石原あえか著『近代測量史への旅』が、「測量」(2016年5月号)にて紹介されました。
2016年 のアーカイブ
松沼美穂著『植民地の〈フランス人〉』が、「歴史学研究」(2016年5月号/平野千果子氏・評)にて紹介されました。
第20回目を迎える〈書物復権〉共同復刊、皆様からのリクエストをもとに
小局では以下の書籍5点を5月中旬に復刊いたします。
『時代おくれの人間 上 』 G.アンダース著/青木隆嘉訳 本体4,800円+税
『時代おくれの人間 下 』 G.アンダース著/青木隆嘉訳 本体5,800円+税
『イングランド18世紀の社会 』 R.ポーター著/目羅公和訳 本体7,000円+税
『見えないものを見る 』 M.アンリ著/青木研二訳 本体3,000円+税
『身体の哲学と現象学 』 M.アンリ著/中敬夫訳 本体4,800円+税
オン・デマンド書目
『ヘーゲル哲学の根源』 山口誠一著 本体6,500円+税
『守護領国支配機構の研究』 今谷明著 本体9,000円+税
全10社(岩波書店、紀伊國屋書店、青土社、東京大学出版会、白水社、
法政大学出版局、みすず書房、未來社、吉川弘文館、勁草書房)の復刊書は
下記の特設サイトでご覧いただけます。
紀伊國屋書店のサイトはこちら
https://www.kinokuniya.co.jp/c/fukken2016/
ウラジーミル・タラーソフ著, 鈴木正美訳『トリオ』が、「レコード・コレクターズ」(2016年5月1日号/松尾史朗氏・評)にて紹介されました。
ウラジーミル・タラーソフ著, 鈴木正美訳『トリオ』が、「長崎新聞」(2016年4月10日付/村井康司氏・評)にて紹介されました。
ロバート・ロス著, 平田雅博訳『洋服を着る近代』が、「佐賀新聞」(2016年4月10日付/川北稔氏・評)にて紹介されました。
西城戸誠編, 宮内泰介編, 黒田暁編『震災と地域再生』が、「出版ニュース」(2016-4 中旬号)にて紹介されました。
第Ⅰ部 言語
第1章 言語を信頼する──『ラーエル・ファルンハーゲン』をめぐって
1 『ラーエル・ファルンハーゲン』執筆の背景
2 言語の役割
3 「自分と世界という難問」
4 「言葉を信頼するようになる大いなる機会」
5 伝記作家としてのアーレント
第2章 世界の複数性にもどる
1 アーレントにとっての「真珠」
2 メタファーに内在する危険
3 アーレントのメタファー論とハイデガーの存在論
第Ⅱ部 思 考
第3章 空間を創造する
1 空間を創造する思考
2 モデルとしてのソクラテス
3 ソクラテスの思考と哲学的思考
4 困惑を分かち合うこと
5 ソクラテスの発見
第4章 過去と未来の間の裂け目で動く
1 思考の時間的次元
2 「伝統の断絶」
3 過去を想起すること
4 未来を予期すること
第Ⅲ部 構想力
第5章 世界の中で方向を定める
1 「内なる羅針盤」と共通感覚
2 「理解する心」と判断力
第6章 感覚の世界から離れる
1 「盲目の詩人」になること
2 「普遍的立場」
3 精神における「運動の自由」
4 伝達可能性
第Ⅳ部 文学
第7章 世界と和解する
1 隠された「真理」を示すX線のごとき力
2 〈もはやない〉と〈まだない〉の間
3 世界の中で安らおうとすること
4 「無世界性からの脱出路」
5 「世界における避難所」
あとがき
初出一覧 20世紀を代表する政治思想家にして、一人のユダヤ人女性でもあったアーレント。その公共性の哲学を根底で動かしてきたものとは何か。困難な現実を知性によって「理解」し、言葉で物語ることを通じて世界との「和解」に達しうる精神の可能性を探る。メタファー、空間、複数性、構想力などの鍵概念を問い直し、思考する私たち自身を社会へと開いていくためのアーレント試論。
第1章 金融商品取引法における投資者保護に関する予備的考察
──米国における私募概念の再検討を通して考える
