叢書・ウニベルシタス 1199
ズボンの政治史
ISBN978-4-588-01199-3 C1330 [2026年03月 刊行]
クリスティーヌ・バール(バール クリスティーヌ)
クリスティーヌ・バール(Christine Bard)
アンジェ大学教授。歴史学者。著書に、Les Filles de Marianne. Histoire des féminismes, 1914–1940(Fayard, 1995)、Les femmes dans la société française au 20e siècle(Armand Colin, 2003)、Ce que soulève la jupe(Autrement, 2010)など多数。『ズボンの政治史』(Seuil, 2010 / Points, 2014)は、女性のズボン着用を禁じる1800年のパリの警察条例を廃止させる契機となったことでも知られる。「パリジェンヌ!──女性解放のための闘い1789–2000」展を主宰(2022年〜2023年)、フェミニズム博物館設立企画を推進(2022年〜)、日本の国際女性デー記念シンポジウムで基調講演を行う(2023年)など、現代フェミニズム史学の刷新に中心的な役割を果たし、国内外で高く評価されている。
吉川 佳英子(ヨシカワ カエコ)
吉川 佳英子(ヨシカワ カエコ)
愛知工業大学教授。文学博士(パリ第3大学)。専門は現代フランス文学、フェミニズム文学、ジェンダー理論など。著書に『「失われた時を求めて」と女性たち──サロン・芸術・セクシュアリティ』(彩流社、2016年)、共著に『CORRESPONDANCES──北村卓教授・岩根久教授・和田章男教授退職記念論文集』(朝日出版社、2020年)、『セクシュアリティ』(水声社、2012年)。解説担当に、コレット『シェリ』(光文社古典新訳文庫、2019年)。日本フランス語フランス文学会等に所属、日本ペンクラブ会員。[担当:第9章、第10章、結論]
村田 京子(ムラタ キョウコ)
村田 京子(ムラタ キョウコ)
大阪府立大学名誉教授。文学博士(パリ第7大学)。著書に『娼婦の肖像──ロマン主義的クルチザンヌの系譜』(2006年)、『女がペンを執る時──19世紀フランス・女性職業作家の誕生』(2011年、以上、新評論)、『イメージで読み解くフランス文学──近代小説とジェンダー』(2019年)、『モードで読み解くフランス文学』(2023年、以上、水声社)など。[担当:第1章、第2章]
新實 五穂(ニイミ イホ)
新實 五穂(ニイミ イホ)
お茶の水女子大学准教授。博士(人文科学)。専門は西洋服飾論。著書に『社会表象としての服飾──近代フランスにおける異性装の研究』(東信堂、2010年)、共著に『フランス・モード史への招待』(悠書館、2016年)、編著に『歴史のなかの異性装』(勉誠出版、2017年)など。[担当:序論、第3章、第4章]
西尾 治子(ニシオ ハルコ)
西尾 治子(ニシオ ハルコ)
Aix-en-Provence大学博士課程・文学修士。前慶應義塾大学兼任講師。共著に『200年目のジョルジュ・サンド──解釈の最先端と受容史』(新評論、2012年)、『19世紀フランス文学事典』(慶應義塾大学出版会、2001年)、Dictionnaire George Sand (Honoré Champion, 2015)、 Provocation en littérature (Le Manuscrit, 2009)など。共訳に『フランスを目覚めさせた女性たち』(パド・ウィメンズ・オフィス、2015年)。日仏女性研究学会代表、日本ペンクラブ会員。[担当:日本語版への序文、第5章、第6章]
丹羽 晶子(ニワ アキコ)
丹羽 晶子(ニワ アキコ)
愛知県立大学外国語学部ヨーロッパ学科フランス語圏専攻卒業。お茶の水女子大学大学院人間文化創成科学研究科博士後期課程(表象芸術論領域)修了。博士(人文科学)。専門は舞踊史。とくに19世紀フランスにおける女性ダンサー表象に関する歴史的研究。[担当:第11章、第12章、追記]
渡辺 采香(ワタナベ アヤカ)
渡辺 采香(ワタナベ アヤカ)
お茶の水女子大学大学院博士前期課程修了、同大学院博士後期課程在学。19世紀フランス文学を専門とし、オリエント旅行記における女性ダンサー表象を研究。[担当:第7章、第8章]
序論
ズボンの起源
「男性の大いなる放棄」
性の混同に対する恐怖
女性がズボンを穿く権利
物質文化の政治史
第1章 サン゠キュロットのズボン
啓蒙主義のフランスにおける服装の政治化
市民のズボン
服装の自由と外見政策
キュロットまたはズボン? テルミドールから第一帝政まで
第2章 実現不可能な女性市民
軽薄な女、あるいはモードの差異主義的な罠
革命期のアマゾン族
「美の貴族制を放棄する」?
軍服を着た女性たち
「三色帽章の戦い」
服装に関する曖昧な結末
第3章 男装の禁止(1800年)
革命暦九年ブリュメール十六日の警察条例
男性による異性装
祝祭での特例
異性装の許可証
髭の生えた女たちのズボン
警察の記録文書の欠落
第4章 ズボンのユートピア
新たな服装規範とモード
女性サン゠シモン主義者のあり得ないズボン
ズボンのないイカリア
アメリカのユートピア
ブルーマーリズムとフリーダム・ドレス
第5章 ブルーストッキング、ヴェズュヴィエンヌ、ヴィラゴの女たち
その起源にはキュロットをめぐる争いが……
そしてカーニバルという実践
ヴェズュヴィエンヌの神話化という欺瞞
女性クラブに対する弾圧
ドーミエあるいはコティヨンに侮辱されたズボン
女性戦闘員のズボン
女性たちのクーデター
第6章 自由という体験
ジョルジュ・サンド
ローザ・ボヌール
許されたズボン、その先の女たち
ズボンを正当化しうるもの
コレットと侯爵夫人──多彩な快楽
第7章 ベル・エポックの服装改革
フェミニズムのためのサイクリング・マニア
キュロットは合法か?
下着としてのズボン
仕事着としてのズボン
「新しい女」への糾弾
改革者ポワレ
第8章 「私のスーツは男に告げている。君とは平等だ、と」
衣服の男性化についての論争
マドレーヌ・ペルティエ、唯一無二のフェミニスト
政策としての女性の男性化
パリアの運命
「そうなれば、女性同性愛者だと非難されるでしょう」
男性的抗議
第9章 女性チャンピオンのズボン ヴィオレット・モリス
ズボン普及の仲介役としてのスポーツ
「ラ・モリス」、比類なき女性スター
法廷を前にしたズボンの権利
男性化の回避
判決とその帰結
第10章 ズボンの、抵抗し得る普及(1914年~1960年)
男性化をもたらす戦争?
ギャルソンヌの狂乱の時代
例外のままのズボン
女性のズボンの敵
ズボンのまぎれもない躍進
第11章 女性用ズボンの公認
オートクチュール、ズボンへの挑戦の時
六〇年代のモード
ユニセックスの隆盛
ネオフェミニズムと外見
文化大革命におけるユニセックス
第12章 「禁止することは禁じられている」
警察はどうするのか?
服装の自由の制限
法律で定められていること
数字でみるズボン
五月革命(一九六八年)以降の普段着としてのズボン
「就業女性たち」のズボン
女性政治家のズボン
ズボンを穿かない権利
結論
装飾、羞恥心、保護
自由、平等、友愛
追記 ズボン禁止条例廃止の要求──奇抜なものから象徴的なものへ
相次ぐ条例廃止の要求
これらの要求に対する反応
法的次元での解釈
象徴の力の見極め
訳者あとがき
原註
人名索引




