技術と時間 3
映画の時間と〈難 ― 存在〉の問題

四六判 / 410ページ / 上製 / 価格 4,400円 (消費税 400円) 
ISBN978-4-588-12074-9 C3010 [2013年03月 刊行]

内容紹介

ハイパー産業化により意識と時間概念が管理されるコントロール社会では、人々は「誰も」個体として存在できず、誰もが〈誰でもない者〉となり、〈生き難さを生きる〉ことしかできない。カントの批判哲学とフッサールの現象学を根源的に問い直し、既存の文化産業批判論を刷新して展開する斬新なメディア批判理論。ポスト構造主義の次世代を担う哲学者の主著シリーズ。待望の最新刊。

著訳者プロフィール

ベルナール・スティグレール(スティグレール,B.)

(Bernard Stiegler)
1952年生まれ。国際哲学コレージュ(Collège international de philosophie)のプログラム・ディレクター、コンピエーニュ工科大学教授を務めたのち、フランス国立図書館、国立視聴覚研究所(INA)副所長、音響・音楽研究所(IRCAM)所長、ポンピドゥー・センター文化開発部長を歴任。現在、リサーチ&イノベーション研究所(IRI)所長。文化資源のIT化国家プロジェクトの中核を担い、技術と人間との関係を根源的に問う、ポスト構造主義以後の代表的哲学者。本書『技術と時間』(現在第3巻まで刊行)はOpus Magnum(主著)とされる。『テレビのエコーグラフィー』(デリダとの共著、NTT出版)、『象徴の貧困1』『愛するということ』『現勢化』『偶有からの哲学』(以上、新評論)など、邦訳書も多数ある。

石田 英敬(イシダ ヒデタカ)

1953年生まれ。東京大学大学院人文科学研究科博士課程中退、パリ第10大学大学院博士課程修了(人文科学博士)。現在、東京大学大学院情報学環・学際情報学府・教授。2009年より2012年まで同学環長・学府長、現在は東京大学附属図書館副館長も務める。2000年から2005年まで国際哲学コレージュのプログラム・ディレクター。著書に『記号の知/メディアの知』(東京大学出版会)、『現代思想の教科書』(ちくま学芸文庫)、『自分と未来のつくり方:情報産業社会を生きる』(岩波ジュニア新書)、『知のデジタル・シフト』(編著、弘文堂)、『フーコー・コレクション』(共編訳、ちくま学芸文庫)などがある。

西 兼志(ニシ ケンジ)

1972年生まれ。東京大学大学院総合文化研究科言語情報科学専攻博士課程単位取得退学、グルノーブル第3大学大学院博士課程修了(情報コミュニケーション学博士)、グルノーブル第2大学大学院博士課程修了(哲学博士)。現在、成蹊大学文学部現代社会学科准教授。著書に『窓あるいは鏡:ネオTV的日常生活批判』(慶應義塾大学出版会、水島久光との共著)、訳書にD. ブーニュー『コミュニケーション学講義:メディオロジーから情報社会へ』(書籍工房早山)、E. オーグ『世界最大デジタル映像アーカイブINA』(白水社)、F. カプラン『ロボットは友だちになれるか:日本人と機械のふしぎな関係』(NTT出版)などがある。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

緒言

序章

第一章 映画の時間

第二章 意識の映画

第三章 〈我〉と〈我々〉─アメリカの取り込みの政治学

第四章 われわれの教育施設の困難

第五章 差異を生み出すこと

第六章 科学技術と複製=再生産

訳者解説

関連書籍

B.スティグレール著/石田英敬監修/西兼志訳『技術と時間 1』『技術を時間 2』