(柳明昌)
一 はじめに
1 問題の所在
2 本稿の課題およびアプローチ
二 我が国における情報開示規制及び適用除外等の根拠
1 従来の規制枠組み
2 勧誘レベルに係る議論
3 新たな規制枠組み
三 米国における私募概念の変遷
1 大恐慌における証券規制導入当初──「情報の完全開示」哲学への転換
2 Ralston Purina(1953)判決とその後の裁判例
3 レギュレーションD──Ralston Purina判決からの離反
4 JOBS Act of 2012──証券規制史上の最大の規制緩和
四 結びに代えて──情報開示規制の在り方への示唆
1 「被勧誘者の数」規制から「取得者」規制へ
2 情報開示と情報の入手可能性
3 特定投資家概念
4 熟練投資家と情報開示
5 消費者法との関係
第2章 インターネット取引における適合性の原則と説明義務
(田名網 尚)
一 問題の所在
二 金融商品取引における適合性の原則と説明義務の法的論点の検討
1 金商法の適合性の原則
2 金商法における説明義務
3 金販法の適合性の原則と説明義務
三 インターネット取引における適合性原則と説明義務への取組み
1 インターネット取引における適合性原則と説明義務への取組みの概要
2 「金融サービスの電子取引の進展と監督行政」(平成12年4月)の概要
3 日証協「インターネット取引において留意すべき事項について(ガイドライン)」(平成17年12月)の概要
4 金商業者等のインターネット取引における適合性原則と説明義務への取組み
四 インターネット取引における適合性原則・説明義務にかかる金商業者等と顧客との紛争
1 金融商品取引における金商業者等と顧客との紛争
2 インターネット取引にかかる判例(その1:ライブドア事件関連)
3 インターネット取引にかかる判例(その2:オー・エイチ・ティー株式相場操縦事件関連)
4 インターネット取引にかかる判例(東日本大震災時の日経225オプション取引損失関連)
五 インターネット取引における適合性原則と説明義務の課題
1 判例から見たインターネット取引における適合性原則と説明義務への示唆
2 インターネット取引における適合性原則と説明義務における対処すべき課題
六 本論のまとめ
第3章 消費者の「脆弱性」をめぐる立法論的課題・序論
──『適合性原則』から「濫用」へ
(大澤 彩)
一 はじめに
二 日本法の議論状況
1 消費者契約法改正論議における議論状況
2 提案に至る背景
3 小括
三 比較対象──フランスにおける「脆弱性の濫用」
1 概要
2 要件
3 効果
四 分析
1 「脆弱性」概念
2 「特に脆弱な消費者」と「消費者」
3 脆弱性の「濫用」の意味
4 法規定のあり方──試論
5 おわりに──今後の課題
第4章 HFTに対する金商法の規制について
(野間敬和)
一 高頻度取引(HFT)とは
1 HFTとは
2 取引の高速化のためのツール
3 HFTの弊害と規制当局が検討すべき論点
4 本稿の分析
二 HFTと現物取引における相場操縦
1 現物取引における相場操縦
2 HFTは現物取引の相場操縦に該当するか
3 相場操縦行為に関する金融商品取引業者の行為規制
三 HFTに対する空売り規制
1 空売り規制
2 HFTと空売り規制
四 フラッシュ・クラッシュ
1 HFTとフラッシュ・クラッシュ
2 HFTによる流動性の消失への寄与
3 異常時における対応
五 HFT業者と他の投資家間の不公平
1 はじめに
2 特別の利益提供の禁止
第5章 エンフォースメント
(須藤純正)
一 総説
二 エンフォースメントの組織
1 沿革
2 証券取引等監視委員会
3 委員会以外のエンフォースメントの主体
三 エンフォースメントの手段
1 刑事罰
2 課徴金
