ヘーゲル講義録入門

A5判 / 270ページ / 上製 / 価格 3,300円 (消費税 300円) 
ISBN978-4-588-15079-1(4-588-15079-0) C3010 [-0001年11月 刊行]

内容紹介

ヘーゲルの哲学著作の多くを占める講義録テキストの編集・成立過程を丹念に跡づけ、研究に新局面を開いたペゲラー編『ヘーゲル講義録研究』に続き、現代日本の気鋭の研究者たちが各講義録の核心を読み解く。校訂版全集に依拠して従来の解釈を更新するための洞察にみちた1冊。論理学・形而上学、自然哲学、精神哲学、法哲学、国家学、歴史哲学、美学、芸術哲学、宗教哲学、神学、哲学史の講義を扱う。

著訳者プロフィール

寄川 条路(ヨリカワ ジョウジ)

1961年、福岡県生まれ。ボーフム大学大学院修了、文学博士。現在、明治学院大学教授。単著に『新版 体系への道』(創土社、2010年)、『ヘーゲル哲学入門』(ナカニシヤ出版、2009年)、『ヘーゲル『精神現象学』を読む』(世界思想社、2004年)、共訳にオットー・ペゲラー編『ヘーゲル講義録研究』(法政大学出版局、2015年)。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

まえがき
序 章 ヘーゲルの哲学講義 【寄川条路】
第一章 論理学講義 【赤石憲昭】
第二章 論理学・形而上学講義 【真田美沙】
第三章 自然哲学講義 【大河内泰樹】
第四章 精神哲学講義 【池松辰男】
第五章 法哲学講義 【鈴木亮三】
第六章 国家学講義 【岡崎 龍】
第七章 歴史哲学講義 【中畑邦夫】
第八章 美学講義 【瀧本有香】
第九章 芸術哲学講義 【片山善博】
第十章 宗教哲学講義 【小島優子】
第十一章 神学講義 【小井沼広嗣】
第十二章 哲学史講義 【三重野清顕】


あとがき
著者紹介
人名索引

■著者紹介

赤石憲昭(あかいし・のりあき)  1974年、東京都生まれ。一橋大学大学院修了、社会学博士。現在、日本福祉大学准教授。論文に「ヘーゲル判断論の論理──ヘーゲル判断論の人間論的解釈の試み」(久保陽一編『ヘーゲル体系の見直し』理想社、2010年)、「ヘーゲルの「仮言判断」の具体例をめぐって」(『ヘーゲル論理学研究』第9号、2003年)、共訳にオットー・ペゲラー編『ヘーゲル講義録研究』(法政大学出版局、2015年)。

池松辰男(いけまつ・たつお)  1988年、山東省生まれ。東京大学大学院修了、文学修士。現在、千葉県立保健医療大学非常勤講師。論文に「身体と言語──「精神哲学」における二つの表現」(『ヘーゲル哲学研究』第19号、2013年)、「承認の条件としての身体──ヘーゲル「人間学」における〈身体〉の意義」(『倫理学年報』第62集、2013年)、共訳にマルクス・ガブリエル/・スラヴォイ・ジジェク『神話・狂気・哄笑──ドイツ観念論における主体性』(堀之内出版、2015年)、オットー・ペゲラー編『ヘーゲル講義録研究』(法政大学出版局、2015年)。

大河内泰樹(おおこうち・たいじゅ)  1973年、福岡県生まれ。ボーフム大学大学院修了、哲学博士。現在、一橋大学教授。単著にOntologie und Reflexionsbestimmungen. Zur Genealogie der Wesenslogik Hegels. Königshausen und Neumann, 2008. 共著に西山雄二編『人文学と制度』(未來社、2013年)、共訳にアクセル・ホネット『自由であることの苦しみ──ヘーゲル『法哲学』の再生』(未來社、2009年)、マルクス・ガブリエル/スラヴォイ・ジジェク『神話・狂気・哄笑──ドイツ観念論における主体性』(堀之内出版、2015年)、オットー・ペゲラー編『ヘーゲル講義録研究』(法政大学出版局、2015年)。

岡崎 龍(おかざき・りゅう)  1987年、バーモント州生まれ。一橋大学大学院修了、社会学修士。現在、日本学術振興会特別研究員・フンボルト大学留学中。論文に「ヘーゲル『精神現象学』における否定性の問題──ヴォルフガング・ボンジーペン『ヘーゲルのイエナ期論考における否定性の概念』を読む」(『クァドランテ』第16号、2014年)、共訳にマルクス・ガブリエル/・スラヴォイ・ジジェク『神話・狂気・哄笑──ドイツ観念論における主体性』(堀之内出版、2015年)、オットー・ペゲラー編『ヘーゲル講義録研究』(法政大学出版局、2015年)。

