叢書・ウニベルシタス 985
アカデミック・キャピタリズムとニュー・エコノミー
市場・国家・高等教育

四六判 / 550ページ / 上製 / 定価:6,800円 + 税 
ISBN978-4-588-00985-3 C1337 [2012年11月 刊行]

内容紹介

アメリカの大学を模範として、日本の大学における教育・研究のあり方を批判する風潮がある。果たしてそれは正しい方向なのか。本書は、アメリカの大学を対象に、1980年代以降現在に至るアカデミック・キャピタリズムの政治的背景を探り、学科および執行部レベルにおけるその現状と権力のネットワーク、特許や著作権の帰属を徹底的に調査し批判的に分析して、大学のあるべき姿を追究する。

著訳者プロフィール

シェイラ・スローター(スローター,S.)

ウィスコンシン大学で学位取得.本書執筆時はアリゾナ大学教授.その後,ジョージア大学に「マクビー寄附高等教育講座」初代教授として迎えられ,現在に至る.本書の他,Larry L. Leslie (ラリー・L.レスリー)との共著,Academic Capitalism: Politics, Policies, and the Entrepreneurial University, 1997 (『アカデミック・キャピタリズム──政治,政策,企業的大学』)がある.

ゲイリー・ローズ(ローズ,G.)

カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)で学位取得.現在,アリゾナ大学教授(高等教育論),同大学高等教育研究センター長.本書の他,Managed Professionals: Unionized Faculty and Restructuring Academic Labor, 1996(『管理された専門職──大学教員組合と大学業務の再編』)がある.

成定 薫(ナリサダ カオル)

1946年,兵庫県に生まれる.東京大学大学院理学系研究科中退.広島大学名誉教授(科学史・科学論),主な著訳書:『科学と社会のインターフェイス』(平凡社),J. W.トリート『グラウンド・ゼロを書く──日本文学と原爆』(法政大学出版局,共訳)など.

阿曽沼 明裕(アソヌマ アキヒロ)

1965年,広島県に生まれる.広島大学大学院社会科学研究科中退.博士(学術).名古屋大学大学院教育発達科学研究科准教授(高等教育論・科学論).主な著書:『戦後国立大学における研究費補助』(多賀出版),『大学と学問──知の共同体の変貌 (リーディングス 日本の高等教育第5巻)』(玉川大学出版部,編著)など.

杉本 和弘(スギモト カズヒロ)

1968年,三重県に生まれる.名古屋大学大学院教育学研究科単位取得退学.博士(教育学).東北大学准教授(比較教育学・高等教育論).主な著書:『戦後オーストラリアの高等教育改革研究』(東信堂),『高等教育質保証の国際比較』(東信堂,共編著)など.

羽田 貴史(ハタ タカシ)

1952年,北海道に生まれる.北海道大学大学院教育学研究科中退.東北大学教授(大学史・高等教育論).主な著書:『戦後大学改革』(玉川大学出版部),『高等教育質保証の国際比較』(東信堂,共編著)など.

福留 東土(フクドメ ヒデト)

1971年福岡県に生まれる.広島大学大学院社会科学研究科修了.博士(学術).広島大学高等教育研究開発センター准教授(高等教育論).主な著訳書:『大学のカリキュラム改革』(玉川大学出版部,共著),『大学院教育の国際比較』(玉川大学出版部,共訳)など.

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

謝 辞

第1章 アカデミック・キヤピタリズムの理論
第2章 アカデミック・キャピタリズムの政治的背景
第3章 特許政策──法律の変化と商業的拡張
第4章 特許政策の影響──学生と教員
第5章 著作権──大学の政策と実践
第6章 著作権の影響──大学の中心的機能の商品化
第7章 学科レベルのアカデミック・キャピタリズム
第8章 大学執行部のアカデミック・キャピタリズム
第9章 権力のネットワーク──理事会と学長
第10章 スポーツ──契約、商標、ロゴ
第11章 学士課程学生と教育市場
第12章 アカデミック・キャピタリズム的な知と学問の体制

訳者あとがき
参考文献
索 引