グラウンド・ゼロを書く
日本文学と原爆

A5判 / 678ページ / 上製 / 定価:9,500円 + 税 
ISBN978-4-588-47004-2 C0095 [2010年07月 刊行]

内容紹介

原爆文学とはなにか──「直視しがたいもの」を正面から見すえ,「沈黙でしか語りえないもの」を既成の言語によって語ろうとするその特質を分析した本書は,広島と長崎の文学を中心としながら,非被爆者の作品にも視野を広げ,文学史や文芸批評はもとより,哲学や精神分析学,歴史学や政治学,科学史の方法をも駆使して説得力ある議論を展開する.唯一の被爆国である日本の研究者が書きえなかった包括的かつ緻密な原爆文学研究の大著.

■本書に取り上げられた人々の中から■ 
アドルノ/いいだもも/井上光晴/井伏鱒二/江藤淳/大江健三郎/大岡信/大田洋子/小田切秀雄/小田実/カーモード/栗原貞子/黒古一夫/後藤みな子/佐多稲子/サルトル/志条みよ子/スタイナー/高橋和巳/竹西寛子/デリダ/峠三吉/永井隆/長岡弘芳/中上健次/野間宏/ハーシー/蜂谷道彦/林京子/原民喜/丸木位里/丸木俊/山本健吉/ラング/リフトン/他


著訳者プロフィール

ジョン・W.トリート(トリート,ジョン・W.)

日本文学研究者.
ワシントン大学准教授を経て,現在イェール大学教授.本書のほか,井伏鱒二に関する研究や日本文化論によっても知られている.

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序章
残虐行為を言葉に
ジャンルとポスト・ヒロシマの表象
三つの論争
原民喜とドキュメンタリーの誤信
詩自身へ抗う詩
大田洋子と語り手の位置
大江健三郎──ヒューマニズムとヒロシマ
井伏鱒二──自然,郷愁,記憶
長崎と人間の未来
原爆と核と全体性──小田実
結語──それから,のこと
原注・訳注/参考文献/人名索引