動物学の立場からその特異な生態を描き出すとともに,和漢洋の文献資料を駆使して故事・習俗・神事・民話・文芸・美術工芸にわたる蛙の多彩な活躍ぶりを活写する。
第一章 動物としての蛙
一 尾のない両生類
1 陸上への移行過程の動物
2 水中生活と陸上生活
3 生活の効率
4 水とのかかわり
5 産卵・幼生・変態
6 カエルの運動
7 有尾類・無尾類
二 カエルの種類
1 ヒキガエル亜目
2 アカガエル亜目
3 世界の珍しいカエル
三 蛙をさす諸語――古文献を主として
1 『和名抄』では
2 タニグク
3 タニグクの語源
4 ヒ キ
5 ガ マ
6 カエル・カハヅ・カジカ
7 魚のカジカ
8 カヘル――帰巣性か鳴き声か
四 蛙類を表わす漢字
五 カエルと帰る・返る
第二章 蛙の生活に関して
一 蛙のからだつき
1 手をついて歌申し上ぐる蛙
2 蟇股
3 カヘルデ
4 蛙の尾
5 オオバコと蛙
6 蛙の体の色
7 京の蛙、大阪の蛙――蛙の目
8 蛙の目借り時
二 水溜りと蛙
1 蛙飛び込む水の音
2 蛙と水
3 蓮の葉と蛙
4 蛙と雨
5 雨乞いと蛙
三 蛙の跳躍と遊泳
1 蛙の跳躍
2 蛙の幅跳び
3 小野道風と蛙
4 蛙の遊泳
5 蛙泳ぎ
第三書 蛙と鳴き声
一 蛙の鳴き声
1 蛙といえば鳴き声
2 季節や時刻と鳴き声
3 蛙の発声と聴覚
4 蛙の種類と鳴き声
二 河鹿
1 カジカの鳴く季節・時刻
2 カジカの美声と飼育
3 河童の名所
4 井出の蛙
三 うとましい蛙の声
1 蛙鳴蟬噪
2 冴えない墓の声
3 鹿笛と墓の皮
4 「怪物」の唸り声
四 蛙の鳴き声の表現
1 諸言語での表現
2 歌謡・童謡・民謡と蛙の鳴き声
3 草野心平『定本蛙』と鳴き声
4 鳴き声の「意味」
5 蛙鳴き譚
第四章 食いかつ食われる
一 蛙と餌
1 蟾蜍は気をもって物を惹く
2 蛙の餌のとり方
3 蛙の餌の種類
4 蛙、蛇を食う
5 蛙と害虫駆除
6 蝦蟇と鹿の角など
二 蛙の外敵
1 蛇と蛙
2 蛇と蛙の説信
3 三すくみ
4 蛇の好物蛙に関する俗信
5 もずのはやにえ
6 釣餌としての蛙
第五章 蛙――薬用・食用として
一 ガマの油
1 ガマの油のいわれ
2 四六のガマと油汗
3 話芸としての売り口上
4 ガマの妖異とガマの油
二 蟾酥――ヒキノアブラ
1 イボガエルと癩蛤蟆
2 蟾蜍の皮膚分泌液の性質
3 蟾酥――製法と効能
4 六神丸
5 矢毒蛙の皮膚毒
三 薬用としての蛙
四 食用としての蛙
1 日本での蛙食
2 食用蛙とその導入
3 食用蛙導入のいきさつ
4 食用蛙と世間の反響
5 蛙料理
6 中国の蛙食
7 田
8 フランスの蛙料理
第六章 繁殖と産卵
一 蛙の冬眠と繁殖期
1 体温低下と冬眠
2 蝦蟇の行列
3 蝦蟇の大発生
二 蛙合戦
1 痩蛙まけるな
2 蛙合戦の情景
3 蛙の相撲とかわずがけ
4 蛙の抱接
三 蛙の産卵
1 カエルの卵
2 モリアオガエルの卵
3 コモリガエル
四 オタマジャクシ
1 おたまじゃくしは蛙の子
2 オタマジャクシの体と変態
3 オタマジャクシの呼び名
4 蝌蚪文と音符
5 オタマジャクシと多産
6 オタマジャクシの効用
第七章 蛙と故事・神事
一 蛙と故事・諺
1 月と蛙
