叢書・ウニベルシタス 440
所有の歴史 〈新装版〉
本義にも転義にも

四六判 / 578ページ / 上製 / 価格 6,820円 (消費税 620円) 
ISBN978-4-588-09988-5 C1338 [2014年05月 刊行]

内容紹介

人間の固有性の喪失と死への恐怖という視座から人類社会の秩序の時空をあまねく渉猟・剔抉・解読し、女性・土地・貨幣という多産財が秩序のコードとして諸社会を基礎づけてきた歴史を博覧強記の考証で暴きつつ、ポスト資本主義の展望を探る。

著訳者プロフィール

J.アタリ(アタリ ジャック)

(Jacques Attali)
1943年アルジェに生まれる。パリ理工科学校卒業後、パリ政治学院、鉱山大学校、国立行政学院を修了。その後国務院審議官を務めるかたわらパリ理工科学校、パリ第九大学で理論経済学を講義。フランス社会党第一書記の経済顧問に就き、81年のミッテラン政権成立以降は大統領の特別補佐官として社会党政権の経済政策策定に携る。91年には欧州復興開発銀行の初代総裁となるなど、政財界の第一線で活躍する一方、経済学の枠を超えて精神分析、記号学、文化人類学、情報理論、社会学等の学際的諸学を駆使した独自の社会理論・歴史理論・文明論の書を著して思想界に刺激的な問題提起を行なっている。本書のほか、『アンチ・エコノミクス』(共著、法政大学出版局)、『時間の歴史』(原書房)、『21世紀の歴史』『国家債務危機』(以上、作品社)、『カニバリスムの秩序』『ノイズ』(以上、みすず書房)など多数の邦訳書がある。

山内 昶(ヤマウチ ヒサシ)

1929年生まれる。京都大学仏文科、同大学院(旧制)修了後、パリ大学高等研究院に留学。大手前大学教授、甲南大学名誉教を歴任し、2006年9月死去。著書:『食具』(ものと人間の文化史)、『食の歴史人類学』、『経済人類学への招待』、『タブーの謎を解く』ほか。訳書:サーリンズ『石器時代の経済学』『人類学と文化記号論』、ゴドリエ『人類学の地平と針路』『観念と物質』『贈与の謎』、トマス『人間と自然界』、シムーンズ『肉食タブーの世界史』(監訳)、ほか。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

序論

第一章 生命のモノ

第二章 モノの力

第三章 自己のために持つこと

第四章 人間の固有性

 謝辞
 訳記
 人名索引
 事項索引
 書誌注

書評掲載

「日経産業新聞」(2014年12月12日付/水野和夫氏・評)に紹介されました。