叢書・ウニベルシタス 95
推測と反駁 〈新装版〉
科学的知識の発展

四六判 / 808ページ / 上製 / 定価:8,200円 + 税 
ISBN978-4-588-09917-5 C1310 [2009年12月 刊行]

内容紹介

「過ちから学ぶ」という人間知の基本的なあり方を踏まえ、「批判的合理主義」を唱導するポパーが、古典ギリシアの哲学者たちからヴィトゲンシュタインにいたる諸家の思想を縦横に批判するとともに、物理学・社会学から精神分析や言語学にわたる諸問題を考察する。科学論、社会論、知識論など、広範な分野に影響を及ぼし、ポパー哲学の骨格を築いた大著。【哲学・科学】

著訳者プロフィール

カール・R.ポパー(ポパー,K.R.)

(Sir)Karl Raimund Popper
1902-1994。ウィーン生まれのユダヤ系哲学者。ウィーン大学で哲学・物理学・心理学を学ぶ。ウィーン学団にあってはカルナップら主流に対する内在的批判者であった。ヒトラーのオーストリア併合後ニュージーランドに亡命。戦後ロンドン大学に招かれイギリスに帰化、同大学の科学方法論の教授をつとめ、名誉教授となる。その帰納主義批判、反証可能性などの問題提起とともにマルクス主義に対する徹底した批判で知られ、本書のほか『開かれた社会とその敵たち』、自伝『果てしなき探求』など多くの著書が邦訳されている。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

 序文
 謝辞
 第二版への序文
 第三版への序文

 序章

知識と無知の根源について

 推測

第一章 科学──推測と反駁
補遺 科学哲学におけるいくつかの問題

第二章 哲学的諸問題の性格と科学におけるその根源

第三章 知識に関する三つの見解
第一節 ガリレイの科学とそれに対する新しい裏切り
第二節 問題点
第三節 第一の見解──本質による究極的説明
第四節 第二の見解──道具としての理論
第五節 道具主義的見解の批判
第六節 第三の見解──推測、真理、実在

第四章 合理的な伝統論に向けて

第五章 ソクラテス以前の哲学者たちへ帰れ
補遺 歴史的推測とヘラクレイトスの変化の説

第六章 マッハとアインシュタインの先駆者バークリー

第七章 カントの『純粋理性批判』と宇宙論
第一節 カントと啓蒙主義
第二節 カントのニュートン的宇宙論
第三節 『純粋理性批判』と宇宙論の問題
第四節 時間と空間
第五節 カントのコペルニクス的転回
第六節 自律の原理

第八章 科学と形而上学の身分について
第一節 カントと経験の論理
第二節 哲学的理論の反駁不可能性の問題

第九章 なぜ論理と算術の計算体系は実在に適用可能か

第一〇章 真理・合理性・科学的知識の成長
第一節 知識の成長──理論と問題
第二節 客観的真理の理論──事実との対応
第三節 真理と内容──真理近似性と蓋然性
第四節 背景的知識と科学的成長
第五節 知識の成長にたいする三つの要請
補遺 偽と思われるけれども形式的にはきわめて蓋然的な非経験的陳述

 付録

専門的事項に関する覚え書き

1 経験的内容
2 蓋然性とテストの厳しさ
3 真理近似性
4 数値例
5 人工言語と形式化された言語
6 真理近似性に関する歴史的注釈(一九六四年)
7 真理近似性に関する若干の追加事項(一九六八年)
8 ソクラテス以前の哲学者たち、特にパルメニデスについての追記(一九六八年)
9 ソクラテス以前の哲学者たち──統一性か新奇性か

 反駁

第一一章 科学と形而上学との境界設定
第一節 序論
第二節 この問題に対するわたくし自身の見解
第三節 カルナップの無意味性の最初の理論
第四節 カルナップと科学の言語
第五節 テスト可能性と意味
第六節 確率と帰納

第一二章 言語と身心問題──相互作用主義の再説
第一節 序説
第二節 言語の四大機能
第三節 一群のテーゼ
第四節 機械論証
第五節 名づけの因果的理論
第六節 相互作用
第七節 結論

第一三章 身心問題についてのノート

第一四章 日常言語における自己言及と意味

第一五章 弁証法とは何か
第一節 弁証法の解明
第二節 ヘーゲルの弁証法
第三節 ヘーゲル以後の弁証法

第一六章 社会科学における予測と予言

第一七章 世論と自由主義的原理
第一節 世論の神話
第二節 世論の危険性
第三節 自由主義的諸原理
第四節 自由な討論についての自由主義的理論
第五節 世論の諸形態
第六節 若干の実際的問題
第七節 政治的実例の略表
第八節 要約

第一八章 ユートピアと暴力

第一九章 われわれの時代の歴史── 一楽観主義者の見解

第二〇章 ヒューマニズムと理性

 原注
 訳者あとがき
 事項索引
 人名索引

書評掲載

「医療経営士」(2017年3月20日号/神内秀之介氏・評)にて紹介されました。