アーレント読本

A5判 / 430ページ / 並製 / 価格 3,520円 (消費税 320円) 
ISBN978-4-588-15109-5 C1010 [2020年07月 刊行]

内容紹介

二十世紀の全体主義の惨禍を、一人のユダヤ人女性として、亡命知識人として生きたハンナ・アーレント。政治的公共性や市民的自由がグローバルな危機に瀕し、民主主義の未来が脅かされる現在、彼女の思考の遺産から私たちは何を学ぶべきなのか? ベテランから若手まで総勢50名の気鋭の執筆者が、主要なテーマ群を最新の視点で掘り下げる決定版の入門書。各著作の解題や略年譜も付す。

著訳者プロフィール

日本アーレント研究会(ニホンアーレントケンキュウカイ)

(Hannah Arendt Research Society of Japan)
2003年に当時一橋大学の大学院生だった阿部里加と小山花子らがハンナ・アーレントについての小さな会を催したのをきっかけに発足。年一回のペースで研究会を開催しつづけたあと、2015年4月に全国各地の若手アーレント研究者らが分野を超えて集うことで、新体制のアーレント研究会を創設。2018年9月に日本アーレント研究会へと改称。会員数約70名のうち一般市民がおよそ3割を占める(2020年7月現在)。
研究会ホームページ https://arendtjapan.wixsite.com/arendt

三浦 隆宏(ミウラ タカヒロ)

1975年生。椙山女学園大学准教授。倫理学。著書:『活動の奇跡──アーレント政治理論と哲学カフェ』(法政大学出版局)、共著:『生きる場からの哲学入門』(新泉社)。

木村 史人(キムラ フミト)

1979年生。立正大学准教授。哲学。著書:『「存在の問い」の行方』(北樹出版)、共著:『哲学 はじめの一歩 働く』(春風社)、共訳書:フィガール『問いと答え』(法政大学出版局)。

渡名喜 庸哲(トナキ ヨウテツ)

1980年生。立教大学准教授。現代哲学・社会思想。著書:『レヴィナスの企て』(勁草書房、近刊)、共訳書:『レヴィナス著作集』全3巻(法政大学出版局)。

百木 漠(モモキ バク)

1982年生。立命館大学専門研究員。思想史。著書:『アーレントのマルクス——労働と全体主義』(人文書院)、共著:『漂泊のアーレント 戦場のヨナス』(慶應義塾大学出版会)。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序 【三浦隆宏】
凡 例
著作略号一覧  

第Ⅰ部 アーレントにおける基本概念

1 愛──その哲学的議論にみる、世界の脱‐構築 【阿部里加】
2 ユダヤ人問題──そしてパレスチナ問題 【小森謙一郎】
3 全体主義──アーレント政治思想の基礎概念 【牧野雅彦】

コラム❶ マルティン・ハイデガー 【木村史人】
コラム❷ カール・ヤスパース 【豊泉清浩】

4 労 働──アーレント思想の下部構造 【百木 漠】
5 制作/仕事──人為的制作物をめぐる思考の現代的意義と限界 【篠原雅武】
6 活動/行為──それは語りなのか 【橋爪大輝】
7 はじまりと出生──自由の原理と、その困難 【森川輝一】
8 公と私──古典古代モデルと現代的意義 【川崎 修】

コラム❸ ハンス・ヨナス 【戸谷洋志】
コラム❹ ギュンター・アンダース 【小林 叶】
コラム❺ ヴァルター・ベンヤミン 【細見和之】

9 革命・権力・暴力──自由と合致する権力、自由のための革命 【石田雅樹】
10 アイヒマン裁判──「悪の凡庸さ」は論駁されたか 【三浦隆宏】
11 真理と嘘──二十世紀の政治を問う 【小山花子】
12 思 考──現われの“reality” 【青木 崇】
13 意 志──留保し、可能性を開く 【木村史人】
14 判 断──政治的なものと歴史的なものの交叉 【宮﨑裕助】
15 世 界──耐久性、共通性、複数性 【森 一郎】

