『横山源之助全集』(全9巻・別巻2)の継承出版について

ご挨拶と計画の概要

2004年2月23日 法政大学出版局



横山源之助

 2000年10月に刊行開始されました社会思想社版『横山源之助全集』(立花雄一編集)は、全9巻・別巻2のうち、別巻一『日本之下層社会他』、第一巻『社会・労働(一)』、第二巻『社会・労働(二)』の3巻を出して、同社の事情により中断のやむなきに至りました。

 その後、この出版の継続につき、社会思想社で直接その出版に携わられた旧社員の方々が種々ご腐心されたのはもとより、学界・出版界・読書界・言論界でも心ある人々の関心を呼んでおりました。

 このほど小局は、本全集を継続刊行し、完結させることの意義を認識し、その出版を社会思想社より継承致すことを決意しました。

 本全集は、日本近代=資本主義確立期の社会現象・社会問題をその底辺・深層から照射した貴重な記録・証言の一大集成であることは申すまでもありません。したがって、学問的意義は言うまでもなく、とりわけ社会学・経済学・政治学・文学・労働問題・日本近代史・生活史・都市問題などの研究者に必備の資料的価値を有しております。

 そしてまた本全集は、編者・立花雄一先生の永年にわたる研究・収集の末の、いわば渾身のライフワークであり、公刊された著書はわずかで、まとめられてこなかった膨大な論稿の発掘・集成は、それ自体が出版史に残るものといえるであろうこと、収録作品は一般読者にも読みやすいジャーナリストの文章でありますが、さらに編者によって多数ルビが振られ、周到な本作りがなされていることなどが特徴です。これらはいわば、小局が継承出版できますことがむしろ名誉であると言えるものであります。

横山源之助全集 別巻1

 小局は社会思想社とともに、この事業を完結・達成させることによって、わが国学術出版史に寄与したいと願うものであります。

 「継承出版」に関して申しますと、ヨーロッパなどでは、数十年はおろか百年という時間をかけての全集・著作集・叢書などの出版があり、その場合、ある全集が複数の編者・出版社によって継承・リレーされるという例が少なからずあります。そうした、一旦開始された意義ある出版プロジェクトならば、あくまでも刊行を継続し、諸困難を乗り越えて是が非でも完結させるという粘り強い意志と協働こそが、確かなクォーリティの書物を生み、優れた出版の文化性を培い、維持させてきたものであると言えましょう。

 現下の厳しい出版状況において、決して容易でない事業でありますが、優れた仕事を世に送り出すことに協力を惜しまれない関係者の存在を信じ、学界・出版界・言論界などの賛意を得て、良識ある読者に本全集をお届けしたい、と決意する次第です。

 大方のご支援・ご協力を願ってやみません。



『横山源之助全集』(全9巻・別巻2)刊行の概要

(★は社会思想社版既刊、☆は小局既刊。価格は消費税5%込み)

★第1巻  社会・労働(一)   522頁  2001年 3月刊  12600円
★第2巻  社会・労働(二)   518頁  2001年12月刊  12600円
☆第3巻  社会・労働(三)   530頁  2006年 2月刊  13650円
☆第4巻  社会・労働(四)   504頁  2006年 6月刊  13650円
☆第5巻  富豪史(一)     466頁  2004年 9月刊  12600円
☆第6巻  富豪史(二)     480頁  2005年 6月刊  12600円
☆第7巻  殖 民(一)     534頁  2005年 1月刊  13650円
☆第8巻  殖 民(二)     600頁  2005年10月刊  14700円
 第9巻  文 学        548頁  2006年10月刊予定 再開第7回
★別巻1  日本之下層社会 他  422頁  2000年10月刊   9870円
 別巻2  養蚕と製糸他・参考資料   頁  2007年 1月刊予定 再開第8回



(備考)
 1.社会思想社版・既刊3巻は在庫がございます。
   法政大学出版局に直接ご注文下さい。
 2.再開第1回以降は、平均480頁、平均本体価格13000円。
 3.組方・造本(A5判・布クロス・箱入り)は、既刊を踏襲。
 4.2004年9月に再開第1回配本、以後、「4カ月に1冊配本」を目標。
   したがって最終回配本は、2007年1月の予定。
 5.全巻のご予約を承ります(各巻の分売も可)。
   ご購読者の氏名、連絡先(郵便番号・住所・電話)、
   お取り扱い書店(書店名・取次店・番線・所在地・電話・担当者名)を
   お知らせ下さい。



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