中国の紙と印刷の文化史 〈新装版〉

A5判 / 438ページ / 上製 / 定価:6,500円 + 税 
ISBN978-4-588-37118-9 C1022 [2015年05月 刊行]

内容紹介

J.ニーダム編著『中国科学技術史』大系の分冊として刊行され、高い評価を得た英語版をさらに改訂増補した中国語版からの翻訳。中国の四大発明(紙・印刷・火薬・羅針盤)のうち、とりわけ重要度の高い〈紙と印刷〉の起源、西伝と東漸・南伝を論じ、世界文化史に占める地位を確定させた画期的な著作。知られざる中国印刷の技術と工程、道具や芸術性にわたる詳細を明らかにする。図版174点。

著訳者プロフィール

銭 存訓(セン ソンクン)

(Tsien Tsuen-hsuin)
1910年、中国江蘇省泰県に生まれる。1932年、南京金陵大学(現南京大学)卒業。1957年、シカゴ大学哲学博士。国立北京図書館南京および上海弁事処主任(1937-47)、シカゴ大学東亜言語文化系教授、同大学東亜図書館館長(1947-79)を歴任。退職後、同大学名誉教授、同図書館名誉館長。中国の書籍・印刷史、図書目録学などの論著は100余編を数え、とくにWritten on Bamboo and Silk(シカゴ大学出版局、1962。邦訳『中国古代書籍史──竹帛に書す』法政大学出版局)とJ.ニーダム編Science and Civilisation in China, vol.5, part 1, Paper and Printing(ケンブリッジ大学出版局、1985)は、国際学界で高く評価されている。2015年4月死去。

久米 康生(クメ ヤスオ)

1921年、徳島県に生まれる。1946年より毎日新聞記者、1976年に定年退職後、和紙の研究に専念。1989年から2011年まで和紙文化研究会代表を経て、同会名誉会長。和紙関係の著書・編著は三十点余におよぶ。主著に、『和紙文化誌』(毎日コミュニケーションズ)、『和紙文化辞典』(わがみ堂)、『和紙の源流』(岩波書店)、『彩飾和紙譜』(平凡社)、『和紙生活誌』(雄松堂書店)、『和紙文化研究事典』(法政大学出版局)などがある。2015年1月死去。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

前言
本書の要旨

第1章 緒論
1 造紙術と印刷術の起源と発展
2 中国が造紙術と印刷術を発明した原因
3 中国の造紙と製墨に関する資料の研究
4 中国印刷史研究の範囲と発展

第2章 紙の性質と変化
1 紙の発明前の書写材料
2 紙の定義と性質
3 漢代造紙の起源
4 晋,唐代造紙術の発展
5 宋代とその後の造紙術の進歩

第3章 造紙の技術と方法
1 造紙の原料
2 簾模の発明
3 造紙の工序
4 紙の処理と加工
5 紙の保存

第4章 紙の用途と紙製品
1 書籍,芸術と文房用紙
2 交易媒介用の紙
3 記念儀式用の紙
4 服飾,居室用の紙
5 装飾,墻壁と家庭用の紙
6 娯楽および遊戯用の紙

第5章 中国印刷術の起源と発展
1 印刷発明前の複印技術
2 彫版印刷の開始
3 宋代および遼,西夏,金,元代の印刷
4 明代印刷の創造
5 清代伝統印刷術の盛衰

第6章 中国印刷の技術と工程
1 彫版印刷の材料と工序
2 活字版の種類と方法
3 中国書の版式と装訂
4 中国墨の製作と鑑賞

第7章 中国印刷の芸術性と図絵
1 中国印刷の芸術的要素
2 明・清両代における木刻版画の盛行
3 多色印刷の発展
4 年画の流行

第8章 紙と印刷術の西伝
1 中国紙に対する西洋の認識過程
2 紙と造紙術の西伝
3 印刷術の西伝
4 欧州印刷術の中国的背景

第9章 紙と印刷術の東漸と南伝
1 朝鮮の造紙と印刷の発端
2 日本,琉球の用紙と印刷
3 越南の造紙と印刷
4 南アジアと東南アジアの紙と印刷

第10章 紙と印刷術の世界文明への貢献
1 中国と西洋文化における紙の作用
2 西洋文明に対する印刷術の衝撃
3 印刷術の中国書籍制度への影響4
4 中国社会における印刷術の学術上の功能
5 結語

付録 中国印刷史文献目録
訳者あとがき