女性電信手の歴史
ジェンダーと時代を超えて

四六判 / 326ページ / 上製 / 定価:3,800円 + 税 
ISBN978-4-588-36417-4 C0022 [2014年04月 刊行]

内容紹介

19世紀半ばに生まれた電信の技術は、多くの女性たちに新たな職業空間を提供した。彼女たちは、従来の「女の居場所」を超えて技術職に就き、男性に伍して働き、電信会社相手のストライキを果敢に闘った。西部劇や小説にはヒロインとして登場した。今や忘れられた、当時の「サイバー・スペース」に生きた先駆的女性群像を生き生きと描いた本書は、現代の働く女性たちにも力を与えよう。

著訳者プロフィール

トーマス・C. ジェプセン(ジェプセン,T.C.)

(Thomas C. Jepsen)
米国ノースカロライナ在住の情報通信アーキテクトで,技術史家でもあり,とくに電信の歴史の研究に力を入れている.著書には,本書のほか,Distributed Storage Networks: Architecture, Protocols and Management, John Wiley & Sons, 2003, Ma Kiley: The Life of a Railroad Telegrapher, Texas Western Press, 1997 がある.2014年1月現在,電信史と電信で働いた女性の歴史を主題とするウェブサイトhttp://www.mindspring.com/ ~tjepsen/Teleg.html を持っている.

高橋 雄造(タカハシ ユウゾウ)

東京大学工学部電子工学科卒業.元・東京農工大学教授.元・日本科学技術史学会会長.電気通信大学コミュニケーションミュージアム学術調査員.著訳書に,『ラジオの歴史──工作の〈文化〉と電子工業のあゆみ』(法政大学出版局,2011年),『博物館の歴史』(同,2008年),『ミュンヘン科学博物館』(編著,講談社,1978年),『てれこむノ夜明け──黎明期の本邦電気通信史』(共編著,電気通信調査会,1994年),『ノーベル賞の百年──創造性の素顔』(共同監修,ユニバーサル・アカデミー・プレス,2002年),『岩垂家・喜田村家文書』(監修,創栄出版,2004年),『電気の歴史──人と技術のものがたり(東京電機大学出版局,2011年),『静電気を科学する』(同,2011年),R. S. コーワン『お母さんは忙しくなるばかり──家事労働とテクノロジーの社会史』(訳,法政大学出版局,2010年)などがある.

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

 図表一覧
 日本の読者へ
 謝辞

第1章 電信業ではたらく女性
米国の電信業への女性の進出
カナダとヨーロッパにおける女性電信手
非欧米世界における電信と女性
二〇世紀における電信業と女性

第2章 電信オフィスにおける毎日の業務
鉄道駅の電信所の場合
モールス電鍵と「バグキー」
商業電信局の場合
労働環境
労働時間
テレタイプの導入
職業上の事故・病気

第3章 社会における電信オペレーターの位置
電信手の社会階層
電信手のエスニック構成
電信手の学歴と訓練
電信手として働くようになった理由
統計に見る労働力としての電信手
電信手のレジャーライフ
電信手の旅行と移動
宗教、親睦、および社会活動の組織
電信コンテスト
家族と結婚

第4章 電信オフィスにおける女性の諸問題
米国における女性の電信への進出と『テレグラファー』誌上論争
ヨーロッパの電信業における女性の進出
一八七〇年代の米国における女性電信手論争
職場における振舞いとジェンダー
男女同一賃金問題
起業家としての女性
電信オフィスにおける競争──リジー・スノーの場合
電信オフィスと性道徳

第5章 文芸と映画に見る女性電信手
文学に描かれた女性電信手
映画のなかの女性電信手

第6章 女性電信手と労働運動
電信手保護同盟と一八七〇年のストライキ
ヨーロッパの女性と労働運動
電信手友愛会と一八八三年のストライキ
女性電信オペレーターと婦人運動
鉄道電信手騎士団
アメリカ商業電信手労働組合(CTUA)と一九〇七年のストライキ
一九一九年のストライキ
オーストリアにおける一九一九年のストライキ
その後のアメリカ商業電信手労働組合

第7章 むすび
電信業の工業化
電信時代の終焉
技術労働者としての女性電信手
まだ書かれていない歴史を求めて
なぜ歴史を再発見するのか

 訳者あとがき
 文献
 原注
 索引

書評掲載

「神奈川新聞」「愛媛新聞」(2014年5月4日付)、「徳島新聞」(2014年5月11日付/以上、糸井恵氏・評)にて紹介されました。

「女性とジェンダーの歴史」(第3号、2015年11月発行/石井香江氏・評)にて紹介されました。

関連書籍

R.S.コーワン著/高橋雄造訳『お母さんは忙しくなるばかり』