増補改訂版 叢書・ウニベルシタス 1014
観光のまなざし
ISBN978-4-588-01014-9 C1336 [2014年08月 刊行]
ジョン・アーリ(アーリ,J.)
(John Urry)
ケンブリッジ大学で経済学修士、同大学で社会学博士号取得。ランカスター大学勤務。教授、学科長、初代社会科学部長、大学研究所長を務める。王立芸術協会会員、学士院会員、英国社会科学協会会員であり、また、英国国立航空研究所主任研究員などを務めた。現在ランカスターの〈移動の科学研究所〉所長。邦訳のある著書に、『経済・市民社会・国家──資本主義社会の解剖学』(清野正義監訳、法律文化社、1986年)、『観光のまなざし──現代社会におけるレジャーと旅行』(加太宏邦訳、法政大学出版局、1995年)、『場所を消費する』(吉原直樹・大澤善信監訳、法政大学出版局、2003年)、『社会を越える社会学──移動・環境・シチズンシップ』(吉原直樹監訳、法政大学出版局、2006年)、『自動車と移動の社会学──オートモビリティーズ』(M・フェザーストン、N・スリフトとの共著、近森高明訳、法政大学出版局、2010年)、『グローバルな複雑性』(吉原直樹監訳、法政大学出版局、2014年)がある。
ヨーナス・ラースン(ラースン,J.)
(Jonas Larsen)
ロスキレ大学(デンマーク)の地理学担当講師。専門分野は移動の科学、観光旅行とメディア。観光旅行、地理学と移動性の研究誌での論文多数。共著に、Performing Tourist Places (Ashgate, 2004), Mobilities, Networks, Geographies (Ashgate, 2006), Tourism, Performance and the Everyday: Consuming the Orient (Routledge, 2010)などがある。
加太 宏邦(カブト ヒロクニ)
大阪外国語大学(現・大阪大学)外国学部大学院、ジュネーヴ大学、ローザンヌ大学で学ぶ。法政大学名誉教授。専門は文化表象論、観光文化論、スイス文化論。主な仕事に『スイスの旅』(昭文社、1987年)、『荷風のリヨン』(白水社、2005年)、翻訳にアーリ『観光のまなざし』(法政大学出版局、1995年)、テプフェル『アルプス徒歩旅行』(図書出版社、1993年)など。論文に「日本の観光プラティクと余暇問題」(法政大学比較経済研究所・村串仁三郎・安江孝司編『レジャーと現代社会』法政大学出版局、1999年)、「観光的なもてなしを考える」(『観光文化』149号、日本交通公社、2001年)、「観光概念の再構成」(『社会志林』Vol. 54.4、法政大学社会学会、2008年)、「観光学への新たなまなざし」(『経済Trend』2009年1月号、経団連)など。
※上記内容は本書刊行時のものです。まえがき(第二版)
まえがき(第三版)〔増補改訂版〕
第一章 観光理論
観光の意義/理論的アプローチ/移動する世界
第二章 大衆観光
はじめに/英国の海浜リゾートの発展/〈ブラッドフォード用海浜〉・海岸・海浜別荘/むすび
第三章 経済
はじめに/フォーディズムと脱フォーディズム/グローバル化/社会関係/戦略としての観光
第四章 労働とまなざし
はじめに/サーヴィスを演ずる/飲食提供と顧客/弾力性と流動性/むすび
第五章 観光文化の変容
はじめに/モダンとポストモダン/表象としての観光/むすび
第六章 場と建造物とデザイン
場/まなざしのためにデザインする/テーマ空間/遺産/新しい美術・博物館/むすび
第七章 見ることと写真
はじめに/視覚性の歴史/永続希求と写真のはじまり/コダック化/商業写真の魅惑/写真と観光のまなざし/デジタル化とインターネット化/むすび
第八章 パフォーマンス
はじめに/〈パフォーマンス転回〉/身体化したまなざし/社会関係とまなざし/まなざしと場所/観光写真を演ずる/むすび
第九章 リスクと未来
はじめに/リスクと危険/場所と競争関係/石油/気候変動/未来/ドバイ首長国
訳者あとがき
参考文献
索引