叢書・ウニベルシタス 793
正義の他者 〈新装版〉
実践哲学論集

四六判 / 460ページ / 上製 / 定価:4,800円 + 税 
ISBN978-4-588-09966-3 C1310 [2013年05月 刊行]

内容紹介

実践哲学の相違する領域において何が正義の「他者」と言われうるのか。社会哲学・道徳哲学・政治哲学それぞれの体系的課題を独自の承認論を展開させて分析し、正義の原理とその「他者」との関わりに新たな照明を当てる。

著訳者プロフィール

アクセル・ホネット(ホネット,A.)

(Axel Honneth)
1949年ドイツのエッセンで生まれる。1983年にベルリン自由大学で哲学の博士号を取得。現在はフランクフルト大学社会哲学講座正教授、フランクフルト大学社会研究所所長、コロンビア大学哲学科教授を務める。フランクフルト学派第三世代の代表的存在。
主な著作に、『権力の批判:批判的社会理論の新たな地平』(河上倫逸監訳、法政大学出版局、1992年)、『承認をめぐる闘争:社会的コンフリクトの道徳的文法』(山本啓・直江清隆訳、法政大学出版局、2003年)、『物象化:承認論からのアプローチ』(辰巳伸知・宮本真也訳、法政大学出版局、2005年)、『自由であることの苦しみ:ヘーゲル「法哲学」の再生』(島崎隆・明石英人・大河内泰樹・徳地真弥訳、未來社、2009年)、ナンシー・フレイザーとの論争的共著『再配分か承認か?:政治・哲学論争』(加藤泰史監訳、法政大学出版局、2013年)などがある。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

 はじめに

I 社会哲学の課題

社会的なものの病理──社会哲学の伝統とアクチュアリティ

世界の意味地平を切り開く批判の可能性──社会批判をめぐる現在の論争地平での『啓蒙の弁証法』

〈存在を否認されること〉が持つ社会的な力──批判的社会理論のトポロジーについて

道徳意識と社会的階級支配──規範的な行為ポテンシャルの分析における諸問題

II 道徳と承認

正義の他者──ハーバーマスとポストモダニズムの倫理学的挑戦

アリストテレスとカントの間──承認の道徳についてのスケッチ

正義と愛情による結びつきとの間──道徳的論争の焦点としての家族

愛と道徳──感情による絆の道徳的内実について

脱中心化された自律──現代の主体批判からの道徳哲学的帰結

III 政治哲学の問題

道徳的な罠としての普遍主義?──人権政治の条件と限界

反省的協働活動としての民主主義──ジョン・デューイと現代の民主主義理論

手続き主義と目的論の間──ジョン・デューイの道徳理論における未解決問題としての道徳的コンフリクト

消極的自由と文化的帰属性との間で──アイザイア・バーリンの政治哲学における解決できない緊張関係

ポスト伝統的共同体──概念的提言

 訳者あとがき
 原注
 事項索引
 人名索引

[訳者一覧]

加藤 泰史(カトウ ヤスシ)
1956年生まれ。一橋大学大学院社会学研究科教授。哲学・倫理学専攻。

日暮 雅夫(ヒグラシ マサオ)
1958年生まれ。立命館大学産業社会学部教授。社会哲学専攻。

池田 成一(イケダ シゲカス)
1953年生まれ。岩手大学人文社会科学部教授。社会哲学専攻。

池田 拡吉(イケダ ヒロヨシ)
1972年生まれ。名古屋大学大学院文学研究科博士後期課程満期退学。翻訳業。

神谷 美砂子(カミヤ ミサコ)
1967年生まれ。南山大学・名城大学非常勤講師。

庄司 信(ショウジ マコト)
1958年生まれ。日本赤十字秋田看護大学非常勤講師。社会学専攻。

高畑 祐人(タカハタ ユウト)
1961年生まれ。名古屋大学・南山大学非常勤講師。

竹内 真澄(タケウチ マスミ)
1954年生まれ。桃山学院大学社会学部教授。社会学専攻。

福山 隆夫(フクヤマ タカオ)
1948年生まれ。東京慈恵会医科大学教授。社会哲学専攻。

舟場 保之(フナバ ヤスユキ)
1962年生まれ。大阪大学大学院文学研究科准教授。哲学哲学史専攻。

水上 英徳(ミズカミ ヒデノリ)
1967年生まれ。松山大学人文学部教授。社会学専攻。

宮本 真也(ミヤモト シンヤ)
1968年生まれ。明治大学情報コミュニケーション学部准教授。社会哲学専攻。

関連書籍

A.ホネット、N.フレイザー著/加藤泰史監訳『再配分か承認か?』