認識と反省性
ピエール・ブルデューの社会学的思考

A5判 / 438ページ / 上製 / 定価:5,000円 + 税 
ISBN978-4-588-15105-7 C3036 [2020年03月 刊行]

内容紹介

アルジェリア戦争の経験を経て、哲学徒は社会学者へとなっていく。社会調査を実践しながら、独自の理論をつくり上げたブルデュー。彼の思考の生成と展開を手がかりに、著者は社会学的認識について探究する。膨大な未邦訳文献と一次史料を用い、その理論の独自性を浮き彫りにしていく。社会科学と政治のかかわりも考察し、「社会学とはなにか」と改めて問いかける気鋭の研究者による書。

著訳者プロフィール

磯 直樹(イソ ナオキ)

群馬県生まれ。上智大学法学部国際関係法学科卒業。フランス国立社会科学高等研究院博士課程・ヨーロッパ社会学センター(現・CESSP-Paris)留学を経て,一橋大学大学院社会学研究科総合社会科学専攻博士課程修了。博士(社会学)。大阪大学大型教育研究プロジェクト支援室特任助教・URA,日本学術振興会特別研究員PDを経て,現在は同RPD,慶應義塾大学法学部訪問研究員,江戸川大学他非常勤講師。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序論
1 ブルデュー研究一般の動向 
2 社会学史一般におけるブルデューの位置づけ 
3 本書の主題に関わる先行研究 
4 「認識と反省性」に関する先行研究 
5 本書の問題設定 
   
第1章 社会学と認識問題
1 認識の概念 
2 カッシーラーの認識問題 
3 古典社会学の認識問題 
4 フランスのエピステモロジー 
5 方法論と認識論 
6 認識問題としての社会調査 

第2章 哲学徒のアルジェリア経験
1 哲学徒ブルデュー 
2 ブルデューのアルジェリア経験 
3 アルジェリア戦争とフランス知識人 
 4 フィールドからの問い 

第3章 六〇年代のブルデューと社会調査
 1 フランス構造主義の文脈 
2 ブルデューと構造主義 
3 アロンとブルデュー 
4 ブルデューと量的方法 
5 ブルデューと質的方法 
6 『社会学者のメチエ』と認識論的断絶 

第4章 三つの基礎概念の形成
1 三概念の初期構想 
2 「再生産」以後のブルデュー 
3 『プラティク理論の素描』における「プラクセオロジー」 
4 一九七〇年代における三つの基礎概念の展開 
5 性向と分類 
6 ブルデューの理論的思考 
7 ハビトゥス論の構図 
8 権力界 

第5章 「階級」と社会空間
1 階級分析・社会階層論の構図 
2 ブルデューの「階級」分析 
3 『ディスタンクシオン』の問い 
4 文化の社会学的認識 
5 ブルデュー派階級分析の展開

第6章 社会学的認識と反省性
1 反省性の概念 
2 反省性の実践とフィールド 
3 科学的知識の算出過程の分析
4 価値自由と反省性 

補章 「中範囲の理論」以後の社会学的認識
1 現代社会学と中範囲の理論 
2 社会学における理論的なものと経験的なもの 
3 ブリュノ・ラトゥールの社会学批判 
4 ブルデューにおける理論と反省性 

結論

あとがき 
文献一覧
人名索引・事項索引

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