3 過料 証券市場の構造が劇的に変化し、高度かつ複雑な金融商品が登場する中、資本蓄積を進める一方で、どのように投資家・消費者を保護することができるのか。金融商品取引法、民法・消費者法、刑事法を専門とする気鋭の研究者・第一線で活躍の実務家が、比較法的に得られた知見や実務の運用を踏まえつつ、規制のあるべき方向性や姿を提示する共同研究の成果。 [著者一覧] (*は編著者)
柳 明昌(ヤナギ アキマサ)*
法政大学法学部教授
田名網 尚(タナアミ ヒサシ)
マネックスグループ株式会社執行役、マネックス証券株式会社代表取締役副社長、法政大学理工学部兼任講師
大澤 彩(オオサワ アヤ)
法政大学法学部准教授
野間敬和(ノマ ヨシカズ)
弁護士(TMI総合法律事務所)
須藤純正(スドウ スミマサ)
法政大学法学部教授
第1章 都市景観の保全策の諸相
第1節 都市景観の保全策の範囲
1 景観概念の浸透
2 場所の社会的な意味
第2節 都市景観の保全策の留意点
1 都市景観保全の困難
2 保全対象の認識
第3節 公論と都市景観の保全策
1 公論の機能
2 公論形成の要
第2章 都市景観保全に関連する法制度
第1節 日本の都市計画が前提とする土地所有権
第2節 旧都市計画法期
1 旧都市計画以前の民法の役割
2 日本の都市計画のはじまり
3 旧都市計画法時代の都市計画技術
第3節 新都市計画法の制定以降
第4節 都市計画の手続き
1 建築確認制度
2 開発許可制度
第5節 都市計画を修正する機会
1 行政指導
2 都市景観に関連する地区指定型の保全策
3 多様な保全主体への期待
4 地区指定型の保全策の課題
第6節 専門知識の獲得
第7節 都市景観保全の日常的な契機
第3章 都市景観保全の契機
国立市都市景観紛争を事例に
第1節 国立市大学通り景観保全運動の経緯
第2節 法制度の活用
1 国立市都市景観形成条例
2 国立市における地区計画
3 市民的探究活動
第3節 場所の社会的意味の継承と運動の担い手
第4節 国立市大学通りの都市景観保全運動に参加する動機
第5節 近隣の受苦意識
1 大学通り東側住民の会
2 ガーデン国立管理組合
3 中3丁目西側住民の会
第6節 集合的な自主管理努力の蹂躙に伴う受苦意識
第7節 まちを象徴する場所への関心
1 問題発覚直前の国立市大学通り景観保全運動
2 住環境保全運動経験者
第8節 主体性を発揮させた要因
1 保全主体を創出するネットワーク
2 合意するためのコミュニケーション
小括
第4章 まちづくり条例による都市景観保全
第1節 まちづくり条例の変遷
第2節 まちづくり条例に関する法的根拠
第3節 市民参加の機会
1 地区指定型
2 紛争調整手続き
3 協議手続き
4 都市景観保全の日常的な契機と市民の関与
第4節 協議手続き
1 協議手続きの対象基準
2 協議手続きにおける自己統治の論理形成
第5節 罰則規定
小括
第5章 市民と専門家による協議手続き
国分寺市まちづくり条例の事例より
第1節 国分寺市まちづくり条例の特徴
1 まちづくり条例制定の背景
2 まちづくり条例の構成
3 まちづくり条例による協議手続きの位置づけ
第2節 まちづくり条例に基づく協議手続きの対象事例
1 分析対象の事例
2 まちづくり市民会議の審議事項
3 争点となった事柄
第3節 まちづくり市民会議の答申に基づく指導
1 3つの指導内容
2 事業者の反応
第4節 再考要請制度
1 合意に至らなかった事例
2 合意に至った事例
第5節 大規模土地取引行為の届出制度
1 早期の市民の声と専門知識の反映
2 専門的知見の相対化
3 地区計画の変更
4 地区計画変更を促進した要素
小括
第6章 専門家主導による協議手続き
狛江市まちづくり条例の事例より
第1節 狛江市のまちづくり条例の構成
第2節 各事例の論点
1 各事例における建築計画の修正点
2 調整会での論点
第3節 調整会におけるまちづくり委員会の役割
1 建築計画の説明責任の拡大
