費用便益分析入門
ハーバーガー経済学・財政学の神髄

A5判 / 292ページ / 上製 / 定価:4,200円 + 税 
ISBN978-4-588-64546-4 C3033 [2018年09月 刊行]

内容紹介

経済的無駄の測定(ハーバーガーの三角形)、法人税転嫁、公的資金の社会的機会費用といった数々の先駆的研究によって現代経済学・財政学に大きな足跡を残してきた著者の初の邦訳。発展途上国での公的事業、貧困問題の解決に向けた政策提案の経験にもとづく、公正で効率的な資源配分をめざす「費用便益分析」の理論的エッセンスを凝縮した講義。財政・経済政策に関心をもつ読者に。

著訳者プロフィール

アーノルド・C.ハーバーガー(ハーバーガー アーノルド)

1924年米国ニュージャージー州ニューアーク市生まれ。ジョンズ・ホプキンズ大学卒、シカゴ大学大学院修士課程修了。1950年、シカゴ大学大学院博士後期課程を修了し、シカゴ大学経済学部准教授を経て、1959年教授に就任(在職中に経済学部長等を歴任)。1977年、同学部グスタフF. &アン M.スウィフト講座特別待遇教授。1984年にはカリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)教授となり、 1998年には同校特別待遇教授。現在はシカゴ大学およびUCLAの名誉教授。

関口 浩(セキグチ ヒロシ)

1964年埼玉県深谷市生まれ。早稲田大学大学院商学研究科博士後期課程を経て、早稲田大学商学部助手、金沢経済大学経済学部助教授。2005年より法政大学大学院政策科学研究科・社会学部社会政策科学科教授。2008年、カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)客員研究員、2009年、南カリフォルニア大学(USC)客員研究員。現在は法政大学大学院公共政策研究科長。著書に『財政学入門』(佐藤進と共著、同文舘)、『昭和財政史(昭和49〜63年度)2 予算』(財務省編、東洋経済新報社)、『環日本海地域の協力・共存・持続的発展』(山村勝郎編、橋本確文堂)ほか。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

日本の読者の皆さんへ

開講にあたり

『ハーバーガー費用便益分析入門』の手引き(関口 浩)

第Ⅰ部 費用便益分析入門

第1章 事業分析表、外国為替そして資本
第1節 費用便益分析の基本用語
第2節 「経済的」費用便益分析
第3節 経済的機会費用
第4節 資本の経済的機会費用
第5節 国外からの資金調達について

第2章 労働市場問題
第1節 基礎知識
第2節 労働の経済的機会費用の測定──標準的な場合
第3節 事業労働の「供給源」について
第4節 二重労働市場──保護部門対非保護部門
第5節 出稼ぎ労働者供給失業
第6節 循環的失業

第3章 社会的関心事への言及
第1節 基礎知識
第2節 分配ウエイトについて
第3節 基本的要求の外部性
第4節 基本的要求の外部性の場合の費用便益分析

第4章 主要道路事業への適用
第1節 基礎知識
第2節 交通渋滞の外部性
第3節 臨界交通量と段階的建設について

第5章 灌漑事業への適用
第1節 基礎知識
第2節 灌漑用水の価値の直接推計
第3節 費用便益分析と現実世界での事業評価の小括

第6章 電力事業分析の基礎
第1節 基礎知識
第2節 最も簡単な場合──同種の火力発電
第3節 流れ込み式(自流式)水力発電事業
第4節 貯水池式水力発電事業
第5節 季節的水力発電堰ダム
第6節 現代電力経済学の教え

第7章 電力事業の費用便益分析への追加
第1節 異種の火力発電の容量──特徴が最もよく表れる接近法
第2節 最大電力エネルギーをもたらす経済的費用
第3節 発電所の型タイプにより異なる火力発電容量
第4節 太陽光発電と風力発電へのいくつかの覚書
第5節 費用便益分析による効率的限界費用および便益の探究

第8章 応用厚生経済学の実際──費用便益分析の「原理および基準」の枠組みについての覚書
第1節 本章の位置づけ
第2節 費用便益分析の各要素

第Ⅱ部 所得分配と財政学

第9章 分配上の考慮と財政学についての熟考
第1節 租税負担の分配について
第2節 政府支出の分配
第3節 政府予算の政治経済学
第4節 教育、社会経済的可動性、そして所得分配
第5節 特定の租税問題と改革
第6節 見解の結論

参考文献

『費用便益分析入門』原著のご案内

訳者あとがき

索 引

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