叢書・ウニベルシタス 125
アルバン・ベルク 〈新装版〉
極微なる移行の巨匠

四六判 / 284ページ / 上製 / 定価:3,000円 + 税 
ISBN978-4-588-09989-2 C1373 [2014年06月 刊行]

内容紹介

おなじくシェーンベルクの系譜につらなりながら、きびしい凝縮への意志を核としたヴェーベルンに対比して、しなやかな拡大への志向をはらむベルク音楽。アドルノの若き日の作曲の師ベルクへの回想および『ヴォツェック』、『抒情組曲』に代表される諸作品の詳細な分析を通して、その音楽の全貌を伝える。

著訳者プロフィール

Th.W.アドルノ(アドルノ,Th.W.)

(Theodor W. Adorno)テーオドール・W. アドルノ
1903年フランクフルト生まれ。青年時代から哲学と音楽の両分野で才能を発揮。哲学博士号取得の後、1925年よりウィーンでアルバン・ベルクに作曲を学び、音楽家と交流。1928〜31年前衛的音楽評論雑誌『アンブルッフ』の編集を担当する。1931年キルケゴールに関する論文で教授資格取得。1938年アメリカ移住。フランクフルト学派の一員として社会研究に従事。1949年にフランクフルトに戻り、ホルクハイマーとともに1950年社会研究所を再開する。戦後はその鋭い社会批判によってドイツの思想界をリードし、ドイツ社会学会会長も務める一方で、現代音楽の高度な評論・分析によりヨーロッパの作曲家に大きな影響を与えた。1969年没。『啓蒙の弁証法』(1947)『新音楽の哲学』(1949)『ミニマ・モラリア』(1951)『否定弁証法』(1966)『アルバン・ベルク』(1968)などの著書がある。

平野 嘉彦(ヒラノ ヨシヒコ)

1944年生まれ。東京大学名誉教授。ドイツ文学専攻。著書に『プラハの世紀末──カフカと言葉のアルチザンたち』(岩波書店、1993)、『カフカ──身体のトポス』(講談社、1996)、『獣たちの伝説──東欧のドイツ語文学地図』(みすず書房、2001)、『ツェラーンもしくは狂気のフローラ──抒情詩のアレゴレーゼ』(未來社、2002)、『マゾッホという思想』(青土社、2004)、『ホフマンと乱歩──人形と光学器械のエロス』(みすず書房、2007)、『死のミメーシス──ベンヤミンとゲオルゲ・クライス』(岩波書店。2010)、Toponym als U-topie bei Paul Celan. Auschwitz – Berlin – Ukraine (Königshausen & Neumann, 2011)、『ボヘミアの〈儀式殺人〉―フロイト・クラウス・カフカ』(平凡社、2012)など。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

 序言

音調

回想

作品
 楽曲分析とベルク
 『ピアノ・ソナタ』
 『ヘッベルとモンベルトの詩による歌曲』
 『初期の七つの歌曲』
 『弦楽四重奏曲第一番』
 『アルテンベルク歌曲集』
 『クラリネット小品集』
 『管弦楽小品集』
 『ヴォツェック』の性格規定のために
 『室内協奏曲』のためのエピレゴメナ
 『抒情組曲』
 演奏会用アリア『酒』
 『ルル』覚え書

 作品目録
 本文解題
 訳者あとがき

関連書籍

Th,W.アドルノ著/三光長治訳『ミニマ・モラリア』