叢書・ウニベルシタス 1033
技術の道徳化
事物の道徳性を理解し設計する

四六判 / 318ページ / 上製 / 定価:3,200円 + 税 
ISBN978-4-588-01033-0 C1310 [2015年10月 刊行]

内容紹介

技術が我々に迫っている倫理的挑戦とは、適切な仕方で技術発展に同行することである。倫理を技術に対峙させることをやめて、我々は、技術との相互作用のなかで自分達の生を形成していくための語彙や実践を作り出さねばならない。倫理においては、人間と技術の双方が本質的な役割を果たしている。技術の使用者である人間の道徳から、人間と機械の相互作用の中にある道徳へ。フーコー、ラトゥール、スローターダイクなどを駆使して、ポスト現象学の立場から、技術倫理と科学技術社会論(STS)を刷新する新しい《技術哲学》の誕生。

著訳者プロフィール

ピーター=ポール・フェルベーク(フェルベーク ピーター ポール)

(Peter-Paul Verbeek)
1970年、オランダ生まれ。現在、オランダのトゥエンテ大学(The University of Twente)哲学科の教授。The Society for Philosophy and Technology(SPT)の会長(President)。主な研究領域は、技術哲学、特に技術と人間の関係についての研究であり、「ポスト現象学」と言われる現象学的系譜の技術哲学における現代の代表的な哲学者の一人である。英語で書かれた主な業績は、単著として、What Things Do — Philosophical Reflections on Technology, Agency, and Design (Pennsylvania State Univ. Press, 2005)、共編著として、Kroes, P. and P. P. Verbeek, eds., The Moral Status of Technical Artefacts (Springer, 2014)、Verbeek, P. P. and A. Slob, eds., User Behavior and Technology Development — Shaping Sustainable Relations between Consumers and Technologies (Springer, 2006) があり、他にもオランダ語で書かれた著作が数冊ある。

鈴木 俊洋(スズキ トシヒロ)

1968年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科広域科学専攻博士課程修了。博士(学術)。現在、上智大学理工学部ほか非常勤講師。
主な著作・論文に、『数学の現象学――数学的直観を扱うために生まれたフッサール現象学』(法政大学出版局、2013)、『岩波講座 哲学05 心/脳の哲学』(岩波書店、2008、共著)、「専門知と専門職倫理――技術者倫理の事例『チャレンジャー号事件』に即して」(『芝浦工業大学研究報告 人文系編』vol. 42-2、2008)、「技術から生まれた数学――数学的対象発生の歴史的研究と現象学的分析」(日本哲学会『哲學』58号、2007)など。訳書に、クリスティアン・ヘッセ『数学者クリスティアン・ヘッセと行くマジカルMathツアー』(東京図書、2014)。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

まえがき

第一章 媒介された道徳

倫理と技術
技術的媒介
ポスト現象学
本書の概要

第二章 ヒューマニズム的でない技術倫理

産科の超音波技術の道徳的役割
倫理におけるヒューマニズム
人間性を育成する──スローターダイクによるヒューマニズムからの脱却
人間性とポスト人間性──人間性を育成するための新しい媒体
結論──ヒューマニズム的でない方法に向かって

第三章 人工物は道徳性を持つか

技術的人工物の道徳的意義
道徳的媒介
技術的志向性
技術と自由
物質的道徳性と倫理学説
結論──物質性と道徳的行為者性

第四章 技術と道徳的主体

技術という権力
権力に従属する主体と道徳性
技術的媒介と道徳的主体性
結論──道徳的行為者と媒介された主体

第五章 設計における道徳

媒介を設計する
媒介を予見する
媒介を評価する
道徳化の方法
結論

第六章 道徳的環境──具体的応用事例

環境知能と説得型技術
道徳的考察の場所
設計の倫理
使用の倫理

第七章 媒介を超えた道徳

道徳的媒介とその向こうにあるもの
サイボーグ志向性
合成志向性
自己構成の限界と道徳的意図

第八章 結論──技術に同行する

善い生の倫理
倫理的転回に続くもう一つの転回
結論──プロタゴラスを超えて

訳者あとがき
参考文献
索引

書評掲載

「出版ニュース」(2015年12月中旬号)に紹介されました。

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