叢書・ウニベルシタス 29
欲望の現象学 〈新装版〉
ロマンティークの虚偽とロマネスクの真実

四六判 / 368ページ / 上製 / 価格 4,400円 (消費税 400円) 
ISBN978-4-588-09928-1 C1398 [2010年11月 刊行]

内容紹介

主体・対象・媒体という〈欲望の三角形的構造〉を手がかりに,セルバンテス,スタンダール,プルースト,ドストイェフスキーらの作品を縦横に分析して,欲望の増殖・病いの果てのロマネスク的結末に,死と呪縛からの解放,回心,始まり,創造のダイナミズムを探り当てる。

著訳者プロフィール

R.ジラール(ジラール ルネ)

1923年南フランスのアヴィニョンに生まれる.パリの古文書学院,アメリカのインディアナ大学で学業を修め,同大学をはじめジョンズ・ホプキンズ大学,ニューヨーク州立大学などを経て1981年からスタンフォード大学のフランス語学・文学・文明の教授.独自の模倣理論・三角形的欲望理論・暴力理論をもとに,文学・社会学などの分野で注目すべき評論を行なっている.本書のほか『暴力と聖なるもの』,『ドストエフスキー』,『世の初めから隠されていること』,『このようなことが起こり始めたら…』,『身代りの山羊』,『羨望の炎──シェイクスピアと欲望の劇場』,などが邦訳〔法政大学出版局刊〕されている.

古田 幸男(フルタ ユキオ)

1930年生まれ.東京都立大学大学院仏文学科修士課程修了.法政大学名誉教授.訳書:E.フォール『約束の地を見つめて』,E.モラン『ドイツ零年』『人間と死』『失われた範例』,R.ジラール『暴力と聖なるもの』,S.モスコヴィッシ『群衆の時代』『神々を作る機械』,J.-P.デュピュイ『秩序と無秩序』,マフェゾリ『小集団の時代』『政治的なものの変貌』,カプフェレ『うわさ』〔以上,法政大学出版局刊〕,ほか.

※上記内容は本書刊行時のものです。