白永瑞著『共生への道と核心現場』が「沖縄タイムス」(2016年9月10日付/新崎盛暉氏・評)に紹介されました。
2016年 のアーカイブ
ユルゲン・ハーバーマス著/三島憲一、大竹弘二、木前利秋、鈴木直訳『真理と正当化』が、「週刊読書人」(2016年9月9日号/大河内泰樹氏・評)にて紹介されました。
ウナムーノ著/神吉敬三、佐々木孝訳『生の悲劇的感情』が、「産経新聞」(2016年9月4日付/執行草舟氏・評)にて紹介されました。
序論 「誤解された映画の国」アイルランド
コラム⓪ アイルランド鳥瞰図
第一章 ジョン・フォード『静かなる男』
―アイリッシュ・アメリカンの夢、
あるいはハリウッド的予定調和―
コラム① フォードの椅子とIFB本部、
そしてバークの崇高聖地――ゴールウェイ
第二章 ジョン・カーニー『ONCE ダブリンの街角で』
―「映画にならない映画」、
あるいは移民記憶の二重性―
コラム② 『ONCE』ロケ地点描、街の北と南――ダブリン
第三章 ロバート・フラハティ『アラン』
―ドキュメンタリーの捏造、
あるいは「海」の崇高さ―
コラム③ 「ジミー・ザ・ジャップ」、
イニシィアの風となる――アラン島
第四章 ジョン・セイルズ『フィオナの海』
―異界交流、
あるいは「海」と「妖精」の語り―
コラム④ あざらし妖精を求めて――ドネゴール
第五章 映画からアイルランド美学の伝統を考える
―あいるらんど・ケルトの子守歌・装飾写本―
コラム⑤ ハロウィン、「夏と冬/生と死」のあわい
――宇宙と縄文の異界めぐり
むすび 二一世紀を生きぬくための「アイルランド美学」の知恵
四つの「アイルランド映画」詳細情報
あとがき 美しき緑の国アイルランド──ハリウッド映画のロケ地としても名高いこの国には、外見の美しさにとどまらないヨーロッパ文化の古層をなすケルト的感性が、抑圧の歴史とともに今も息づいている。『静かなる男』、『アラン』など四つの映画を題材に、イメージの運動である映画にこそ結晶する独自の感性を読み取り、極西の国に眠る豊饒と希望を描き出す。情熱あふれる語りで堪能する映画とアイルランドの世界!
木下千花著『溝口健二論』が「キネマ旬報」(2016年9月下旬号/北小路隆志氏・評)に紹介されました。
対馬美千子著『ハンナ・アーレント』が、「學鐙」(2016年9月5日号/河谷史夫氏・評)にて紹介されました。
トマス・カスリス著/衣笠正晃訳/高田康成解説『インティマシーあるいはインテグリティー』が、「東洋経済ONLINE」(2016年9月3日付/堀内勉氏・評)にて紹介されました。
『東洋経済』オンライン版
http://toyokeizai.net/articles/print/134251
白永瑞著/趙慶喜監訳/中島隆博解説『共生への道と核心現場』が、「日刊ゲンダイ」(2016年8月24日付/佐々木寛氏・評)にて紹介されました。
ユルゲン・ハーバーマス著/三島 憲一、大竹弘二、木前利秋、鈴木直訳『真理と正当化』が、「出版ニュース」(2016年9月上旬号)にて紹介されました。
二クラス・ルーマン/土方透ほか訳『社会の宗教』が「週刊読書人」(2016年9月2日号/小山裕氏・評)に紹介されました。
権赫泰著/鄭栄桓訳『平和なき「平和主義」』が、「朝鮮新報」(2016年8月31日付)にて紹介されました。
ロバート・ロス著/平田雅博訳『洋服を着る近代』が、「歴史と地理」(2016年8月No.696/角田展子氏・評)にて紹介されました。
東京大学大学院総合文化研究科国際社会科学専攻国際関係論コース博士課程単位取得満期退学。博士(学術)。
現在東京大学大学院総合文化研究科学術研究員、昭和女子大学、東海大学非常勤講師。
主要論文に「防穀賠償交渉(1893年)における日清韓関係」『中国研究月報』第63巻第6号、2009年、「一八八五年の日朝海底電線条約続約締結交渉について」『朝鮮学報』第232輯、2014年など。 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク 序章 問題提起と本書の課題