2 妥結に向けた議論の場の確立
3 大幅な計画修正に向けた交渉
4 交渉から裁定の局面への移行
第4節 地区まちづくり計画への移行
小括
第7章 市長と議会による承認制度
逗子市まちづくり条例の事例より
第1節 逗子市まちづくり条例
1 条例の制定意図
2 条例の協議手続き
第2節 分析対象の事例
1 土地利用と建築計画について協議する機会
2 各事例の争点
第3節 協議手続きが建築計画へ与える影響
1 事業計画が修正された事例
2 事業計画が修正されなかった事例
小括
終章
第1節 近隣住民への周知
第2節 専門知識と協議時期
1 専門知識の活用と協議手続きの低い実効性
2 専門知識の活用と協議手続きの高い実効性
第3節 協議における都市景観の意味
第4節 協議結果の蓄積と反映
第5節 保全意識の高揚を捉えた制度
──届出制度と地区指定型の保全策の接合
第6節 自己統治に基づく意思決定手続きの構築に向けて
──首長と議会の承認制度
引用文献
巻末資料
あとがき 住む理由を大切にできる社会へ 開発事業者と地域住民との間で、住環境をめぐって紛争が生じたとき、住民たちはどのような方法で問題解決に訴えることができるのか。国立市のマンション問題をはじめ、国分寺市や狛江市、逗子市の事例を調査してきた著者が、地域社会の日常と都市景観の保全活動との接点を重視しつつ、各自治体のまちづくり条例の協議手続きに基づく取り組みを検討する。今後の環境行政や市民運動にとっての基礎資料。
吉田元著『酒』が、「神社新報」(2016年4月4日 第3300号/嶋津宣史氏・評)にて紹介されました。
エリック・ヘライナー著/矢野修一他訳『国家とグローバル金融』が「証券経済研究」93号(2016年3月)に紹介されました。
D.アーミテイジ著/平田雅博、他訳『思想のグローバル・ヒストリー』が、「イギリス哲学研究」(2016年第39号/苅谷千尋氏・評)にて紹介されました。
ロバート・ロス著/平田雅博訳『洋服を着る近代』が、「北日本新聞」「東奥日報」「岩手日報」「山形新聞」「山梨日日新聞」「高知新聞」「佐賀新聞」(以上、2016年3月27日付)にて紹介されました。
日本私立大学連盟常務理事、大学基準協会理事、サントリー芸術財団理事、TBS「サンデーモーニング」のコメンテーターも務める。 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク はじめに──自由を生き抜く実践知
01 大丈夫、助けられる
for 吉田修一と後藤健二
02 自分で決めたかった。法政ならそれができた
about 為末 大
03 大学は僕の「隠れ家」だった
about 山田耕之亮
04 無頼ということ
about 鈴木直道
05 憲法記念日に生まれて
about 上原公子
06 ニューヨークの漫画家とグローバル大学を語った
about ミサコ・ロックス
07 頭と身体の限界で仕事をしてみたい
about 井原慶子
08 書き続けるフロントランナー
about 川村 湊
09 実践知の人々
about 坂本光司、村田紀敏
10 集うことの意味
about 竹中宣雄、林高広、安田秀一、富永由加里、石原正康
11 「自由」を人のかたちにすると
about 金原瑞人
おわりに
with 大江健三郎 「大学」とは何のためにあり、どんな経験を可能にしてくれる場所なのか? これからの世界を切りひらくために必要な「実践知」とは何か? 法政大学という「広場」で得た自由な精神で、困難な時代を生き抜く卒業生たち。田中優子総長が、世代も職種も社会的立場も異なる、各界で活躍する出身者や名物教授たちとの対話から書き下ろした「自由を生き抜くための実践知」論。大学の新しい可能性が見えてくる。
琉球大学法文学部をへて、2010年4月から一橋大学大学院言語社会研究科。
