畏怖する近代
社会学入門

A5判 / 190ページ / 上製 / 価格 2,200円 (消費税 200円) 
ISBN978-4-588-67513-3(4-588-67513-3) C1036 [2006年09月 刊行]

内容紹介

17世紀から現代までの約400年にわたって,近代社会が歩んできた道のりとその中での主要な出来事に明確な見取り図を示しつつ執筆された社会学の教科書・入門書。

著訳者プロフィール

左古 輝人(サコ テルヒト)

1968年 東京に生まれる.
1998年 法政大学大学院社会科学研究科社会学専攻博士後期課程修了,社会学博士(法政大学).
現 在 首都大学東京都市教養学部人文・社会系准教授.
著訳書 『秩序問題の解明──恐慌における人間の立場』(法政大学出版局,1998年),Japanese Family and Society: Words from Tongo Takebe, a Meiji Era Sociologist(Co-edited with S. K. Steinmetz, New York: Haworth Press, 2007),『PR! ──世論操作の社会史』(S. ユーウェン著/共訳,法政大学出
版局,2003年),『ジェンダーの系譜学』(J. ジャーモン著,法政大学出版局,2012年)ほか.

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

 まえがき

第1章 はじめに 社会学の生成
1 近代化と産業化
2 コントの見た19世紀
3 恒常化する畏怖

第2章 第一のフォーマット 主権国家
1 近代的主権国家の骨格と,それ以前
2 ウェストファリア体制
3 ウェストファリア体制と現代
4 イギリス内乱とトマス・ホッブズ
5 メイフラワー協約18

第3章 第二のフォーマット 産業資本制市場社会
1 交換と市場
2 資本制
3 産業革命
4 労働市場の形成
5 階級意識の形成

第4章 19世紀後半の主権国家
1 再分配機構としての国家
2 軍事優先から民政拡大へ
3 国民の国家
4 日本国民の創成

第5章 群衆とその統制
1 モルグ街の殺
2 群衆心理学
3 PR業の創成と発展
4 舞台演出
5 群衆の変容 平均人,ダス・マン

第6章 大量生産システムの完成
1 誇示的消費
2 科学的管理法
3 フォーディズ
4 生産から販売へ
5 20世紀の産業化

第7章 二大フォーマットの内破 世界大戦前後
1 第一次世界大戦
2 世界大恐慌
3 主権国家の隘路
4 第二次世界大戦
5 戦後の主権国家

第8章 消費化
1 ナイロンストッキング
2 消費化 市場社会の20世紀スキー
3 アメリカ的苦悩と消費化
4 消費化時代の人

第9章 家庭と女性
1 主婦という人間類型
2 主婦の苦悩
3 性的機能の市場化
4 恋愛結婚
5 家族の崩壊?

第10章 消費化時代への問題提起
1 死の妙薬
2 化学物質を問題視する視点
3 地球温暖化
4 滅亡への合理的選択

第11章 情報化
1 情報化が社会を変える?
2 日常習慣の変容
3 消費化した産業資本制市場社会の情報化

第12章 グローバル化
1 市場社会の拡大と深化
2 グローバル化のなかの主権国家
3 武力紛争の変容
4 グローバル化と群衆

第13章 リスク社会
1 一つの体験か
2 危険(安全)のリスク化
3 リスクを基軸にした民政管掌

第14章 現代の日本
1 これまでの経過
2 軍事と外交
3 日本的経営とフリーター
4 循環型社会の陥穽
5 その他の諸課
6 おわり

付録 出来事としての社会 宋代の用例より

 あとがき
 文献案内
 図版出典一覧