叢書・ウニベルシタス 905
困難な自由
[増補版・定本全訳]

四六判 / 442ページ / 上製 / 定価:4,700円 + 税 
ISBN978-4-588-00905-1 C1310 [2008年12月 刊行]

内容紹介

600万のユダヤ人殲滅という歴史的経験をへて、西洋哲学はなおいかに存続しうるのか? 戦後の倫理思想を根底から転回させた〈他者〉の哲学者が、トーラーやタルムードなどユダヤの伝統に立ち、スピノザ、ヴェイユ、ローゼンツヴァイクほか一連の重要人物を読み解きつつ、現代においてユダヤ人/知識人であることの意味を模索したもう一つの主著。1976年版の定本に依拠した初の完訳、ついに刊行。

著訳者プロフィール

エマニュエル・レヴィナス(レヴィナス,エマニュエル)

1906年リトアニアに生まれる.1923年から30年までフランスのストラスブール大学で哲学を学ぶ.この間,1928年から29年にかけてドイツのフライブルクに滞在,フッサールおよびハイデガーの下で現象学を研究,1930年フランスに帰化,第二次大戦中はナチの捕虜収容所にフランス解放まで抑留される.戦後,ポワチエ大学,パリ・ナンテール大学,ソルボンヌ大学教授を歴任.タルムード研究に取り組む一方,ハイデガー哲学との対決を通して倫理にもとづく独自の哲学を展開.1983年カール・ヤスパース賞を受賞.現代フランス思想界を代表する哲学者の一人.1995年12月25日パリで死去.主な著書:『フッサール現象学の直観理論』(1930),『フッサールとハイデガー』(49),『全体性と無限』(61),『実存の発見』(67),『タルムード四講話』(68),『存在するとは別の仕方であるいは存在することの彼方へ』(74),『固有名』(75),『聖句の彼方』(82),『諸国民の時に』(88),『われわれのあいだで』(91),『神・死・時間』(93),『他性と超越』(95),『貨幣の哲学』(97)他.

合田 正人(ゴウダ マサト)

1957年生まれ.一橋大学社会学部卒業,東京都立大学大学院博士課程中退,同大学人文学部助教授を経て,現在,明治大学文学部教授.主な著書:『レヴィナスを読む──〈異常な日常〉の思想』(NHKブックス),『レヴィナス──存在の革命へ向けて』(ちくま学芸文庫),『ジャンケレヴィッチ』,『サルトル『むかつき』ニートという冒険』(みすず書房),主な訳書:レヴィナス『全体性と無限』(国文社),レヴィナス『われわれのあいだで』『聖句の彼方』『神・死・時間』『歴史の不測』,ザラデル『ハイデガーとヘブライの遺産』,デリダ『ユリシーズ グラモフォン』,モーゼス『歴史の天使』,『ベルクソン講義録 全四巻』(以上,法政大学出版局),ジャンケレヴィッチ『最初と最後のページ』,グットマン『ユダヤ哲学』,メルロ=ポンティ『ヒューマニズムとテロル』,デリダ『フッサール哲学における発生の問題』(以上,みすず書房),ベルクソン『意識に直接与えられたものについての試論』『物質と記憶』(ちくま学芸文庫)他.

三浦 直希(ミウラ ナオキ)

1970年生まれ.東京都立大学大学院博士課程修了.仏文学専攻,博士(文学).現在,上智大学ほか非常勤講師.共著『フランス作家と絵画』(水声社より近刊),主な論文「レヴィナスのエコノミー──正義と慈愛のあいだ」(東京都立大学博士論文2003),訳書:ボルタンスキー/テヴノー『正当化の理論──偉大さのエコノミー』(新曜社),レヴィナス『貨幣の哲学』(合田正人と共訳,法政大学出版局),シャンジュー/リクール『脳と心』(同,みすず書房).

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

1 悲壮の彼方
2 註解
3 論争
4 開口
5 隔たり
6 いまここで
7 署名
訳者あとがき