叢書・ウニベルシタス 1142
名誉の起源 他三篇

四六判 / 428ページ / 上製 / 価格 5,280円 (消費税 480円) 
ISBN978-4-588-01142-9 C1310 [2022年04月 刊行]

内容紹介

主著『蜂の寓話』『続・蜂の寓話』の続篇として執筆されたキリスト教批判の書『名誉の起源』、伝統的道徳観の欺瞞と公衆衛生を論じる『公衆売春宿の穏健な擁護論』、監獄制度と犯罪抑止政策への提言『タイバーンにおける頻繁な処刑の原因に関する論究』、バークリによる批判に対する反批判『ダイオンへの手紙』の四篇を初邦訳。経済思想の枠組みに収まらないマンデヴィルの多彩で先鋭的な著作を集める。

著訳者プロフィール

バーナード・マンデヴィル(マンデヴィル バーナード)

(Bernard Mandeville)
1670年オランダ生まれ。ライデン大学に入学し、1691年に医学の学位を取得。その後、英国ロンドンに渡り、英国人女性と結婚。開業医をしながら文筆活動にいそしみ、『蜂の寓話』で一躍その名を広く知られるようになった。1733年没。日本語訳に『蜂の寓話』『続・蜂の寓話』(泉谷治訳、法政大学出版局、新装版2015年)などがある。

壽里 竜(スサト リュウ)

慶應義塾大学大学院経済学研究科博士課程単位取得退学。博士(経済学)。関西大学経済学部教授を経て、現在、慶應義塾大学経済学部教授。専門は18世紀の英仏を中心とした社会思想史。著書にHume’s Sceptical Enlightenment (Edinburgh University Press, 2015)、共著に『ヒューム読本』(中才敏郎編、法政大学出版局、新装版2011年)ほか。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

名誉の起源に関する論究、および戦時におけるキリスト教の有用性

公衆売春宿の穏健な擁護論、あるいは我が諸王国で現在おこなわれている婚外性交に関する試論

タイバーンにおける頻繁な処刑の原因に関する論究、および監獄内にいる重罪人に関する規則とそこから期待されるよい効果 以上に加え、流刑とその処罰をより効果的にする方法についての論説
 序
 第一章 窃盗賠償、あるいは重罪宥恕という罪
 第二章 窃盗賠償の悪影響、およびニューゲート監獄における重罪人の放縦ぶり
 第三章 処刑日とタイバーンへの道のり、および解剖の利益に関する寸評
 第四章 死にゆく犯罪者の行動に対して下される誤った判断について
 第五章 監獄にいる重罪人に関する規制、およびその規則から期待されるよい影響
 第六章 流刑について、およびこの刑罰をより効果的にする方法について

ダイオンへの手紙 『アルシフロン、あるいは取るに足らない哲学者』と呼ばれる彼の本をきっかけとして書かれた

訳者あとがき

書評掲載

「経済史研究」(第27号、2024年01月31日発行/篠原久氏・評)に紹介されました。

関連書籍

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