第一節 問題の所在
第二節 先行研究の検討
第三節 本書の課題と各章の構成
第一章 新たな日朝関係の開幕
はじめに
第一節 釜山草梁倭館の変化
第二節 釜山海関収税事件の顛末
第三節 関税交渉の始まり
おわりに
第二章 日朝関税交渉の展開
はじめに
第一節 第二次修信使の派遣
第二節 花房弁理公使のソウルにおける関税交渉
第三節 第三次修信使の派遣
おわりに
第三章 朝米修好通商条約の締結
はじめに
第一節 対米修交の決定
第二節 国内の反発と秘密外交
第三節 朝清間の戦略の相違
第四節 草案からみる朝清の立ち位置
第五節 朝米条約の調印
おわりに
第四章 日朝通商章程における関税交渉
はじめに
第一節 朝鮮の情勢変化
第二節 一八八三年における朝鮮の対応
第三節 日本の方針と妥結案
おわりに
第五章 日朝海底電線設置条約続約の締結
はじめに
第一節 電線問題の前史
第二節 電線問題の発端
第三節 電線条約続約の交渉
第四節 続約の締結
おわりに
第六章 防穀賠償交渉における日朝戦略
はじめに
第一節 咸鏡道防穀令事件の概略
第二節 経済問題から政治問題へ
第三節 最後通告をめぐる対立と妥協
おわりに
終章 戦略的な事大主義政策の射程
あとがき
参考文献
索引 19世紀後半の朝鮮外交は、宗主国清の言いなりだったと考えられてきた。だが関税や電線の敷設をめぐる日朝交渉に着目すると、逆に清を利用しようとする朝鮮の主体的で自律した姿勢が浮かび上がる。高宗や金弘集、井上馨、李鴻章、袁世凱から欧米の公使にいたるまで、さまざまな思惑が入り乱れた激動の時代の外交史。気鋭の研究者が日朝清のみならず、欧米の文書まで膨大な史料を用いて考察する。
田中拓道編『承認』が、「図書新聞」(2016年9月3日号/神山英紀氏・評)にて紹介されました。
第Ⅰ部 ドイツのエネルギー転換
第1章 エネルギー転換──好機と挑戦
【ペーター・ヘニッケ】
1 はじめに
2 エネルギー転換への長い助走
3 目標体系──コンパスがなければ方向を見失う
4 発電の変動──解決できる挑戦
5 莫大なエネルギー節約のポテンシャル
──「眠れる巨人」を目覚めさせる
6 リバウンド効果
7 展望と戦略的オプション
第2章 ドイツにおける再生可能エネルギーの地域経済効果
【ヨーク・ラウパッハ・スミヤ】
1 はじめに
2 ドイツ・エネルギー転換の推進者としてのコミュニティ
3 バリュー・チェーン・アプローチ
4 結 論
第3章 ドイツの核エネルギー政策
──スリーマイル島,チェルノブイリ,福島に対する反応
【オルトヴィン・レン/クリスティアン・クリーガー】
1 はじめに
2 核政策に関するヨーロッパの文脈
3 ドイツのエネルギーに関する国家的文脈
4 ドイツの核エネルギー政策の発展とインパクト
5 結 論
第4章 ドイツ脱原発──市民参加から発した政策転換
【山本知佳子】
1 脱原発の決断
2 脱原発に至るまでの道筋
3 日本の状況
第5章 専門家討議,市民参加,政治的意思形成
──1979年,ドイツ核エネルギー政策の挫折の始まり
【壽福眞美】
1 安全性は原子力発電に優先する──ヴュルガッセン判決
2 あらゆる危険性を排除すべきである ──ヴィール判決
3 市民の蒙を啓く?──「市民対話:核エネルギー」と2冊の文書
4 「残余の危険性」論の両義性──カルカール決定
5 (再) 処理なくして原発なし──ブロークドルフ判決
6 国際シンポ「ゴアレーベン公聴会」──ドイツ核政策の挫折の始まり
〈特別寄稿〉 緑の党とエネルギー転換
【ジルヴィア・コッティング=ウール】
第Ⅱ部 日本のエネルギー転換
第6章 3・11 Fukushimaと世界・日本のエネルギー事情
【北澤宏一】
1 各国のエネルギー事情
