ものと人間の文化史 177

四六判 / 250ページ / 上製 / 定価:2,500円 + 税 
ISBN978-4-588-21771-5 C0320 [2016年11月 刊行]

内容紹介

人間の歴史は歯の悩みとともにあった。公家も将軍も文豪もそのつらさをこぼしている。そのため陰陽師の祈祷から口中医や入れ歯師の処置、明治期に入ってきた西洋技術など、歯科医学は進化しつづけた。著者は歯科医ならではの視点で、江戸の歯みがき事情やお歯黒のこだわり、歯ブラシと歌舞伎役者との関係、昭和期に始まった歯科軍医制度、文学ほか、多角的に紹介する。図版多数。

著訳者プロフィール

大野 粛英(オオノ トシヒデ)

1938年旧満州国牡丹江生まれ。1962年日本歯科大学卒、1966年大学院修了(歯学博士)。1970年横浜市で矯正歯科医院開業、日本歯科大学生命歯学部客員教授、昭和大学歯学部客員教授、北京首都医科大学客員教授、神奈川県歯科医師会・歯の博物館館長。
著書:『矯正歯科診療所の実学マネージメント』『MFT入門』『MFTの臨床』など専門書のほか、『目で見る日本と西洋の歯に関する歴史』(羽坂勇治と共著、わかば出版、2011年)、『見て楽しい歯的博物館』(羽坂勇司・高橋紀樹と共著、わかば出版、2015年)など多数。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

まえがき

第一章 歯が痛い
1 縄文人も苦しんだ
2 加持祈祷から専門家が登場するまで
3 江戸時代のさまざまな療法
4 歯草の治療
◆コラム 歯痛

第二章 歯を抜く
1 古代人の風習
2 日本の伝統的な抜歯
3 西洋の技術と道具
◆コラム 西洋の抜歯と麻酔

第三章 お歯黒をする
1 お歯黒の起源
2 かね水の作り方、塗り方、かね下
3 さまざまな道具
4 儀式としてのかね付始め
5 文学、川柳、浮世絵
6 旅行に便利な携帯用懐中お歯黒
7 虫歯防止説と有害説
8 外国人の受けた印象
9 明治初期の廃止令
10 明治三四年の調査

第四章 歯をみがく
1 歯みがきのルーツ
2 房楊枝の誕生から歯ブラシまで
3 歯みがき粉
◆コラム 歯みがき

第五章 入れ歯をつくる
1 世界の状況
2 入れ歯師の誕生
3 入れ歯づくりの工程
4 部分入れ歯
5 入れ歯を入れていた江戸時代の有名人
6 柳生飛騨守の入れ歯
7 入れ歯師の宣伝
◆コラム 西洋の入れ歯

第六章 発展する歯科医学
1 日本の西洋歯科医学のはじまり
2 外国人歯科医の治療
3 高い技術と診察費
4 息子夫婦からみたイーストレーキ
5 明治初期の医療制度
6 日本人歯科医の活躍
7 歯科医の育成と発展
8 戦時体制下の歯科医
9 戦後の復興

参考文献
あとがき

書評掲載

「神奈川新聞」「愛媛新聞」「東奥日報」「徳島新聞」「沖縄タイムス」「宮崎日日新聞」「琉球新聞」(以上、2016年12月25日付/大塚ひかり氏・評)にて紹介されました。

「中国新聞」「山陰中央新報」(以上、2017年1月8日付/大塚ひかり氏・評)にて紹介されました。

「佐賀新聞」(2017年1月15日付/大塚ひかり氏・評)にて紹介されました。

「日本医史学雑誌」(2017年第63巻第3号)にて紹介されました。