水都学 IV
特集 水都学の方法を探って

A5判 / 262ページ / 並製 / 定価:3,300円 + 税 
ISBN978-4-588-78024-0 C1320 [2015年06月 刊行]

内容紹介

水害などの災害にいくども見舞われながら自然と共生してきた日本やアジアの都市と、技術の力で自然を制御・活用してきた西洋の都市の歴史的発展を比較するだけでなく、都市の背後に拡がる河川を通じた地域ネットワークも研究対象とし、考察する。この新たな視点から、港湾空間の再生や水の都市の未来に向けた可能性が生まれるのではないだろうか。

著訳者プロフィール

陣内 秀信(ジンナイ ヒデノブ)

一九四七年生まれ。法政大学デザイン工学部教授。専門はイタリア都市史・建築史。パレルモ大学、トレント大学、ローマ大学にて契約教授を務めた。主要著書に『東京の空間人類学』筑摩書房、一九八五年、『都市を読む*イタリア』法政大学出版局、一九八八年、『ヴェネツィア──水上の迷宮都市』講談社、一九九二年、『都市と人間』岩波書店、一九九三年、『地中海世界の都市と住居』山川出版社、二○○七年、『イタリア海洋都市の精神』講談社、二○○八年、『水の都市 江戸・東京』編著、講談社、二○一三年。

高村 雅彦(タカムラ マサヒコ)

一九六四年生まれ。法政大学デザイン工学部教授。専門はアジア都市史・建築史。前田工学賞(一九九九年)、建築史学会賞(二○○○年)受賞。主な編著書は、『中国江南の水郷都市──蘇州と周辺の水の文化』鹿島出版会、一九九三年、『中国江南の都市とくらし──水のまちの環境形成』『中国の都市空間を読む』いずれも山川出版社、二〇〇〇年、『アジアの都市住宅』勉誠出版、二〇〇五年、『タイの水辺都市──天使の都を中心に』法政大学出版局、二〇一一年。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

特集 水都学の方法を探って
はじめに(陣内秀信)

第Ⅰ部 聖なる場・遊興の場・畏怖の場としての水辺──アジア・日本の特徴を考える 
■問題提起
水辺文化の原点を探る(高村雅彦)
■基調論文
インドの聖地バラーナシの精神世界(ラーナー P・B・シン)
日本における水の神の正体(鳥越皓之)
■論 文
アジアの聖なる水のみやこ──東南アジアの都城の系譜(大田省一)
地中海世界の信仰と水(陣内秀信)

第Ⅱ部 水系とテリトーリオ──中世~近代初期における河川・運河の多様な活用
■問題提起
水系とテリトーリオ理解のための一道具としての水車(石神 隆)
■基調論文
水のなかで水に事欠くヴェネツィア── 一四~一八世紀の飲料水・水力・河川管理(マウロ・ピッテーリ)
■論文
シーレ川とヴェネツィア──舟運と水車を使った産業の分布の構造に関する考察(樋渡 彩)
米国北東部の水力工業都市(水田恒樹)

第Ⅲ部 港湾都市の歴史的変遷とその再生
■問題提起
世界の港町に関する発展・衰退・再生のメカニズム比較(陣内秀信)
■基調論文
ボストン港──基盤整備と活用の四〇〇年(リチャード・E・マクギネス)
ウォーターフロント開発の変遷と開発を促す要因(横内憲久)
■講演
ハンブルクの都市形成──河川の景観美と海上貿易が育んだ港湾都市(ローレンツ・ポッゲンドルフ)
水都ロンドンの発展・衰退と再生(長屋静子)
江戸東京 内港都市から港湾都市へ(岡本哲志)
港湾都市横浜の形成と現在──波止場・桟橋・埠頭を中心に(石渡雄士)

編集後記(高村雅彦)

書評掲載

「東京人」(2015年9月号)に紹介されました。

関連書籍

『水都学 I』
陣内 秀信:編
『水都学 II』
陣内 秀信:編
『水都学 III』
陣内 秀信:編
『水辺から都市を読む』
陣内 秀信:編著
『タイの水辺都市』
高村 雅彦:編著
『港町のかたち』
岡本 哲志:著
『用水のあるまち』
西城戸 誠:編著
『水都ブリストル』
石神 隆:著