オリエンタリズムとジェンダー
「蝶々夫人」の系譜

四六判 / 204ページ / 上製 / 定価:2,200円 + 税 
ISBN978-4-588-67207-1 C0036 [2007年10月 刊行]

内容紹介

西欧における日本女性のイメージはいかにして形成されたか。ロティ『お菊さん』に加え、ロング、ベラスコ、プッチーニによる三つの『蝶々夫人』を、サイードが指摘する「再構成と繰り返し」の過程として読み直し、レーヴェン『バタフライ』における自己相対化の手法、ウォン『M・バタフライ』における異性装のパフォーマンスにジェンダーの本質と模倣の構造を探る。

著訳者プロフィール

小川 さくえ(オガワ サクエ)

長崎県に生まれる.大阪市立大学大学院博士課程修了.ドイツ文学専攻.現在,宮崎大学教授.訳書に,ヴォルフガング・シヴェルブシュ『闇をひらく光』,『光と影のドラマトゥルギー』,ヴォルフ・レペニース『十八世紀の文人科学者たち』,カール・フォン・リンネ『神罰』,共訳に,ルネ・ケーニヒ『マキアヴェッリ』(以上,いずれも法政大学出版局刊),その他がある.

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

まえがき  5

第1章 ピエール・ロティ『お菊さん』(一八八七/九三)
    *幻想に裏切られた西洋人がみた日本女性  11
第2章 ジョン・ルーサー・ロング『蝶々夫人』(一八九八)
    *現実からイメージへの変換  55
第3章 デイヴィド・ベラスコ『蝶々夫人』(一九〇〇)
    *原作小説はどのように書きかえられたか  87
第4章 ジャコモ・プッチーニ『蝶々夫人』(一九〇四)
    *西洋の観察者、東洋の死体  113
第5章 パウル・レーヴェン『バタフライ』(一九八八)
    *バタフライはなぜ宿命の女ではないのか  145
第6章 デイヴィド・ヘンリー・ウォン『M・バタフライ』(一九八八)
    *パロディによる「美しい物語」の解体  173

あとがき  201