叢書・ウニベルシタス 947
アーカイヴの病
フロイトの印象

四六判 / 194ページ / 上製 / 価格 2,530円 (消費税 230円) 
ISBN978-4-588-00947-1 C1310 [2010年11月 刊行]

内容紹介

アーカイヴの概念は今日、記憶や技術、法や暴力、民主主義や幽霊たちをめぐる哲学の問いを呼びさます。起源を求めるアーカイヴの病=悪、アーカイヴを創設し管理する者の無意識、すべてを抹消する死の欲動のあいだで、歴史記述はどのようにあるべきか? 歴史家イェルシャルミの著作やフロイトのモーセ論・『グラディーヴァ』論を通じて、デリダがユダヤ性と精神分析、未来の問題を掘り下げた重要講演。〔哲学〕

著訳者プロフィール

J.デリダ(デリダ ジャック)

1930-2004年.アルジェリア生まれのユダヤ系哲学者.パリの高等師範学校で哲学を専攻.同校の哲学教授を経て,社会科学高等研究院教授を務める.西洋形而上学におけるロゴス中心主義の脱構築を提唱し,構造主義以降の人文社会科学の広範な領域──文学・芸術理論,言語論,政治・法哲学,歴史学,建築論ほか──に多大な影響をもたらした.邦訳書に『エクリチュールと差異』『絵画における真理』『法の力』『ユリシーズ グラモフォン』『有限責任会社』『哲学の余白』『シニェポンジュ』(法政大学出版局),『声と現象』(理想社),『グラマトロジーについて』(現代思潮新社),『友愛のポリティックス』『フッサール哲学における発生の問題』『ならず者たち』(みすず書房),『アポリア』(人文書院),『滞留』(未來社),『アデュー』『来たるべき世界のために』『そのたびごとにただ一つ,世界の終焉』(岩波書店),『死を与える』(筑摩書房),『精神分析の抵抗』(青土社),『マルクスの亡霊たち』(藤原書店),『条件なき大学』(月曜社)ほか多数.

福本 修(フクモト オサム)

1958年生.東京大学医学部医学科卒業.静岡大学保健管理センター.タヴィストック・クリニック(ロンドン)勤務を経て,現在,恵泉女学園大学人文学部教授.代官山心理・分析オフィス,長谷川病院に勤務.共編著に『現代フロイト読本1・2』(みすず書房),『精神医学の名著50』(平凡社),共著に『埋葬と亡霊』(人文書院),『新世紀の精神科治療』(中山書店),訳書にシェーファー編『現代クライン派の展開』(誠信書房),メルツァー『夢生活』(共訳,金剛出版),ブロンスタイン編『現代クライン派入門』(共訳,岩崎学術出版社),ビオン『精神分析の方法1・2』(共訳),ラプランシュ/ポンタリス『幻想の起源』,ジャカール『フロイト』(以上,法政大学出版局)ほか.

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

銘 句
序 言
前書き
諸命題
後 記
訳者あとがき