2 福島原発事故の経緯と再稼働のリスク
3 今後の日本のエネルギー政策
福島事故の検証からわかったこと(口頭報告)
第7章 原子力政策をめぐる社会制御の欠陥とその変革
【舩橋晴俊】
はじめに
1 福島原発震災を引き起こした社会的要因連関はなにか 205
2 震災後のエネルギー政策の迷走
3 政策決定過程の分析枠組み
4 日本社会における社会制御の質的変革の可能性
結 び
第8章 日本の市民運動は,原子力発電所を終わらせ
エネルギー政策の転換を実現することができる
──私たちは何をすべきか
【アイリーン・美緒子・スミス】
1 はじめに
2 私たちが直面する具体的課題
3 何が進められているか,まだ何がなされていないか
4 戦略的展望のために
5 結 論
著者紹介 2011年の東日本大震災後、原発から脱却する決断を下したドイツと、最悪の事故に見舞われながらもなお再稼働を強行しようとする日本。持続可能な社会への「エネルギー転換」政策は、どのような政治・社会過程をへて実現できるのか。サステイナビリティ研究所、法政大学社会学部科研費プロジェクト、原子力市民委員会が共催し、ドイツの政策決定に関わった専門家や日本の識者が討論した国際シンポジウムの記録。 ■執筆者
ペーター・ヘニッケ(Peter Hennicke)
1942年生まれ。ヴッパータール気候,環境,エネルギー研究所前所長,ローマクラブなど多数の国際顧問会議の構成員,ドイツ(2014年)とスウェーデン(2015年)の環境賞受賞,国際産業環境経済学研究所(ルンド大学,スウェーデン)客員教授(2014〜2015年)。専門はエネルギー,気候変動,資源効率化政策。200以上の論文,著作がある。最新の著書に,『ドイツのエネルギー転換──効率的で知足の緑のエネルギー経済』(共編,ヴッパータール研究所・国際産業環境経済学研究所,2015年)。
ヨーク・ラウパッハ・スミヤ(Jörg Raupach-Sumiya)
1961年生まれ。1990年に来日。経営コンサルティング会社に入社後,外資系企業の日本法人と日独合弁会社の役員を務め,2013年からは立命館大学経営学部教授。専門は国際経営,国際産業論。世界のエネルギー業界,特に再生可能エネルギー分野について研究。
オルトヴィン・レン(Ortwin Renn)
1951年生まれ。先進サステイナビリティー研究所(ポツダム)サイエンティフィック・ディレクター,シュトゥットガルト大学教授。専門は環境社会学。主な著書に,『リスク・ガバナンス』(アーススキャン,2014年),『リスク社会の再審──社会理論とガバナンス』(共著,テンプル大学出版局,2014年),『放射性廃棄物──処理の技術的・規範的側面』(共著,シュプリンガー,2011年)。
クリスティアン・クリーガー(Kristian Krieger)
ルーヴァン・カトリック大学(ベルギー)政治学研究所研究員。専門はリスク・ガバナンスの国際比較,とくに災害マネージメントのリスクとレジリエンス。主な著書に,「レジリエンスとリスク研究」,バージェス,アレマーノ,ジン『リスク研究ハンドブック』(ラウトレッジ,2016年),「洪水マネージメント形成における近代,科学,リスク」(『ワイヤーズ・ウォーター』第2巻3号)。
山本知佳子(やまもと・ちかこ)
1959年生まれ。国際基督教大学卒。フリージャーナリスト・翻訳家。1980年代後半,西ベルリンで反核・平和運動のインターンシップ中,チェルノブイリ事故を経験。その後,ドイツ・メディアの仕事を中心に行ない,中国,インドを経て,現在日本在住。著書に『ベルリンからの手紙』(八月書館,1989年),『外国人襲撃と統一ドイツ』(岩波書店,1993年)ほか。
ジルヴィア・コッティング=ウール(Sylvia Kotting-Uhl)
