書『正常と病理』、『生命の認識』、『反射概念の形成』、『科学史・科学哲学研究』、『生命科学の歴史』(以上、法政大学出版局)がある。

滝沢 武久(タキザワ タケヒサ)

1931年東京生まれ。東京大学教育学部教育心理学科卒業。電気通信大学教授、大妻女子大学教授を経て、電気通信大学名誉教授。2015年死去。著書に、『知能指数』(中公新書)、『認知発達の心理学』(白水社)、『子どもの思考力』(岩波新書)、『子どもの思考と認知発達』(大日本図書)、訳書に、ピアジェ『心理学と認識論』(誠信書房)、ピアジェ『思考の誕生』(朝日出版社)などがある。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

  緒言

Ⅰ 正常と病理に関するいくつかの問題についての試論(1943年)
  第二版の序
  序論
 第一章 病理的状態は、正常な状態の量的変化にすぎないか?
  Ⅰ 問題への導入
  Ⅱ オーギュスト・コントおよび《プルセの原理》
  Ⅲ クロード・ベルナールおよび実験病理学
  Ⅳ ルリッシュの考え
  Ⅴ 理論の意味
 第二章 正常と病理の科学は存在するか?
  Ⅰ 問題への導入
  Ⅱ いくつかの概念の批判的検討
    ――正常と病理および病気、正常なものと事件的なもの
  Ⅲ 規範と平均
  Ⅳ 病気、回復、健康
  Ⅴ 生理学と病理学
  結論

Ⅱ 正常と病理に関する新考(1963年―1966年)
  二十年後
  社会的なものから生命的なものへ
  人間の有機的規範について
  病理学における新しい概念――《誤謬》
  結語

  原註
  訳註
  訳者あとがき
  人名牽引
  文献目録
  参考文献一覧

関連書籍

『科学史・科学哲学研究 〈新装版〉』
ジョルジュ・カンギレム:著
『カンギレムと経験の統一性』
グザヴィエ・ロート:著
『生命の認識』
G.カンギレム:著
『生命科学の歴史』
G.カンギレム:著