2 三本足の蛙
3 蝦蟇仙人
4 陀羅尼助本舗の三本足の蛙
5 井の中の蛙
二 蛙と神事
1 蛙――田の神の使者
2 諏訪大社の蛙狩の神事
3 国栖奏と蛙の供物
4 吉野蔵王堂の蛙飛びの行事
5 二見輿玉神社の蛙奉献
6 竜ケ崎の橦舞
7 筑波山のガマ祭り
第八章 がまの妖異と妖術
一 がまの妖異・霊性
1 がまの妖異
2 五 毒
3 魂の姿はひきがえる
4 蟇 目
二 人の姿をとった蛙
1 金蛙と高句麗の始祖
2 蛙の哥よむこと
3 老人の姿をした蟇
三 蝦蟇と妖術
1 ヒキガエル石
2 魔女とヒキガエル
3 錬金術とヒキガエル
4 毒キノコとヒキガエル
5 聖書「蛙の襲撃」
第九章 蛙と民謡・文芸
一 蛙と和歌・俳句
1 文芸における蛙の処遇
2 西欧人の見た蛙の和歌・俳句
二 蛙と民謡
1 蛙報恩譚
2 蛙婚姻譚(一)――蛙女房
3 蛙婚姻譚(二)――蟾息子など
三 蛙と文芸(西欧)
1 イソップ物語と蛙
2 アリストパネース『蛙』
3 ルナール『博物誌』の蛙
四 蛙と文芸(近代日本)
1 森鷗外『蛙』
2 島木健作「赤蛙」
3 木下順二「蛙昇天」
4 井上ひさし『表裏源内蛙合戦』、臼井吉見『蛙のうた』など
五 蛙と近代詩
1 森鷗外「蛙」
2 草野心平詩集『定本蛙』その他
第十章 蛙の絵画と造形物
一 蛙の絵画
1 銅鐸の蛙の絵
2 「鳥獣戯画」
3 蛙を題材とした絵画
二 蛙の造形物
第十一章 蛙と科学
一 科学史の挿話
1 竜と蛙の地震計
2 蛙の足と動物電気
3 獲得形質の遺伝と蛙・山椒魚
二 両生類と生物学
1 理科教材としての蛙
2 蛙と生物学研究
3 両生類関係の研究施設など
主要参考文献
あとがき
索 引
一 尾のない両生類
1 陸上への移行過程の動物
2 水中生活と陸上生活
3 生活の効率
4 水とのかかわり
5 産卵・幼生・変態
6 カエルの運動
7 有尾類・無尾類
二 カエルの種類
1 ヒキガエル亜目
2 アカガエル亜目
3 世界の珍しいカエル
三 蛙をさす諸語――古文献を主として
1 『和名抄』では
2 タニグク
3 タニグクの語源
4 ヒ キ
5 ガ マ
6 カエル・カハヅ・カジカ
7 魚のカジカ
8 カヘル――帰巣性か鳴き声か
四 蛙類を表わす漢字
五 カエルと帰る・返る
第二章 蛙の生活に関して
一 蛙のからだつき
1 手をついて歌申し上ぐる蛙
2 蟇股
3 カヘルデ
4 蛙の尾
5 オオバコと蛙
6 蛙の体の色
7 京の蛙、大阪の蛙――蛙の目
8 蛙の目借り時
二 水溜りと蛙
1 蛙飛び込む水の音
2 蛙と水
3 蓮の葉と蛙
4 蛙と雨
5 雨乞いと蛙
三 蛙の跳躍と遊泳
1 蛙の跳躍
2 蛙の幅跳び
3 小野道風と蛙
4 蛙の遊泳
5 蛙泳ぎ
第三書 蛙と鳴き声
一 蛙の鳴き声
1 蛙といえば鳴き声
2 季節や時刻と鳴き声
3 蛙の発声と聴覚
4 蛙の種類と鳴き声
二 河鹿
1 カジカの鳴く季節・時刻
2 カジカの美声と飼育
3 河童の名所
4 井出の蛙
三 うとましい蛙の声
1 蛙鳴蟬噪
2 冴えない墓の声
3 鹿笛と墓の皮
4 「怪物」の唸り声
四 蛙の鳴き声の表現
1 諸言語での表現
2 歌謡・童謡・民謡と蛙の鳴き声
3 草野心平『定本蛙』と鳴き声