コラム❻ ハインリヒ・ブリュッヒャー 【初見 基】
コラム❼ ニューヨークの知識人たち 【大形 綾】

第Ⅱ部 現代世界におけるアーレント

1 理解と和解──人間の本質を信じること 【対馬美千子】
2 約束と赦し──アウシュヴィッツ以後の時代における政治倫理学 【守中高明】
3 悪と無思慮──アイヒマンは何も思考していないのか 【山田正行】
4 責任・道徳・倫理──アーレント責任論の意義と限界 【渡名喜庸哲】
5 芸術論──不死性のための美学 【齋藤宜之】

コラム❽ 物語り 【矢野久美子】
コラム❾ アーレントとスピノザ 【國分功一郎】

6 自由論──複数性のもとで「動く」自由 【齋藤純一】
7 共和主義──新しさの指標 【森分大輔】
8 法と権利──政治の条件としての人為的制度 【毛利 透】
9 熟議と闘技──活動/行為はどのようなかたちをとるのか 【金 慧】
10 政治学──アーレントと政治理論 【乙部延剛】

コラム❿ デモクラシー 【山本 圭】

11 社会的なもの/社会──その公共性との関係をめぐって 【河合恭平】
12 市民的不服従──新たな政治体の「はじまり」 【間庭大祐】
13 フェミニズム──「攻撃されている事柄」による抵抗 【舟場保之】
14 教育学──過去と未来を架橋する出生 【小玉重夫】
15 科学技術──科学を公共圏に取り戻すことは可能か 【平川秀幸】

コラム⓫ 政 策 【奥井 剛】
コラム⓬ アーレント研究センター 【阿部里加/百木 漠】

第Ⅲ部 各国における受容

1 日 本 【三浦隆宏】
2 英語圏 【蛭田 圭】
3 ドイツ 【シュテファニー・ローゼンミュラー】
4 フランス 【渡名喜庸哲/柿並良佑】

第Ⅳ部 著作解題

アーレント著作マップ
1 『アウグスティヌスの愛の概念』 【和田隆之介】
2 『ラーエル・ファルンハーゲン』 【押山詩緒里】
3 『パーリアとしてのユダヤ人』 【石神真悠子/百木 漠】
4 『全体主義の起原』 【石神真悠子/百木 漠】
5 『人間の条件』/『活動的生』 【青木 崇】
6 『過去と未来の間』 【青木 崇】
7 『革命について』 【田中智輝】
8 『エルサレムのアイヒマン』 【石神真悠子/百木 漠】
9 『暗い時代の人々』 【田中智輝】
10 『暴力について』 【田中智輝】
11 『精神の生活』 【村松 灯】
12 『カント政治哲学講義』 【村松 灯】
13 『政治思想集成』 【小森(井上)達郎】
14 『政治とは何か』 【小森(井上)達郎】
15 『政治の約束』 【和田隆之介】
16 『責任と判断』 【村松 灯】
17 『ユダヤ論集』 【押山詩緒里】
18 『思索日記』 【押山詩緒里】
19 書簡集 【田中直美】
20 手稿類 【田中直美】
21 『批判版全集』 【橋爪大輝

アーレント略年譜 【齋藤宜之】
事項索引
人名索引

■執筆者(掲載順)
阿部里加(あべ・りか) 1973年生。一橋大学社会学研究科博士課程修了。倫理学・思想史。2015〜17年、カール・フォン・オシエツキー大学オルデンブルク哲学研究科Hannah Arendt-Zentrumで客員研究員。

小森謙一郎(こもり・けんいちろう) 武蔵大学准教授。思想史。著書:『アーレント 最後の言葉』(講談社)、『デリダの政治経済学』(御茶の水書房)、訳書:イェルシャルミ『フロイトのモーセ』(岩波書店)。

牧野雅彦(まきの・まさひこ) 1955年生。広島大学教授。政治学・政治思想史。著書:『アレント『革命について』を読む』(法政大学出版局)、『危機の政治学──カール・シュミット入門』(講談社)。

豊泉清浩(とよいずみ・せいこう) 1957年生。文教大学教授。教育哲学・道徳教育学。著書:『ヤスパース教育哲学序説』、『フレーベル教育学研究』、『森田療法に学ぶ』(いずれも川島書店)。

篠原雅武(しのはら・まさたけ) 1975年生。京都大学特定准教授。哲学。著書:『複数性のエコロジー』(以文社)、『人新世の哲学』(人文書院)、訳書:モートン『自然なきエコロジー』(以文社)。

