征服の父 メフメト二世記

A5判 / 508ページ / 上製 / 価格 7,700円 (消費税 700円) 
ISBN978-4-588-37405-0 C0023 [2022年06月 刊行]

内容紹介

栄華を極めた大都市コンスタンティノープルを攻略し、東ローマ帝国を滅亡させたオスマン帝国のスルターン、メフメト二世の一代記。修辞技法の限りを尽くした美文トルコ語によるオスマン文学の嚆矢にして、イスラームの世界観と政治思想、慣習を伝える史書としても重要な古典を現存する写本より完訳。謎の多い著者の経歴とその技法を明らかにする訳者解説を付す。

著訳者プロフィール

トゥルスン・ベグ(ベグ トゥルスン)

(Tursun Beg)
1426年以降にオスマン帝国の名門一族に生まれる。コンスタンティノープル征服後の登記事業に携わり、のちメフメト2世の大宰相マフムード・パシャに仕える。以後、数々の軍事遠征に同行し、大宰相の失脚後も財務官、財務長官代理、財務長官を歴任した。没年不詳。

濱田 正美(ハマダ マサミ)

1946年生まれ。京都大学大学院文学研究科博士課程中退。博士(文学)。西南アジア史・中央アジア史専攻。京都大学・神戸大学名誉教授。著書に『東トルキスタン・チャガタイ語聖者伝の研究』(京都大学大学院文学研究科、2006年)、『中央アジアのイスラーム[世界史リブレット70]』(山川出版社、2008年)、共著に『中央ユーラシア史[新版世界各国史4]』(小松久男編、山川出版社、2000年)、訳書にアンドレ・クロー『スレイマン大帝とその時代』(法政大学出版局、1992年)などがある。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

翻訳篇
〔序文〕
〔序論〕
1 物語の始まり
2 スルターン位が再びスルターン・ムラード・ハーンの所有に回帰した次第
3 スルターン・メヘンメド・ガーズィーの即位
4 勅命公布者たる君主、征服の父がカラマンの方を目指された次第
5 「喉切り」砦建設の理由
6 「喉切り」砦の形勢を説明する次第
7 コンスタンティノープル城の征服の次第
8 コンスタンティノープルへの入殖における征服の父の事績
9 エノスとタソスの要塞征服の物語の始め
10 ベルグラード攻略の諸原因の叙述
11 割礼祝典記
12 君主の第一次モレア遠征への出立とマフムード・パシャをセルビアの地へ派遣した次第
13 モレアの状況の特色
14 マフムード・パシャがセルビアの国土を目指した次第
15 征服の父たる君主が全モレアの征服とそのテクヴルの捕捉を目指した次第
16 セメンディレの征服の次第
17 イスフェンディヤールの領国の征服とその地方の領主イスマーイール・ベグの降伏の次第
18 シノプとイスフェンディヤール地方の征服
19 コユル・ヒサールの征服とウズン・ハサンの膺懲
20 服わぬワラキアの不信者たちの首領「串刺し」公に対する遠征、彼の根絶、及び彼の領国にその兄弟を授封した次第
21 ミディッリュ島の征服の次第
22 ボスニア地方の征服とその王及び彼の兄弟の捕捉の次第
23 カラマン家のイブラーヒーム・ベグ死去の報が到着した次第
24 悪行の不信者たちが同盟し、神護の国土に対して攻撃を仕掛けたこと、及び彼らが膺懲鎮圧された次第
25 世界保護者たる陛下のボスニア国方面への再度の出御の理由について
26 呪われたるフランク人がミディッリュ島の城を包囲したこと、マフムード・パシャを派遣したこと、及び不信者が壊滅したことの次第
27 マフムード・パシャを敵の鎮定の為に派遣したこと、及び君主がソフィアの町に滞在したことの次第
28 征服の父たる君主がアルバニア地方に出御し、その反逆者を鎮圧したこと、及びイルバサン要塞建設の次第
29 世界統治者陛下が再度アルバニア国へ出立なされたことの次第
30 君主のカラマン国への出御及びピール・アフメドを放逐したことの次第
31 アグリボズの要塞とその島の征服の次第
32 アライヤの征服の次第
33 恩寵の主の援助による、ウズン・ハサンの敗走と征服の父たるスルターン・メヘンメドの戦勝の記述の序
34 ケフェの要塞の征服
35 カラ・ボグダンに対する聖戦の次第
36 イスケンデリーエ征服の次第
37 アクチャ・ヒサールの征服
38 ゲディク・アフメド・パシャをプーリア半島への聖戦に派遣したこと、及びメシーフ・パシャをロドス島への聖戦に派遣したことの記述
39 イスラームの君主がエジプトとシリアの征服を企図なされた次第
40 征服の父たるスルターン・メヘンメドの崩御
41 空位の日々における人々の状況
42 幸福に親昵するカリフ位の拠り所たる陛下、スルターン・バーヤズィードの、その権力栄えあれ、オスマン家の玉座への即位
43 キリとアク・ケルマンの征服の次第
44 カラギョズ・ベグにアラブの国を委託したこと、及び宰相たちの栄光、アリー・パシャをカラ・ボグダンに派遣したことの次第

訳者あとがき
翻訳篇索引
文献目録

研究篇