1952年生まれ。ドイツ連邦議会議員(2005年〜),同盟90/緑の党・核政策代表,ドイツ・日本議員グループ議長(2014年〜),ドイツ環境・自然保全連盟,ドイツ地球の友,世界自然保護基金,アムネスティ・インターナショナル等の会員。
北澤宏一(きたざわ・こういち)
1943–2014年。東京都市大学前学長。東京大学名誉教授。専門は材料科学,高温超伝導研究。福島原発事故独立検証委員会委員長に就任し,2012年2月『調査・検証報告書』を発表。主な著書に,『科学技術は日本を救うのか』(ディスカヴァー・トゥエンティワン,2010年),『日本は再生可能エネルギー大国になりうるか』(同,2012年)ほか。
アイリーン・美緒子・スミス(Aileen Mioko Smith)
1950年生まれ。1970年,ユージン・スミスのアシスタントとなり,その後結婚。水俣病取材のため3年間現地に滞在。75年アメリカで写真集『MINAMATA』をユージンと出版。80年,日本語版『水俣』(三一書房)を出版。現在は反原発NGO「グリーン・アクション」代表。URL: http://www.greenaction-japan.org/
研究の目的及び背景
先行研究
日本における先行研究
本研究の構成
第一章 湯屋の法規制の変遷──江戸期から明治期を中心に
第一節 明治期以前の湯屋の概要
第二節 男女混浴と裸体に対する欧米人のまなざし
第三節 明治期の湯屋──法規制の整備
第四節 湯屋の管理背景
第五節 湯屋の規制──小括
第二章 清潔にする場としての浴場──衛生的側面の導入
第一節 江戸期の養生書にみる湯屋及び入浴
第二節 明治初期から後期における入浴の関心──江戸期からの連続性
第三節 『大日本私立衛生会雑誌』の創刊
第四節 入浴の衛生上の意義──「入浴好きな日本人」の登場
第五節 家庭衛生における入浴
第六節 病気伝播の媒体としての浴場
第七節 浴場の改良から「公設浴場」へ──小括
第三章 社会事業としての公衆浴場──日本における公設浴場の成立
第一節 海外の「公衆浴場運動」と公設浴場
第二節 日本におけるPublic Bathの移植
第三節 公衆浴場の社会事業的側面──小括
第四章 社会事業行政における公設浴場の位置づけ──大阪市を事例に
第一節 日本の救貧政策
第二節 大阪の社会事業進展の背景
第三節 大阪の公設浴場の設立
第四節 大阪の民間浴場
第五節 都市政策としての公設浴場──小括
第五章 京都における公設浴場の設立
第一節 部落改善運動と共同浴場
第二節 京都市の市域拡張と水道整備
第三節 京都における「部落改善事業」
第四節 京都における公設浴場の設置
第五節 公設浴場の運営と収益
第六節 京都における公設浴場設立の意義──小括
第六章 東京における公設浴場の設立
第一節 公設浴場設立以前の浴場──東京浴場組合と「公益浴場」
第二節 社会事業の進展と公設浴場設立の背景──入浴料をめぐる争い
第三節 東京市の公設浴場──関東大震災と仮設浴場
第四節 東京市の公設浴場における入浴料値下げ問題
第五節 「東京市設浴場」に対する法規制
第六節 東京における公設浴場の位置づけ──小括
終 章
あとがき
参考文献
索 引 江戸時代に庶民の社交場として隆盛をきわめた湯屋は、開港を経て、明治・大正期に行政が主導する保健衛生施設へと変貌を遂げた。都市労働者慰安のための浴場、細民教化のための浴場、被差別部落改善のための浴場、そして震災罹災者救済のための浴場、日本が近代国家に生まれ変わるための都市政策として営まれたさまざまな浴場をつうじてみる衛生と統治権力の関係史。
