叢書・ウニベルシタス 933
文化の意味論
現代のキーワード集

四六判 / 426ページ / 上製 / 定価:4,600円 + 税 
ISBN978-4-588-00933-4 C1310 [2010年03月 刊行]

内容紹介

冷戦下、資本主義と社会主義、西側世界と旧植民地世界、高級文化と下位文化のあいだの「アイデンティティの政治」が、すべての知識人・大衆を呑み込んだ二〇世紀後半。批判理論やポスト構造主義以降の文化史、社会史、ジェンダー論、文化研究等の思想は、どのような眼差しで近代(後の)世界を読み解いてきたのか。米国のユダヤ人批評家が、しなやかな論理と機知で思想の「現在」を捉えたエッセー集。〔思想〕

著訳者プロフィール

マーティン・ジェイ(ジェイ、マーティン)

1944年生まれ.1977年ハーヴァード大学哲学博士(歴史学).以来,カリフォルニア大学バークレー校でヨーロッパ思想史を担当.現在は同校教授.「フランクフルト学派」の「批判理論」の思想史的領野をアメリカからの視座で分析する研究を開始.のち,ヨーロッパ(とくにフランス)20世紀思想を「視覚の名誉剥奪」の契機から読み解く思想史的分析などに研究対象を広げている.邦訳書に,『弁証法的想像力』(みすず書房),『マルクス主義と全体性』(国文社),『アドルノ』(岩波現代文庫),『永遠の亡命者たち』(新曜社),『暴力の屈折』(岩波書店),『世紀末社会主義』『力の場』(以上,法政大学出版局),編著に『ハーバーマスとアメリカ・フランクフルト学派』(青木書店),『アメリカ批判理論の現在』(こうち書房)ほか.

浅野 敏夫(アサノ トシオ)

1947年生まれ.茨城大学文理学部英文学科卒業.現在茨城キリスト教大学教授.現代アメリカ文学専攻.訳書に,ゴッフマン『儀礼としての相互行為〈新訳版〉』,エドマンドソン『反抗する文学』,アイスラー『聖なる快楽』,テイラー『ノッツnOts』,ワイス『危険を冒して書く』,ジラール『ミメーシスの文学と人類学』,カーン『時間の文化史』『空間の文化史』,パウエル『エロスと精気』,スタム『転倒させる快楽』,クンデラ『小説の精神』(共訳)─以上,法政大学出版局刊.アイスナー『カフカとプラハ』(共訳),テツマロ・ハヤシ編『スタインベックの創作論』─以上,審美社刊.『スタインベック書簡集』(共訳)─大阪教育図書刊.

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

謝 辞
序 文

第1章 理論を奉じて
第2章 ヨーロッパ思想史と多文化主義という
    亡霊
第3章 経験の歌──日常史をめぐる論争
第4章 主体なき経験
    ──ヴァルター・ベンヤミンと小説
第5章 限界─経験の諸限界
    ──バタイユとフーコー
第6章 ソヴィエト連合に権力をあたえるな
第7章 クリスタ・ヴォルフなんか恐くない
    ──文化を転倒する力学について
第8章 ポストモダンのファシズムか?
    ──抑圧されたものの回帰について
第9章 教育者たちを教育する
第10章 美学のアリバイ
第11章 ミメーシスとミメーシス論
     ──アドルノとラクー=ラバルト
第12章 パフォーマンス・アーティストとして
     のアカデミズムの女性
第13章 力ずくで抑えられたアブジェクシオン
第14章 無気味な一九九〇年代
第15章 心理主義という幽霊とモダニズム
第16章 モダンのペイガニズムとポストモダン
     のペイガニズム──ピーター・ゲイと
     ジャン=フランソワ・リオタール
第17章 ガヴリロ・プリンツィプの手枷

原 注
訳 注
訳者あとがき
人名索引