最古の宗教 〈新装版〉
古代メソポタミア

四六判 / 408ページ / 上製 / 価格 4,950円 (消費税 450円) 
ISBN978-4-588-35409-0 C0022 [2013年08月 刊行]

内容紹介

アッシリア学の第一人者が、初期の代表作『バビロニアの宗教』を、刊行後45年間の研究成果を踏まえて全面的に改訂・増補した決定版。世界最古の文明を築き担った人びとの宗教感情、神の概念、宇宙観、祭祀のかたちを、資料の有機的な結合によって再構成するとともに、メソポタミア文明消滅後の拡散と旧約聖書への影響にもおよぶ。

著訳者プロフィール

J.ボテロ(ボテロ ジャン)

(Jean Bottéro)
1914年、南フランスのニース近郊に生まれる。カトリック・ドミニコ会修道院付属の神学校で聖書学、哲学等を修めるが、やがてパリ国立高等研究院のR.ラバット教授の指導のもとにアッカド語、メソポタミア文献・歴史学を学び、フランス国立科学研究機関研究員を経て、1958年よりパリ国立高等研究院教授。1952年に刊行した『バビロニアの宗教』(La religion babylonienne, PUF)を1997年に全面的に書き改めた本書『最古の宗教』(La plus vieille religion en Mésopotamie, Éditions Gallimard)をはじめ、著書多数。2007年死去。

松島 英子(マツシマ エイコ)

1948年に生まれる。東京芸術大学美術学部芸術学科、同大学院において美術史を専攻した後、フランス政府給費留学生としてパリ国立高等研究院においてアッシリア学を学ぶ。富山大学助教授、中近東文化センター研究員、中京女子大学人文学部教授を経て、現在、法政大学キャリアデザイン学部教授。著書に、『メソポタミアの神像』(角川書店)、『世界美術大全集東洋編16 西アジア』(共著・責任編集、小学館)が、訳書に、ジャン・ボテロ『メソポタミア』、『バビロンとバイブル』、『最古の宗教』(本書)、『最古の料理』(以上、法政大学出版局)がある。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

メソポタミアで生まれた最古の宗教

宗教一般と諸宗教

メソポタミアとその歴史
  先史時代
  歴史時代
  歴史概略

研究資料と期待される成果について

宗教感情
  証言
  崇敬の念
  単一神観?

宗教的具象表現
 神々
  神々の集合体
  群集から組織へ
  単一神信仰的傾向
 神話体系における神
  「神としての特性」すなわち「神性」の概念
  神々の姿
  神々の振る舞い
  もっとも高貴なイメージ
  神々の起源
 神話体系における宇宙
  宇宙構造論
  宇宙開闢論
  宇宙の統治
  世界の終末
 神話体系における人間
  普遍主義
  人類誕生と人間の存在理由について
  神々による人間の統治
  死と彼岸
  快楽主義

宗教的振る舞い
 祭祀
  神殿
  聖職者たち
  神々の扶養
  神々の日常生活の世話
  神々の「社交生活」
  祈禱
  典礼式
  信仰心
 「秘蹟」の祭祀
  卜占
  祓魔──祓魔と呪術

影響と残照
  影響
  残照

 文化のあらゆる基本要素と同様に
 注
 訳者あとがき
 文献一覧