思想*多島海シリーズ 19
中世的修羅と死生の弁証法
〈事件の現象学〉中世篇

四六判 / 406ページ / 上製 / 定価:4,700円 + 税 
ISBN978-4-588-10019-2 C1310 [2011年10月 刊行]

内容紹介

中世の遊歩人たちが経巡り、目撃したのは、古代的制度の全面崩壊から必然化する修羅世界であった。合戦・闘諍(とうじょう)の修羅場で、主従関係はその紐帯を試され形成され、親族関係が血讐・仇討の連鎖を生み、師弟たちは開悟の場で修羅世界を止観し鎮魂する。この修羅‐止観‐鎮魂の〈荒れ野〉彷徨、〈夢幻能〉的道行を、非日常性の夢を紡ぐ中世遊歩人の目と思念をもって透視し概観する。

著訳者プロフィール

前野 佳彦(マエノ ヨシヒコ)

1953年福岡県生まれ。74年東京大学法学部中退、79年同大学院人文科学研究科修士課程修了、80~84年シュトゥットガルト大学・ロンドン大学付属ワールブルク研究所に留学。84年シュトゥットガルト大学哲学部博士学位(Dr.phil.)取得。現在、〈文化記号塾〉主宰(http://bunkakigoujyuku.org/index.asp)。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

 凡例

 序 中世的修羅と生活所作の儀礼化

第一章 主従情念の生成
 一 主従情念の普遍的契機
 二 乳母子関係を基軸とした中世的主従情念の生成

第二章 合戦の情念型
 一 中世的合戦の都市祝祭性
 二 合戦の儀礼化

第三章 仇討の情念型
 一 ニーベルンゲン伝説
 二 曾我伝説

第四章 開悟の情念型
 一 中世的開悟の脱・絶対化
 二 彼岸と此岸の隣接──超越介入の日常性

第五章 家常茶飯の尽十方界──中世的定位コスモロジーの実相
 一 眼横鼻直と面授
 二 祖師禅と作務公案
 三 〈活動的生〉の聖化──ドイツ神秘主義の〈合一〉経験

結び 死生の弁証法──その記号的根拠

 注
 参考文献
 あとがき──大震災、原発事故と古代的システムの自壊
 総索引

関連書籍

『事件の現象学1・2』の続編、『形而上の中世都市──〈散歩の文化学〉中世篇』姉妹編。