叢書・ウニベルシタス 236
煉獄の誕生 〈新装版〉

四六判 / 698ページ / 上製 / 定価:7,000円 + 税 
ISBN978-4-588-09986-1 C1320 [2014年05月 刊行]

内容紹介

死後世界の浄罪の場=煉獄(《第三の場所》)──古代ユダヤ・キリスト教以後幾世紀にもわたるその形成過程を、心性史的観点から、東西古今の厖大な史料・文化を博捜し検証して明確に跡づけ、中世西欧世界における浄罪思想・煉獄信仰の展開と機能を解明する。

著訳者プロフィール

J.ル・ゴフ(ル ゴッフ ジャック)

(Jacques Le Goff)
現代フランスを代表する歴史学者。1924年南フランスのトゥーロンに生まれる。パリの高等師範学校、パリ大学、プラハのカレル大学に学ぶ。アミアンのリセ教授、オックスフォード大学留学、パリの国立科学研究所員などを経て、高等研究学院教授。1969年より『アナール』誌編集責任者を務める。1972年にF. ブローデルの後をうけて高等研究学院第六部門科長となり、1975年にパリ社会科学高等研究学院院長に就任。アナール学派第三世代のリーダー的存在として活躍。2014年4月死去。邦訳された主な著書に、本書『煉獄の誕生』、『中世の高利貸』『歴史と記憶』『ル・ゴフ自伝』(以上、法政大学出版局)、『聖王ルイ』(新評論)、『中世とは何か』『中世の身体』(以上、藤原書店)、『子どもたちに語るヨーロッパ史』(ちくま学芸文庫)などがある。

渡辺 香根夫(ワタナベ カネオ)

1929年生まれ。東京大学文学部仏文学科卒業。金沢大学名誉教授。フランス文学・思想専攻。編著書:『現代フランス語表現辞典』(共編訳、大修館書店)。訳書:ル・ゴッフ『中世の高利貸』、ルイ・マラン『王の肖像』(以上、法政大学出版局)など。

内田 洋(ウチダ ヒロシ)

1943年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科修士課程修了。元金沢大学文学部教授。フランス文学専攻。訳書:F. アルキエ『シュルレアリスムの哲学』(共訳、河出書房新社)など。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

第三の場所

第一部 煉獄以前の死後世界
I 古代の想像的形象
II 煉獄の父たち
III 中世初期──教義上の停滞とヴィジョンの増殖

第二部 一二世紀 煉獄の誕生
IV 浄罪の火
V 浄罪の場所《LOCUS PURGATORIUS》
VI シチリア・アイルランド間の煉獄
VII 煉獄の論理

第三部 煉獄の勝利
VIII スコラ的体系化
IX 社会的勝利──司牧と煉獄
X 詩的勝利──『神曲』

今なぜ煉獄か

補遺
I 煉獄に関する文献
II PURGATORIUM──ある語の歴史
III 初期の画像──図版解説
IV 最近の研究

 原注
 訳注
 訳者あとがき
 索引