小局からのお知らせ

〈書物復権〉2014 復刊リクエスト受付中

毎年恒例の〈書物復権〉共同復刊が今年も実施されます。第18回目となる今年は、昨年までの9社に加え、吉川弘文館が新たに参加し、10社139点140冊の充実した復刊候補がそろいました。
また今回も、通常では復刊しにくい少数のご要望にも応えるために、オンデマンド版での復刊を実施いたします。

1点でも多くの復刊を実現し、良書を読者の皆様にお届けしたいと願っております。皆様のリクエストで名著をよみがえらせてください。リクエスト投票にご協力のほどよろしくお願い申し上げます。

実施概要や復刊候補リストは〈書物復権〉2014 サイトをご覧ください。

■リクエスト投票締め切り: 2014年2月28日
■リクエスト方法: 下記の二つのサイトよりリクエスト投票ができます。
  〈書物復権〉2014 リクエストサイト
   復刊ドットコム サイト

小局の復刊候補は、次の通りです。

『存在と時間』講義
J.グレーシュ著/杉村靖彦、他訳
初版2007・最終版2007年/A5判/676頁/予価12960円(本体12000円)
ガダマーやリクールの流れを汲む解釈学的現象学の立場から『存在と時間』とその「作業場」の姿を鮮やかに浮かび上がらせた画期的な注釈書。

人種差別
A.メンミ著/菊地昌実、白井成雄訳
初版1996・最終版1997年/四六判/234頁/予価2808円(本体2600円)
被植民者、ユダヤ人、北アフリカ出身者という三重に屈折した人種差別を受けてきた個人的体験に密着し、現代社会における支配と隷属、抑圧と差別のメカニズムを抉る。

地域社会の民俗学的研究
岩井宏實著
初版1987・最終版1987年/A5判/592頁/予価10584円(本体9800円)
地方文化の伝承基盤とその変容過程を時間 – 空間の総合的認識において実証的に捉えなおし、歴史学と民俗学の接点に立って地域社会のゆたかな可能性を掘り起こす。

日本神話の比較研究
大林太良編
初版1974・最終版1977年/A5判/438頁/予価5400円(本体5000円)
日本神話と世界各地の神話との比較研究の成果を結集し、比較・分析を綜合して比較神話学の問題点を摘出・展望する。

剣の神・剣の英雄 タケミカヅチ神話の比較研究
大林太良、吉田敦彦著
初版1981・最終版1981年/四六判/270頁/予価3240円(本体3000円)
剣神伝承の一致と対応を対照しつつ、日本神話と印欧諸族の神話との連続性を浮彫にし、比較神話学の方法により文化系統論に新視覚をもたらす。

桶と樽
小泉和子編
初版2000・最終版2000年/A5判/466+1頁
出土遺物や絵画・文献資料をもとに、壷・甕から桶・樽への転換期を探り、醸造業をはじめ、農業・漁業・鉱業から流通業まで、桶・樽が果たした役割を明らかにする。

奄美説話の研究
山下欣一著
初版1979・最終版1979年/A5判/552頁
ユタが唱えてきた呪詞と民間説話群とを詳細に比較・検討しつつ、南島の基層文化におけるシャーマニズムという独自の視角から、南島説話成立の基盤を浮彫りにする。

南西諸島の民俗 I
下野敏見著
初版1980・最終版1980年/A5判/554+16頁
南九州から奄美・沖繩まで、島々の生活と文化を実地に精査して成った初の南島民俗集成。本巻は、生業・民具・航海(船)・漁業等の有形資料を中心に基層文化を探る。

社会人類学入門
J.ヘンドリー著/桑山敬己訳
初版2002・最終版2007年/A5判/314頁
イギリス人類学の最新の成果を盛り込みつつ、日本の民族誌的事例を豊富に取り上げ、異文化としての日本、他者としての自己について考える機会を提供する好入門書。

精神分析の方法 I
W.R.ビオン著/福本修訳
初版1999・最終版2008年/四六判/326頁
フロイト以後の精神分析の理論的総括を試みたビオンの代表的著作を集成。本巻は、「経験から学ぶこと」「精神分析の要素」の二部からなる。訳者による解題を付す。

精神分析の方法 II
W.R.ビオン著/福本修、平井正三訳
初版2002・最終版2002年/四六判/390頁
本巻は、「変形」「注意と解釈」の二部からなり、今日の精神分析の臨床とメタ心理学研究に明確な指針とパースペクティブを提供する。巻末にⅠ・Ⅱ巻の索引を付す。

解決志向の言語学
S.ド・シェイザー著/長谷川啓三監訳
初版2000・最終版2005年/四六判/420頁
心理療法理論を哲学と心理学の概念から説き、問題〈解決〉のための具体的な治療(会話)を展開。言葉の魔術的な力が明らかにされ我々を最先端の心理療法へと導く。

現代日本の大学革新
清成忠男著
初版2010・最終版2010年/四六判/320頁
2003年度に大きく転換した高等教育政策と、18歳人口が急減期に入った1990年代からの大学革新を取り上げ、その状況と問題点を論じる。

近代日本における読書と社会教育
山梨あや著
初版2011・最終版2011年/A5判/374頁
わが国において読書が普及し始める1900年代から大衆化する1960年代までを対象とし、読書行為の普及を近代日本教育史の視点から跡づける。

フランスを知る
東京都立大学フランス文学研究室編
初版2003・最終版2005年/A5判/330頁
言語、文学、社会、歴史、宗教、思想、さらにパリと地方、人物、出来事、日本との交流など多様なテーマを最新の知見や情報を織りまぜ明快に解説する総合的入門書。