1889年高等師範学校に入学,理想主義哲学者A.ダルリュ教授の薫陶を受ける。1892年に卒業後,友人とともに翌年『形而上学と道徳評論』を創刊,生涯その運営に携わる。学生時代には第三共和制の三大事件(ブーランジェ事件,パナマ事件,ドレフュス事件)を経験し,金銭スキャンダル,対独復讐心,ユダヤ人差別というフランス社会の病弊と腐敗からの道徳的再生を終生の課題とした。1893年,フランスの主要官僚養成学校である政治学高等専門学校(通称シアンスポ,現パリ政治学院)教授に就任。この学校で40年余にわたってブリテン経済学史と社会主義史を講じた。ソルボンヌは二度にわたってアレヴィを教授として迎えようとしたが,実践哲学を重視する彼は動こうとしなかった。主要著作に,『プラトンの科学理論』(1896年),『哲学的急進主義の成立』(1901–1904年),『トマス・ホジスキン(1787–1869)』(1903年),『ブリテンとその帝国』(1905年),『19世紀イングランド国民の歴史』(1912–1932年)などがある。 1931年愛知県生まれ。1954年名古屋大学経済学部卒業,1959年同大学院博士課程満了。金沢大学,名古屋大学,一橋大学,関東学院大学教授を歴任。経済学史・社会思想史専攻。経済学博士,名古屋大学名誉教授。『イギリス急進主義の研究』(御茶の水書房)ほか著書,編著書,訳書がある。 法政大学出版局 ホウセイダイガクシュッパンキョク 凡 例
監修者の序(モニク・カント‐スペルベール)
英語版への序言(A・D・リンズィ)
哲学的急進主義の成立
序 文
第Ⅰ巻 ベンサムの青年期 一七七六─一七八九年
まえがき
第一章 起源と原理
「ロックとニュートン」/連合の原理と有益性の原理、ゲイ/観念連合の原理、ハートリ、およびヒューム/有益性の原理、ヒューム/利害の融合の原理/利己的命題、利害の自然的一致の原理、および無限進歩の理論/利害の人為的一致の原理/ベンサムの青年期、フランスの影響/エルヴェシウス/ベッカリーア/プリーストリとペイリ/初期の著作の出版に関するベンサムの無頓着/『道徳および立法の原理序説』/誤った原理の批判/快楽と苦痛の計算/快楽と苦痛の分類、動機の分類/ベンサムの目的
第二章 ベンサムの法哲学
ベンサムとブラックストン/民法と刑法
Ⅰ 民 法
義務の観念に先だつ奉仕の観念/契約の擬制/ヒュームの弟子ベンサム/所有権、ロック、プリーストリ、ヒューム、ベンサム、安全原理、平等の利益/精神病理学/実際的解決/ベンサムにおける民法哲学の二つの傾向
Ⅱ 刑 法
理非の観念の批判/法的刑罰の定義/ベッカリーア/技術的〔専門的〕分類と自然的分類/犯罪の分類/刑罰の分類/刑罰の質/刑罰を犯罪に比例させるための規則/感傷主義の批判/結論
Ⅲ 理論と時代
ジュネーヴのデュモン/法典編纂/エルヴェシウスとベンサムの立法者の影響力理論/ベンサムの改革提案に対するイングランド国民の無関心/ペイリの保守主義/刑務所改革/『パノプティコン』/衆人監視、および利害の一致/ベンサム『立法理論』フランス語で出版
第三章 経済理論と政治理論
Ⅰ アダム・スミスとベンサム
アダム・スミスの弟子ベンサム/アダム・スミスにおける利害の自然的一致の原理/分業/アダム・スミスの政治経済学の公理/労働に比例する交換価値/利害の自然的一致の原理が逆の原理を凌駕する傾向のある理由/アダム・スミスとベンサム/ベンサムにおける政治経済学の定義/『高利の擁護』/植民制度の批判/有益性の原理の二形態
Ⅱ 民主主義者たちと最大幸福主義者たち
民主主義的綱領の誕生、アメリカ革命/ロンドンの運動家たち/カートライトと個人的代表の理論/有益性の原理と民主主義の理論家たち、プリーストリ、ペイン/原契約の理論/ヒュームの批判/ベンサムの批判/自然権の理論、および有益性の原理との対立/ヒュームの保守主義/スミスの政治的懐疑/憲法〔統治機関法〕問題に対するベンサムの無関心/『統治論断片』/シェルバーン卿宅におけるベンサム/トーリ党員、ウィグ党員および民主主義者たち/一七八八年の『代表制論』/ベンサムと大陸の改革的専制者たち
注
付録I 『民法と刑法の立法理論』
付録Ⅱ 快楽と苦痛の計算
付録Ⅲ ベンサムと原契約の理論
付録Ⅳ 「代表制論」
文献目録
あとがき(ジャン‐ピエール・デュピュイ)