橋爪大輝(はしづめ・たいき) 1989年生。二松学舎大学ほか非常勤講師。哲学・倫理学。論文:「出来事の 〈意味〉 とはなにか」(『倫理学年報』第68集)、共訳書:ホワイト『メタヒストリー』(作品社)。

森川輝一(もりかわ・てるかず) 1971年生。京都大学教員。西洋政治思想史。著書:『〈始まり〉のアーレント──「出生」の思想の誕生』(岩波書店)、共著:『講義 政治思想と文学』(ナカニシヤ出版)。

川崎 修(かわさき・おさむ) 1958年生。立教大学教授。政治学。著書:『ハンナ・アレント』(講談社)、『「政治的なるもの」の行方』(岩波書店)、共編著:『西洋政治思想資料集』(法政大学出版局)。

戸谷洋志(とや・ひろし) 1988年生。大阪大学特任助教。哲学。著書:『ハンス・ヨナスを読む』(堀之内出版)、共著:『漂泊のアーレント 戦場のヨナス』(慶應義塾大学出版会)。

小林 叶(こばやし・かなう) 1993年生。フライブルク大学修士課程修了。文学・哲学。論文:Philo-sophische Anthropologie von Günther Anders(「ギュンター・アンダースの哲学的人間学」、修士論文).

細見和之(ほそみ・かずゆき) 1962年生。京都大学教授。詩人、ドイツ思想。著書:『フランクフルト学派』(中公新書)、『「戦後」の思想』(白水社)、『「投壜通信」の詩人たち』(岩波書店)。

石田雅樹(いしだ・まさき) 1973年生。宮城教育大学准教授。政治学・政治思想史。著書『公共性への冒険』(勁草書房)、論文:「ハンナ・アーレントにおける「政治」と「責任」」(『政治思想研究』17)。

小山花子(こやま・はなこ) 1974年生。盛岡大学准教授。ニュースクール・フォー・ソーシャルリサーチ政治学研究科修了。政治思想・哲学。著書:『観察の政治思想──アーレントと判断力』(東信堂)。

青木 崇(あおき・たかし) 一橋大学社会学研究科博士課程。政治哲学。論文:「政治的なものの諸断片──ハンナ・アレントの公共性論をめぐる解釈とその振幅」(『思想』2019年4月号)。

宮﨑裕助(みやざき・ゆうすけ) 1974年生。新潟大学准教授。哲学。著書:『ジャック・デリダ──死後の生を与える』(岩波書店)、『判断と崇高』(知泉書館)、共訳書:ド・マン『盲目と洞察』(月曜社)。

森 一郎(もり・いちろう) 1962年生。東北大学教授。哲学。著書:『核時代のテクノロジー論』(現代書館)、『ハイデガーと哲学の可能性』(法政大学出版局)、訳書:アーレント『活動的生』(みすず書房)。

初見 基(はつみ・もとい) 1957年生。日本大学教員。ドイツ文学・思想。著書:『ルカーチ──物象化』(講談社)、訳書:シヴェルブシュ『知識人の黄昏』(法政大学出版局)。

大形 綾(おおがた・あや) 京都大学大学院人間・環境学研究科博士課程。社会思想史。共訳書:『アーレント=ショーレム往復書簡集』(岩波書店)。

対馬美千子(つしま・みちこ) 1963年生。筑波大学教授。表象文化論。著書:『ハンナ・アーレント』(法政大学出版局)、The Space of Vacillation(Peter Lang)、共編著:Samuel Beckett and trauma(Manchester UP)。

守中高明(もりなか・たかあき) 1960年生。早稲田大学教授。詩人、フランス文学・思想。著書:『他力の哲学』(河出書房新社)、『ジャック・デリダと精神分析』(岩波書店)、訳書:デリダ『赦すこと』(未來社)。

山田正行(やまだ・まさゆき) 1957年生。東海大学教授。政治理論・政治思想史。共著:『逆光の政治哲学──不正義から問い返す』(法律文化社)、訳書:アーレント『暴力について』(みすず書房)。

齋藤宜之(さいとう・よしゆき) 1978年生。中央大学兼任講師。哲学。論文:「カント実践哲学における「幸福」概念の意義──「最高善」と「同時に義務である目的」」(『社会思想史研究』No. 33)。

