叢書・ウニベルシタス 274
中世の旅 〈新装版〉

四六判 / 488ページ / 上製 / 定価:3,800円 + 税 
ISBN978-4-588-09992-2 C0322 [2014年11月 刊行]

内容紹介

ガレー船の船底のすえた臭いが立ちのぼる。凍傷の足の痛みが読者に伝わる。十字軍の遠征からコロンブスの発見の旅まで、中世一千年間にわたるあらゆる階層の/あらゆる職種の/あらゆる目的の旅のありようを描きつくして、中世世界の実像に迫る。

著訳者プロフィール

ノルベルト・オーラー(オーラー,N.)

(Norbert Ohler)
1935年に生まれる。1955年から6年間、フライブルク、フランクフルト、グルノーブルの各大学で歴史とフランス語を研究。助手やギムナジウムの講師を経て、1967年以降、フライブルク大学などの歴史学講師。その後、大学を退きフリー・ジャーナリストとして精力的な活動を展開した。日本語訳に、『巡礼の文化史』(2004年、小局刊)、『中世の死』(2005年、小局刊)がある。

藤代 幸一(フジシロ コウイチ)

1932年に生まれる。東京都立大学大学院修士課程(独文学専攻)修了。現在、同大学名誉教授。著書に『記号を読む旅』、『もうひとつのロマンチック街道』、『アンデルセンの〈詩と真実〉』、『デューラーを読む』、『ビールを〈読む〉』、訳著に『聖ブランダン航海譚』、訳書に、『ティル・オイレンシュピーゲルの愉快ないたずら』、『中世の笑い』、『狐ラインケ』、『司祭アーミス』、デュル『戸外で朝食を』、ザッペリ『教皇をめぐる四人の女』、共訳にオーラー『巡礼の文化史』、A. v. ゲーテ『もう一人のゲーテ』、デュル《文明化の過程の神話》(I 裸体とはじらいの文化史、II 秘めごとの文化史、III 性と暴力の文化史、IV 挑発する肉体、V〈未開〉からの反論)、ブレーデカンプ『古代憧憬と機械信仰』、ビショッフ『エディプスの謎・上下』(以上、小局刊行書のみ)、他多数。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

 まえがき

序章

I 基本と諸条件

地域と気候
 地域の区分け
 潮の干満と海流
 気候
 季節
乗用、輓曳用、荷物運搬用の動物
船の旅、陸の旅
 陸の往来
 準備
 内陸の船旅
 海の船旅
 処女地から聞かれた地へ
旅にとっての宗教、商業および情報制度の意義
 宗教と旅
 商業
 使者の制度と情報の伝達
道中での意志の疎通
客あしらいと宿屋
 客あしらい
 信仰仲間の宿
 教会の宿──修道院
 教会の宿──宿坊と救貧院
 宿屋
旅の速度
支配と法令
楽になった通行
 渡し船
 橋
 中世の交通法規
 宿泊施設
高山の旅
改革
地球上の探検
別れ、到着と帰郷

II 文献調査と証言

ある逃走
ポニファティウスの旅
旅の王国
 旅に出るカール大帝
 国王巡察使
 フルダ修道院長の王への奉仕
 王の御料地
 王のローマ訪問
《北方人》の船旅グレティル・サガ
旅する聖職者たち
 ローマ行と巡察、アウクスプルク司教ウルリヒ
 王への奉仕といたずら、トリーアのアルベーロ
 遍歴の説教師と修道士、クサンテンのノルベルトおよびクレルヴォーのベルナール
王八インリヒ七世のローマ行
サンチアゴ巡私案内書
 巡礼詣での費用
 敬虔な巡礼?
 道、橋、そして宿
 危険の警告
 偏見
 聖者崇拝
 目的地にて
十字軍
 武装した巡礼行か?
 聖地への出発
 旅路の十字軍士たち
 目的地にて
 結果
アジアの旅
 ギヨーム・ド・リュブリキ
 マルコ・ポーロ
 イブン・パットゥータ
 インド
コロンブスの発見の旅
 旅の経過
 インディオとの接触
 調査
 寓話
 帰国の航海
教養の旅
 シャルトルへの《図書館の旅》
 遍歴学生
 ペトラルカ、草枕の生涯
ボッ力チオにおける商人の旅
鞭打苦行者の行進
中世後期の聖地巡礼の旅
職人と芸術家
 遍歴の職人
 アルプレヒト・デューラーの旅日記
展望

 訳者あとがき
 年表
 参考文献
 索引