ものと人間の文化史 120-Ⅰ
捕鯨 Ⅰ

四六判 / 314ページ / 上製 / 価格 3,080円 (消費税 280円) 
ISBN978-4-588-21201-7(4-588-21201-X) C0320 [2004年06月 刊行]

内容紹介

世界の海で展開された鯨と人間との格闘の歴史を振り返り,「大航海時代」の副産物として開始された捕鯨業の誕生以来400年にわたる盛衰の社会的背景をさぐる。

目次

 はじめに――技術の普遍性・文化の多様性・地球の単一性

第一章 人、鯨に出会う
  一 驚異に満ちた生き物
  二 豊かな幸――神からの贈り物
  三 鯨文化の芽ばえ
  四 最後に産業化され、最後まで続けられた狩猟業

第二章 大航海時代と鯨の発見
  一 インドとカタイへの道
  二 北回り航路を開拓せよ
  三 ビスケー湾の捕鯨者バスク人
  四 スピッツベルゲン島の争奪戦
  五 北極圏に出現した”鯨の町”
  六 基地捕鯨から外洋へ

第三章 鎖国と「鯨組」の誕生
  一 東アジアの大航海者たち
  二 「平和」になれば職を失う
  三 鯨を求めて渡り歩く者たち
  四 鯨組の立ちあげ――水軍の新たな活路
  五 近世随一のビッグビジネスの誕生

第四章 網捕り式捕鯨文化の成立
  一 鯨組の全容
  二 「刺子・水主の働き、戦国の人の如し」
  三 儀式・祝祭としての捕鯨
  四 「子持ち鯨」という矛盾物
  五 捕獲の配慮・利用の配慮

第五章 「鯨一頭、七浦潤す」
  一 人・物・技術の大量移動
  二 鯨組の経営
  三 鯨組と藩
  四 捕鯨をめぐる対立
  五 ハイリスク・ハイリターンの蔭で
  六 蝦夷地の捕鯨開拓

 参考文献
 図表出典一覧