矢野久美子(やの・くみこ) 1964年生。フェリス女学院大学教授。ドイツ政治文化論。著書:『ハンナ・アーレント』(中公新書)、訳書:ヤング=ブルーエル『なぜアーレントが重要なのか』(みすず書房)。

國分功一郎(こくぶん・こういちろう) 1974年生。東京大学准教授。哲学。著書:Principles of Deleuzian Philosophy(Edinburgh University Press),『中動態の世界──意志と責任の考古学』(医学書院)。

齋藤純一(さいとう・じゅんいち) 1958年生。早稲田大学教授。政治理論。著書:『公共性』、『政治と複数性』(岩波書店)、『不平等を考える』(ちくま新書)、訳書:ロールズ『政治哲学史講義』(岩波書店)。

森分大輔(もりわけ・だいすけ) 聖学院大学教授。西洋政治思想史。著書:『ハンナ・アーレント──屹立する思考の全容』(ちくま新書)、『ハンナ・アレント研究────〈始まり〉 と社会契約』(風行社)。

毛利 透(もうり・とおる) 1967年生。京都大学教授。憲法学。著書:『民主政の規範理論────憲法パトリオティズムは可能か』(勁草書房)、『表現の自由』、『統治構造の憲法論』(いずれも岩波書店)。

金  慧(きむ・へい) 1980年生。千葉大学准教授。政治哲学。著書:『カントの政治哲学──自律・言論・移行』(勁草書房)、共訳書:ハーバーマス『後期資本主義における正統化の問題』(岩波書店)。

乙部延剛(おとべ・のぶたか) 1976年生。大阪大学准教授。政治学。著書:Stupidity in Politics(Routledge, 近刊)、論文:「エートスの陶冶とは何か?」(『年報政治学』)、共訳書:『プルーラリズム』(岩波書店)。

山本 圭(やまもと・けい) 立命館大学准教授。現代政治理論。著書:『アンタゴニズムス──ポピュリズム〈以後〉の民主主義』(共和国)、『不審者のデモクラシー──ラクラウの政治思想』(岩波書店)。

河合恭平(かわい・きょうへい) 1982年生。大正大学専任講師。社会学。論文:「H・アーレントのアメリカ革命論と黒人差別の認識──始まりの恣意性と暴力に関連させて」(『社会思想史研究』第38号)。

間庭大祐(まにわ・だいすけ) 1983年生。甲南大学他講師。社会思想史。共著:『社会の芸術/芸術という社会』(フィルムアート社)、論文:「公的領域の可謬性と抵抗としての活動」(『唯物論研究年誌』第19号)。

舟場保之(ふなば・やすゆき) 1962年生。大阪大学教授。哲学。共編著:『グローバル化時代の人権のために──哲学的考察』(上智大学出版)、『カントと現代哲学』(晃洋書房)。

小玉重夫(こだま・しげお) 1960年生。東京大学教授。教育学。著書:『難民と市民の間で──ハンナ・アレント『人間の条件』を読み直す』(現代書館)、『教育政治学を拓く』(勁草書房)。

平川秀幸(ひらかわ・ひでゆき) 1964年生。大阪大学教授。著書:『科学は誰のものか──社会の側から問い直す』(日本放送出版協会)、共著:『リスクコミュニケーションの現在』(放送大学教育振興会)。

奥井 剛(おくい・ごう) 1983年生。京都大学特定研究員。政治哲学。論文:「ハンナ・アーレントにおける哲学と政治の緊張関係と共通感覚の含意」(『実践哲学研究』第41号)。

蛭田 圭(ひるた・けい) オーフス大学(デンマーク) 助教。政治思想。編著:Arendt on Freedom, Libe-ration, and Revolution(Palgrave Macmillan), 論文:‘Value Pluralism, Realism and Pessimism’ (Res Publica).

シュテファニー・ローゼンミュラー(Stefanie Rosenmüller) ドルトムント応用科学大学教授。哲学・倫理学。著書:Der Ort des Rechts(Nomos)、共編著:Arendt-Handbuch: Leben – Werk – Wirkung(J. B. Metzler).