片山善博(かたやま・よしひろ)  1963年、東京都生まれ。一橋大学大学院修了、社会学博士。現在、日本福祉大学教授。単著に『生と死の倫理──「死生学」への招待』(DTP出版、2014年)、『差異と承認──共生理念の構築を目指して』(創風社、2007年)、『自己の水脈──ヘーゲル「精神現象学」の方法と経験』(創風社、2002年)、共訳にオットー・ペゲラー編『ヘーゲル講義録研究』(法政大学出版局、2015年)。

小井沼広嗣(こいぬま・ひろつぐ)  1979年、東京都生まれ。法政大学大学院修了、文学修士。現在、法政大学非常勤講師。論文に「道徳的行為主体による悪とその克服──『精神現象学』における良心論をめぐって」(『ヘーゲル哲学研究』第20号、2014年)、共訳にオットー・ペゲラー編『ヘーゲル講義録研究』(法政大学出版局、2015年)、ロバート・B・ピピン『ヘーゲルの実践哲学──人倫としての理性的行為者性』(法政大学出版局、2013年)。

小島優子(こじま・ゆうこ)  1973年、神奈川県生まれ。上智大学大学院修了、哲学博士。現在、高知大学准教授。単著に『ヘーゲル──精神の深さ』(知泉書館、2011年)、『最新哲学がよ〜くわかる本』(秀和システム、2006年)、共著に『生命倫理の教科書』(ミネルヴァ書房、2014年)、共訳にオットー・ペゲラー編『ヘーゲル講義録研究』(法政大学出版局、2015年)。

真田美沙(さなだ・みさ)  1989年、福岡県生まれ。一橋大学大学院修了、文学修士。現在、一橋大学大学院博士課程在学。論文に「ヘーゲル『大論理学』における量の適用範囲」(『哲学の探求』第40号、2013年)、「量における質の回復について──ヘーゲル『大論理学』における〈定量の無限性〉を中心に」(『ヘーゲル哲学研究』第21号、2015年)。

鈴木亮三(すずき・りょうぞう)  1975年、愛知県生まれ。東北大学大学院修了、文学博士。現在、日本医科大学非常勤講師。共著に『どう生きどう死ぬか』(弓箭書院、2009年)、論文に「〈所有の運命〉の行方──フランクフルト・イエーナ期ヘーゲル哲学生成の1断面」(『思索』第47号、2014年)、「ヘーゲル哲学におけるオイディプス問題」(『ヘーゲル哲学研究』第19号、2013年)。

瀧本有香(たきもと・ゆか)  1988年、福井県生まれ。早稲田大学大学院修了、文学修士。現在、日本学術振興会特別研究員。論文に「シェリングとヘーゲル──その芸術観と芸術の地位」(『哲学世界』第37号、2014年)、「ヘーゲル美学における有機体の美しさ」(『哲学世界』別冊第5号、2013年)、共訳にオットー・ペゲラー編『ヘーゲル講義録研究』(法政大学出版局、2015年)。

中畑邦夫(なかはた・くにお)  1971年、千葉県生まれ。上智大学大学院修了、哲学博士。現在、麗澤大学非常勤講師。論文に「ヘーゲルのソクラテス論──その悲劇性および喜劇性」(『麗澤学際ジャーナル』第22巻、第1号、2014年)、「ヘーゲル論理学における神の存在証明の意義」(『ヘーゲル哲学研究』第15号、2009年)、「ヘーゲル論理学における「人格性」について──『大論理学』の実践的・倫理的な解釈可能性」(『倫理学年報』第52集、2003年)。

三重野清顕(みえの・きよあき)  1977年、兵庫県生まれ。東京大学大学院修了、文学博士。現在、お茶の水女子大学非常勤講師。論文に「超越論的な過去──初期シェリングの時間論」(『倫理学年報』第59集、2010年)、「共同体の倫理──時間論的視座より」(『理想』685号、「特集 倫理学の再発見」2010年)、「真理の生成──ヘーゲルにおける時間の真理開示機能をめぐって」(『KAWADE道の手帖・ヘーゲル入門』河出書房新社、2010年)、共訳にオットー・ペゲラー編『ヘーゲル講義録研究』(法政大学出版局、2015年)。

書評掲載

「法政哲学」(2018年第14号/大橋基氏・評)にて紹介されました。

関連書籍

『ヘーゲル国家学』
神山 伸弘:著
『ヘーゲル読本』
加藤 尚武:編
『続・ヘーゲル読本』
D.ヘンリッヒ:著
『イェーナ体系構想』
G.W.F.ヘーゲル:著
『ヘーゲルの実践哲学』
ロバート・B.ピピン:著
『日本国と日本人』
カール・ローゼンクランツ:著