叢書・ウニベルシタス 900
カントの航跡のなかで
二十世紀の哲学

四六判 / 438ページ / 上製 / 価格 5,280円 (消費税 480円) 
ISBN978-4-588-00900-6 C1310 [2008年09月 刊行]

内容紹介

20世紀哲学の4つの主要動向──現象学、マルクス主義、プラグマティズム、分析哲学──は、互いに接近と反発を繰り返す激しい運動のなかで一つの同じ問題を共有してきた。それは、カントの批判哲学以後、表象と実践の真理が、歴史のなかでどう捉えられ構築されるのかという問題である。いずれの学派にも通じた現代随一の哲学史家が、カントを軸に現代哲学の新しい見方を切り開く画期的な論考。

著訳者プロフィール

T.ロックモア(ロックモア トム)

1942年生まれ.アメリカの哲学者.デューケイン大学教授.ドイツ観念論,マルクス主義,フランクフルト学派,ハイデガーとナチズムなど広範な領域にわたって研究活動を続ける.フランス市民権を持ち,フランスの哲学事情に詳しい.主な著書に『フィヒテ,マルクス,ドイツの哲学的伝統』(1980),『ヘーゲルの循環的認識論』(1986),『ハイデガー哲学とナチズム』(1992,邦訳:北海道大学図書刊行会),『ハイデガーとフランス哲学』(1995,邦訳:法政大学出版局),『ヘーゲル,観念論,分析哲学』(2005),『カントとアイデアリズム』(2007)ほか.

牧野 英二(マキノ エイジ)

1948年生.法政大学文学部教授(文学博士).日本カント協会会長,日本ディルタイ協会会長.著書に『カント純粋理性批判の研究』(1989,法政大学出版局),『遠近法主義の哲学』(1996,弘文堂),『カントを読む』(2003,岩波書店),『崇高の哲学』(2007,法政大学出版局),編著に『近世ドイツ哲学論考』(1993,法政大学出版局),『ディルタイと現代』(2001,法政大学出版局),『カント哲学案内』(カント全集別巻,2006,岩波書店)ほか.

相原 博(アイハラ ヒロシ)

1975年生.法政大学大学院人文科学研究科博士後期課程.論文に「反省的判断力の原理の新たな意義」,日本カント協会編『日本カント研究5 カントと責任論』(2004,理想社)ほか.

近堂 秀(コンドウ シュウ)

1965年生.法政大学兼任講師,国際医療福祉大学非常勤講師.共著に『自然と人間』(2006,梓出版),論文に「理性批判と人格同一性」,日本倫理学会編『倫理学年報』56(2007)ほか.

齋藤 元紀(サイトウ モトキ)

1968年生.法政大学文学部兼任講師,国士舘大学文学部非常勤講師.論文に「知の生成と動揺──『存在と時間』における学問論」,秋富克哉・関口浩・的場哲朗共編『ハイデッガー『存在と時間』の現在 刊行80周年記念論集』(2007,南窓社)ほか.

松井 賢太郎(マツイ ケンタロウ)

1976年生.法政大学大学院人文科学研究科博士後期課程単位取得退学.論文に「フィヒテにおける啓示批判の帰趨」,日本フィヒテ協会編『フィヒテ研究』第14号(2006,晃洋書房)ほか.

平井 雅人(ヒライ マサト)

1969年生.東京理科大学工学部第一部非常勤講師,明治大学政治経済学部兼任講師.論文に「ドゥルーズ=ガタリと新しいプラグマティクス」『叢書アレテイア8 批判的社会理論の現在』(2007,御茶の水書房)ほか.

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序 論
第一章 二十世紀の哲学の解釈に向けて
第二章 カントとカント以後の論争
第三章 二十世紀のマルクス主義について
第四章 認識論としてのプラグマティズム
第五章 現象学としての大陸哲学
第六章 アングロ=アメリカの分析哲学
第七章 カントと二十世紀の哲学
監訳者あとがき
原注・訳注
事項索引
人名索引