柿並良佑(かきなみ・りょうすけ) 1980年生。山形大学専任講師。現代フランス哲学。共著:『政治において正しいとはどういうことか?』(勁草書房)、論文:「哲学の再描」(『思想』2014年12月号)。

和田隆之介(わだ・りゅうのすけ) 1979年生。外務省。政治理論・政治思想史。論文:「アレントの現象論的嘘論──デリダ『嘘の歴史 序説』の読解から」(『思想』2019年6月号)。

押山詩緒里(おしやま・しおり) 1987年生。法政大学大学院博士後期課程。哲学。論文:「アーレントにおける「赦し」と「裁き」──クリステヴァによる解釈を超えて」(『現象学年報』第32号)。

石神真悠子(いしがみ・まゆこ) 東京大学教育学研究科博士課程。教育学。論文「ハンナ・アレントにおける“一人である”ことの多層性──政治的主体化へ向けて」(『研究室紀要』第45号)。

田中智輝(たなか・ともき) 立教大学助教。教育哲学。論文:「教育における「権威」の位置」(『教育学研究』第83巻第4号)、「H. アレントの思想形成過程における教育への問い」(『教育哲学研究』第119号)。

村松 灯(むらまつ・とも) 立教大学教育研究コーディネーター。教育哲学・教育思想。論文:「非政治的思考の政治教育論的含意──H・アレントの後期思考論に着目して」(『教育哲学研究』第107号)。

小森(井上) 達郎(こもり・たつろう) 1980年生。立命館大学研究員。思想史・社会学。論文:「アーレント──全体主義との思想的格闘」(『いま読み直したい思想家9人』所収、梓出版社)。

田中直美(たなか・なおみ) 1987年生。南九州大学講師。教育哲学。論文:「対話的思想における人間形成論的研究」(博士論文)、共訳書:F.ローゼンツヴァイク『新しい思考』(法政大学出版局)。



『アーレント読本』第2刷の修正点
2021年2月に初版の第2刷を製作するにあたり、以下の修正を施したことをお知らせいたします。

■13頁 註15
「impotentia、さらにはベトナム戦争~」→「impotentiaの重視と、ベトナム戦争~」

■136頁下段 左から4行目
「自由選択として意志であり」→「自由選択としての意志であり」

■137頁下段 第2段落2行目
「性格5」→「性格6」

■157頁上段6行目
「根本構造に組み入られた」→「根本構造に組み込まれた」

■200頁下段8行目
「「人間的実存のもっとも一般的な条件」よって」→「「人間的実存のもっとも一般的な条件」によって」

■269頁註(2)、318頁(8)
「村上孝夫」「村上隆生」→「村上隆夫」

■338頁下段
「…出生等アーレントの政治理論に実存的・人間的深みを刻むことになる諸概念…」→「…出生等後のアーレントの政治理論に人間的深みを刻むことになる諸概念…」

■395頁上段 9行目~
「この間、ショーレムやブルーメンフェルト等、多くの友人を失うこととなる」→「この間、少なからぬ知人らと疎遠になる」

■395頁上段 12行目~
「この年には、約四カ月半にわたりヨーロッパ各国を旅行。その後、イスラエルにブルーメンフェルトを訪ねるも面会は叶わず」→「同年には、約四カ月半にわたりヨーロッパ各国を旅行し、この間の何日間かはイスラエルを訪問(註(1))。その数週間後の五月二一日にブルーメンフェルト死去」

「(1) 本書の初版第一刷では「ブルーメンフェルトを訪ねるも面会は叶わず」と記したが、小森謙一郎氏からこの点に関して次の指摘を頂いた。アーレントは一九六四年六月二七日付のピンハス・ローゼン宛て書簡において、この時の面会の様子について記している。詳細は小森謙一郎『アーレント 最後の言葉』の第Ⅲ章を参照のこと。氏のご指摘に感謝申し上げる。」

■395頁下段
「七一年、「思考と道徳の問題」を講義。」→「七一年、ニュースクールでの前年の講演「思考と道徳の問題」を発表。」

書評掲載

「朝日新聞」(2020年8月29日付/情報フォルダー)に紹介されました。

「週刊読書人」(2020年10月16日号/品川哲彦氏・評)に紹介されました。

『図書新聞』2020年11月14日号にて、「いまこそハンナ・アーレントを読むとき──格好の三冊」という特集で紹介されました。

「現代社会学理論研究」(第15号、2021年03月発行/市野川容孝氏・評)に紹介されました。

関連書籍

『活動の奇跡』
三浦 隆宏:著
『ハイデガー読本』
秋富 克哉:編