セックス
強度と発生

四六判 / 382ページ / 上製 / 価格 4,180円 (消費税 380円) 
ISBN978-4-588-13032-8 C0010 [2021年10月 刊行]

内容紹介

「もしも知性が線を引こうとするなら、思考はその線を越えて進もうとするだろう。理性が形式を司り、世界の至るところに仕切りを作ろうとするなら、思考は内容に沈潜し、実質の深奥に潜行する」──。法・制度、精神・身体、言語から、食、性、死、そして、生命の進化まで、既知の限界から未知の創出へ、思考を自由に駆動させる大胆不敵でユニークな哲学書の誕生。

著訳者プロフィール

サドッホ(サドッホ)

(Sadoch)

後藤 浩子(ゴトウ ヒロコ)

ダブリン大学トリニティカレッジPh.D.。現在、法政大学経済学部教授。専門は社会思想史。著作に、『〈フェミニン〉の哲学』(青土社、2006年)、「アイルランド共和主義と女性」(鳴子博子編『ジェンダー・暴力・権力──水平関係から水平・垂直関係へ』、晃洋書房、2020年)、「性愛はいかにして可能か──エロスの問いを探究する」(『岩波講座 哲学12:性/愛の哲学』、岩波書店、2009年)、『アイルランドの経験──植民・ナショナリズム・国際統合』(編著、法政大学出版局、2009年)など。

澤野 雅樹(サワノ マサキ)

明治学院大学大学院社会学研究科博士後期課程単位習得満期退学。現在、明治学院大学社会学部教授。専門は社会思想史、犯罪社会学。著作に、『ミルトン・エリクソン──魔法使いの秘密の「ことば」』(法政大学出版局、2019年)、『絶滅の地球誌』(講談社選書メチエ、2016年)、『起死回生の読書!──信じられる未来の規準』(言視舎、2016年)、『ドゥルーズを「活用」する!』(彩流社、2009年)、『不毛論──役に立つことのみじめさ』(青土社、2001年)、『記憶と反復──歴史への問い』(青土社、1998年)、『癩者の生──文明開化の条件としての』(青弓社、1994年)など。

矢作 征男(ヤハギ マサオ)

明治学院大学大学院社会学研究科博士後期課程単位習得満期退学。現在、関東学院大学非常勤講師。専門は、社会思想。著作に、『大物たちの日記を読む──そのとき、あの人は、何をしていたのか?』(編著、彩流社、2006年)など。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序 サドッホ、それは祭壇の贄か、さもなければ中性子星に糞を垂れる夢である

1 内在仮面かく語りき
   一日目 訪問者
   二日目 懊悩の人
   三日目 困却者
   四日目 討議者たちと道化
   五日目 仮面の人

2 言語の流体力学──指令語の射程について
   1 空隙から誰ともしれぬ者の呟きが……
   2 地表を這う波動
   3 シーニュの力学──中島らも曰く、「たとえば言葉というのはひとつの呪いだ」
   4 残酷の演劇と幼生の夢

3 ペニュルティエーム
   1 「少年」
   2 ペニュルティエーム
   3 内在性

4 セックス
 ⅰ 「力」への意志
   1 偶然の肯定への第一歩
   2 系統樹を措定しうる世界
   3 非平衡系の倫理学
   4 発生の場──多細胞化とロバスト性
   5 力の合成──膜とフォールディング
   6 速度の限界域──感染と自己
   7 性──生存と変異の蝶番
 ⅱ 食、性、死
   1 食と生殖の起源
   2 死のプログラムについて
   3 二つの死と内在性ウイルス遺伝子
 ⅲ 構造と倒錯
   1 退化の真実
   2 世界の構造
   3 婚姻──制度に覆われた自然
   4 欲望と倒錯
 ⅳ I am a bird now
   1 アダムの肋骨
   2 ノアの方舟
   3 地の獣、天の鳥

初出一覧

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