人名索引(Ⅰ巻) 1900年代初頭にフランスで生まれた本書は、英国社会思想史の金字塔であり、「最大幸福主義」の哲学者ジェレミ・ベンサムを中心に、ヒューム、スミス、マルサス、リカードゥ、ミル父子にいたる近代西欧の政治経済思想を総括した不滅の古典である。いわゆる「功利主義」と訳されてきた思想体系は、経済改革、憲政理論、刑法、道徳哲学などの諸分野にいかなる革新をもたらしたのか? 全3巻の完訳。 ■第Ⅱ巻 最大幸福主義理論の進展 一七八九─一八一五年 目次
まえがき
第一章 政治問題
Ⅰ 有益性の原理 対 人権宣言──バークとベンサム
Ⅱ マキントッシュ、ペインおよびゴドウィン
第二章 経済問題
Ⅰ 保護を求める権利──ウィリアム・ゴドウィン
Ⅱ 人口の原理──ロバート・マルサス
第三章 ベンサム、ジェイムズ・ミルおよびベンサム主義者たち
Ⅰ 急進主義の誕生
Ⅱ アダム・スミスからリカードゥへ
Ⅲ 民衆の教育
Ⅳ ベンサムの声望の高まり
注/文献目録
あとがき エリー・アレヴィと近代民主主義の両義性──急進主義と自由主義(ピエール・ブーレッツ)
人名索引(Ⅱ巻)
■第Ⅲ巻目次 哲学的急進主義 目次
まえがき
第一章 経済社会の自然法則
Ⅰ リカードゥ /Ⅱ ジェイムズ・ミルとマカロク
第二章 司法組織と国家組織
Ⅰ 手続法と司法組織 /Ⅱ 憲 法
第三章 思想の法則と行政の規則
Ⅰ 知 識 /Ⅱ 行 動
終わりにあたって
注/文献目録
あとがき 初期最大幸福主義と経済理論の展開(フィリップ・モンジャン)
付録/資料1 エリー・アレヴィの伝記/資料2 エリー・アレヴィ著作目録
資料3 『哲学的急進主義の成立』をめぐって/資料4 エリー・アレヴィの手紙
資料5 レズリー・スティーヴンとアンリ・ベルグソンの手紙
訳者あとがき(永井義雄)
全巻人名索引
はじめに
第Ⅰ章 ロシア帝国とバルト・ドイツ人(一八世紀初頭―一九世紀初頭)
はじめに
第一節 特権階層としてのバルト・ドイツ人
第二節 エカチェリーナ二世による改革の試み
第三節 一九世紀初頭の情勢(農奴解放とその影響)
小 括
第Ⅱ章 サマーリンによる問題提起とその衝撃
はじめに
第一節 サマーリンの生涯と思想におけるオストゼイ問題の位置づけ
第二節 『リガからの手紙』前史
第三節 暴かれたバルト海沿岸地方の「実態」
第四節 サマーリンとニコライ一世の対話――「帝国」対「ナショナリズム」
小 括
第Ⅲ章 一八六〇年代後半におけるオストゼイ問題の浮上
はじめに
第一節 一八六〇年代前半までのバルト・ドイツ人に対する眼差し
第二節 大改革と第二次ポーランド反乱
第三節 ドイツ統一問題とパン・スラヴ主義イデオロギー
第四節 バルト海沿岸地方をめぐる「出版戦争」
小 括
第Ⅳ章 〈陰謀〉としてのオストゼイ問題――カトコーフとサマーリンによる概念化
はじめに
第一節 カトコーフの「ポーランド人の陰謀」論
第二節 陰謀論の論理と構成
第三節 サマーリンが描いた〈陰謀〉としてのオストゼイ問題
第四節 バルト・ドイツ人の困惑
小 括
第Ⅴ章 「隠蔽」されるオストゼイ問題
はじめに
第一節 『ロシアの辺境』以降の出版戦争
第二節 『ロシアの辺境』発禁の論理
第三節 カール・シレンの『サマーリン氏へのリフラントの返答』
第四節 ロシア政府から見たオストゼイ問題
小 括
結 論――「オストゼイ問題」とは何であったか
あとがき
参考文献 時は十九世紀。一冊の書物をきっかけに帝国ロシアで「出版戦争」と呼ばれる大論争が勃発した。その書物は、帝国内のバルト地方で数世紀にわたって特権的地位を享受してきたドイツ系住民を、帝国への陰謀を企てる「裏切り者」と糾弾する。そこには、包摂を原則とする帝国の論理に抗い、国家内国家を拒絶するロシア・ナショナリズムが胚胎していた。言論が社会に及ぼす力を描き出す、新しいロシア史の挑戦!
有岡利幸著『欅(けやき)』が、「出版ニュース」(2016年8月下旬号)にて紹介されました。