4 鳴き声の「意味」
5 蛙鳴き譚
第四章 食いかつ食われる
一 蛙と餌
1 蟾蜍は気をもって物を惹く
2 蛙の餌のとり方
3 蛙の餌の種類
4 蛙、蛇を食う
5 蛙と害虫駆除
6 蝦蟇と鹿の角など
二 蛙の外敵
1 蛇と蛙
2 蛇と蛙の説信
3 三すくみ
4 蛇の好物蛙に関する俗信
5 もずのはやにえ
6 釣餌としての蛙
第五章 蛙――薬用・食用として
一 ガマの油
1 ガマの油のいわれ
2 四六のガマと油汗
3 話芸としての売り口上
4 ガマの妖異とガマの油
二 蟾酥――ヒキノアブラ
1 イボガエルと癩蛤蟆
2 蟾蜍の皮膚分泌液の性質
3 蟾酥――製法と効能
4 六神丸
5 矢毒蛙の皮膚毒
三 薬用としての蛙
四 食用としての蛙
1 日本での蛙食
2 食用蛙とその導入
3 食用蛙導入のいきさつ
4 食用蛙と世間の反響
5 蛙料理
6 中国の蛙食
7 田
8 フランスの蛙料理
第六章 繁殖と産卵
一 蛙の冬眠と繁殖期
1 体温低下と冬眠
2 蝦蟇の行列
3 蝦蟇の大発生
二 蛙合戦
1 痩蛙まけるな
2 蛙合戦の情景
3 蛙の相撲とかわずがけ
4 蛙の抱接
三 蛙の産卵
1 カエルの卵
2 モリアオガエルの卵
3 コモリガエル
四 オタマジャクシ
1 おたまじゃくしは蛙の子
2 オタマジャクシの体と変態
3 オタマジャクシの呼び名
4 蝌蚪文と音符
5 オタマジャクシと多産
6 オタマジャクシの効用
第七章 蛙と故事・神事
一 蛙と故事・諺
1 月と蛙
2 三本足の蛙
3 蝦蟇仙人
4 陀羅尼助本舗の三本足の蛙
5 井の中の蛙
二 蛙と神事
1 蛙――田の神の使者
2 諏訪大社の蛙狩の神事
3 国栖奏と蛙の供物
4 吉野蔵王堂の蛙飛びの行事
5 二見輿玉神社の蛙奉献
6 竜ケ崎の橦舞
7 筑波山のガマ祭り
第八章 がまの妖異と妖術
一 がまの妖異・霊性
1 がまの妖異
2 五 毒
3 魂の姿はひきがえる
4 蟇 目
二 人の姿をとった蛙
1 金蛙と高句麗の始祖
2 蛙の哥よむこと
3 老人の姿をした蟇
三 蝦蟇と妖術
1 ヒキガエル石
2 魔女とヒキガエル
3 錬金術とヒキガエル
4 毒キノコとヒキガエル
5 聖書「蛙の襲撃」
第九章 蛙と民謡・文芸
一 蛙と和歌・俳句
1 文芸における蛙の処遇
2 西欧人の見た蛙の和歌・俳句
二 蛙と民謡
1 蛙報恩譚
2 蛙婚姻譚(一)――蛙女房
3 蛙婚姻譚(二)――蟾息子など
三 蛙と文芸(西欧)
1 イソップ物語と蛙
2 アリストパネース『蛙』
3 ルナール『博物誌』の蛙
四 蛙と文芸(近代日本)
1 森鷗外『蛙』
2 島木健作「赤蛙」
3 木下順二「蛙昇天」
4 井上ひさし『表裏源内蛙合戦』、臼井吉見『蛙のうた』など
五 蛙と近代詩
1 森鷗外「蛙」
2 草野心平詩集『定本蛙』その他
第十章 蛙の絵画と造形物
一 蛙の絵画
1 銅鐸の蛙の絵
2 「鳥獣戯画」
3 蛙を題材とした絵画
二 蛙の造形物
第十一章 蛙と科学
一 科学史の挿話
1 竜と蛙の地震計
2 蛙の足と動物電気
3 獲得形質の遺伝と蛙・山椒魚
二 両生類と生物学
1 理科教材としての蛙
2 蛙と生物学研究
3 両生類関係の研究施設など
主要参考文献
あとがき
索 引