編著に『日本統治期台湾文学集成5 台湾純文学集一』(緑蔭書房、2002年)。
論文に「從一九三○年代之貧困描寫閲読複数的現代性」(陳芳明主編『台湾文学的東亜思考──台湾文学芸術與東亜現代性国際学術研討会論文集』行政院文化建設委員会、2007年)、「「読者大衆」とは誰のことか?」(松浦恆雄・垂水千恵・廖炳惠・黄英哲編『越境するテクスト──東アジア文化・文学の新しい試み』研文出版、2008年)、「「跳舞時代」の時代──台湾文学研究の角度から」(星野幸代・洪郁如・薛化元・黄英哲編『台湾映画表象の現在──可視と不可視のあいだ』あるむ、2011年)など。 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク はしがき
第I部 植民地台湾の「贋」日本人たち
第一章 「植民地は天国だった」のか──沖縄人の台湾体験
第二章 萬華と犯罪──林熊生「指紋」を読む
第三章 司法的同一性と「贋」日本人──林熊生「指紋」を読む・その二
第四章 植民地の混血児──「内台結婚」の政治学
第II部 描かれた「蕃地」と「蕃人」:好奇心と怖れと
第五章 「楽耳王」と蕃地──中山侑のラジオドラマを読む
第六章 「兇蕃」と高砂義勇隊の「あいだ」──河野慶彦「扁柏の蔭」を読む
第III部 海を渡る台湾人
第七章 看護助手、海を渡る──河野慶彦「湯わかし」を読む
第八章 「大陸進出」とはなんだったのか──紺谷淑藻郎「海口印象記」を読む
第IV部 美談と流言
第九章 震災・美談・戦争期世代──「君が代少年」物語を読む
あとがき 敗戦時、軍人を除き30万以上の日本人が台湾で暮らしていた。自分は被植民者より優れた存在だと考える人々はどんな日常生活を送り、それを表現したのだろうか。そもそも「日本人」とは誰のことだろうか。ほとんど無名の「日本人」作家たちの小説やラジオドラマを通じて、帝国日本の集団的な空想の一端を明らかにする。国民を担保するのは「国語」か旅券か血液か。
共著に『バッハ キーワード事典』(春秋社、2012年)、共訳書にハインリヒ・シェンカー『ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第28番 op. 101批判校訂版――分析・演奏・文献』(音楽之友社、2015年)など。 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク はじめに
凡例
序 章 シューベルトの時代
一 二羽の白鳥
二 豊饒な背景
三 突出的瞬間
四 思想的背景
五 突出と内省
第Ⅰ章 共生と孤独
一 さすらい
二 分裂
三 破局の嬰ヘ短調
四 楽園への呪詛
五 天地の隔絶
六 孤独の完成
第Ⅱ章 規範と自由
一 新星
二 「新たな道」
三 自由の諸相
四 異名同音の美的意味
五 規範と自由のはざまで
第Ⅲ章 教化育成の黄昏
一 誘惑
二 境域(エレメント)としての友人
三 リンツ・サークルの美学思想
四 理念の結実、そして解体
五 ショーバーの別離
第Ⅳ章 啓蒙から幻想へ
一 喪失と再生
二 連帯
三 幻想
四 失われたものの現前
五 逃避の美学
第Ⅴ章 憂鬱な詩人と超越の欲望
一 身体の溶解
二 痛みと超越
三 痛みと愛
四 北国の海、南国の花
第Ⅵ章 未来と過去
一 前進と没入
二 喪失と再生
三 ショーバーの花
四 ロマン主義の中のシューベルト
終節 友の楽園
註
あとがき
譜例
参考文献
索引 二つの世紀を越えて燦然とその名を歴史に刻むフランツ・シューベルト。一人の青年が大作曲家へと孵化するには、かけがえのない友と出会い、そして別れなければならなかった―。遺された楽譜、友人との書簡、そして近代化に揺れ動く19世紀ヴィーン。それらが重なるとき、シラー、ゲーテ、ノヴァーリスらが闊歩するロマン主義のただなかに、ドラマは浮かび上がる。気鋭の著者による音楽思想劇!