叢書・ウニベルシタス 982
ジェルメーヌ・ティヨン
レジスタンス・強制収容所・アルジェリア戦争を生きて

四六判 / 414ページ / 上製 / 定価:4,000円 + 税 
ISBN978-4-588-00982-2 C1323 [2012年09月 刊行]

内容紹介

アルジェリアの民族学者として出発し、第二次大戦中には対独レジスタンスに身を投じたティヨンは、ナチス絶滅収容所の地獄を生き延びた戦後も、母国フランスのおこなう植民地戦争への抵抗をつづけた。家族や仲間を失いながらも、全体主義・植民地主義のもたらした暴力と憎悪に尊厳をもって立ち向かった歴史家の断片的自伝を再構成し、二十世紀の人間的経験を伝える証言の書。

著訳者プロフィール

ジェルメーヌ・ティヨン(ティヨン,G.)

(Germaine Tillion)
1907-2008。フランスの女性民族学者、レジスタンス活動家、人権活動家。マルセル・モース、ルイ・マシニョンの下で民族学研究を始め、第二次世界大戦直前の時期にアルジェリアのオーレス山塊地方で、二十代から三十代にかけてほとんど単独で四年にわたりフィールドワークをおこなう。帰国時にナチスドイツのフランス占領に遭遇し、ただちにレジスタンス活動に入り、パリにおける初期レジスタンス活動に指導的役割を果たす。ドイツ警察に逮捕され、ラーフェンスブリュック女子強制収容所に収容され、同収容所で母親を亡くす。終戦直前にスウェーデン赤十字によって救出され、戦後はレジスタンスと強制収容所についての調査・研究をおこなうとともに、世界の他の国々になお存在する強制収容所を告発する運動に加わる。アルジェリア独立戦争の際には、フランス政府側がおこなう現地人の処刑、アルジェリア独立戦線側がおこなうテロ行為の連鎖を止めるべく活動する。その後は高等実習院でマグレブ地方を対象とする社会学講座の主任教員を務めながら、さまざまな人権活動に従事する。主著に『イトコたちの共和国』『ラーフェンスブリュック』『アフリカは未来へ向けて進路を変える』がある。

ツヴェタン・トドロフ(トドロフ,T.)

(Tzvetan Todorov)
1939年ブルガリア生まれ。1973年フランスに帰化。『小説の記号学』で構造主義的文学批評の先駆をなす。著書に『象徴の理論』『他者の記号学』『極限に面して』『歴史のモラル』『未完の菜園』『悪の記憶・善の誘惑』ほか多数。

小野 潮(オノ ウシオ)

1955年宮城県に生まれる。東北大学大学院博士課程単位取得修了。中央大学文学部教授。19世紀フランス文学専攻。著書に『〈来るべき〉民主主義』(共著)、『グローバル化と文化の横断』(共著)、訳書にL.フェリー/A.ルノー『68年の思想─現代の反─人間主義への批判』『68年─86年 個人の道程』、トドロフ『われわれと他者』(共訳)、『バンジャマン・コンスタン』『越境者の思想』『異郷に生きる者』『文学が脅かされている』がある。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

まえがき
ジェルメーヌ・ティヨン 理解しようという情熱  ツヴェタン・トドロフ

序 二重の学習

Ⅰ アルジェリアの民族学者(一九三四─一九四〇年)
 最初の任務
 二度目の任務
 パリ滞在
 オーレス山地への帰還

Ⅱ レジスタンスと牢獄(一九四〇─一九四三年)
 占領直後の反応
 レジスタンス
 逮 捕
 牢 獄

Ⅲ 強制収容所送り(一九四三─一九四五年)
 ラーフェンスブリュック、一九四三年十月三十一日
 強制収容所の生と死
 収容所からの解放直前の日々

Ⅳ 強制収容所出所後の時期(一九四五─一九五四年)
 帰 還
 強制収容所の記憶
 社会参加

V アルジェリア戦争(一九五四─一九五七年)
 一九五四─一九五五年のアルジェリア
 一九五七年

付 録
 起 源
 履歴書
 ヤセフを助けるための二通の書簡
 北アフリカを対象とする民族学への序説

書誌と略号
テキストの出自
編者注
訳 注
訳者あとがき
人名索引