叢書・ウニベルシタス 1012
ゴヤ 啓蒙の光の影で

四六判 / 346ページ / 上製 / 定価:3,800円 + 税 
ISBN978-4-588-01012-5 C1371 [2014年08月 刊行]

内容紹介

フランス革命を生んだ啓蒙の精神と、ナポレオン戦争のもたらす暴力的惨禍とのあいだで、人間の深い闇を見つめたゴヤ。宮廷画家としての出発から、夢・狂気・病に満ちた作品群をへて、晩年の「黒い絵」にいたる創造の過程を、多数の絵画作品や書簡、当時のスペイン社会の状況から跡づける。画家はいかにして、正義の名のもとに行使される人間の残虐さに抗し、近代芸術に決定的一歩を刻んだのか。

著訳者プロフィール

ツヴェタン・トドロフ(トドロフ,T.)

(Tzvetan Todorov)
1939年、ブルガリアに生まれる。1973年、フランスに帰化。ロラン・バルトの指導のもとに『小説の記号学』(67)を著して構造主義的文学批評の先駆をなす。『象徴の理論』(77)、『象徴表現と解釈』(78)、『言説の諸ジャンル』(78)、『批評の批評』(84)で文学の記号学的研究をすすめるかたわら、『他者の記号学──アメリカ大陸の征服』(82)以後、記号学的見地から〈他者〉の問題に関心を深め、『ミハイル・バフチン──対話の原理』(81)、『アステカ帝国滅亡記──インディオによる物語』(83)、『はかない幸福─ルソー』(85)、『われわれと他者』(89)、『極限に面して』(91)、『歴史のモラル』(91)、『フランスの悲劇』(94)、『共同生活』(95)、『異郷に生きる者』(96)、『未完の菜園』(98)、『悪の記憶・善の誘惑』(2000)、『越境者の思想』(02)、『イラク戦争と明日の世界』(03)、『絶対の冒険者たち』『啓蒙の精神』(06)などを刊行している。91年、『歴史のモラル』でルソー賞を受賞。

小野 潮(オノ ウシオ)

1955年宮城県に生まれる。東北大学大学院博士課程単位取得修了。中央大学文学部教授。19世紀フランス文学専攻。著書に『〈来るべき〉民主主義』(共著)、『グローバル化と文化の横断』(共著)、訳書にL.フェリー/A.ルノー『68年の思想──現代の反‐人間主義への批判』『68年──86年 個人の道程』、トドロフ『われわれと他者』(共訳)、『バンジャマン・コンスタン』『越境者の思想』『異郷に生きる者』『文学が脅かされている』、G.ティヨン『ジェルメーヌ・ティヨン』がある。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

口絵(24頁)

思想家ゴヤ
世界への入場
芸術の理論
病とその結果
病からの回復と再びの失墜──アルバ公爵夫人
仮面、戯画、魔法使い
『気まぐれ』の解釈
不可視のものを見えるようにする
ナポレオン軍の侵略
戦争による荒廃
殺人、強姦、山賊、兵士
平和時の荒廃
希望と警戒
絵画のふたつのあり方
二度目の病、「黒い絵」、狂気
新たな出発
ゴヤの残したもの

訳者あとがき

本書中で扱ったゴヤ作品のリスト
図版リスト
口絵リスト
書誌

人名索引

書評掲載

「出版ニュース」(2014年10月下旬号)に紹介されました。

「信濃毎日新聞」「山梨日日新聞」「神戸新聞」(2014年11月16日付)、「愛媛新聞」(2014年11月23日付)に紹介されました。

「ふらんす」(2014年12月号/塚本昌則氏・評)に紹介されました。

「図書新聞」(2015年2月14日号/増田哲子氏・評)に紹介されました。

関連書籍

『啓蒙の精神』
ツヴェタン・トドロフ:著