サピエンティア 63
百年の変革
三・一運動からキャンドル革命まで

白永瑞:編, 青柳 純一:監訳
四六判 / 378ページ / 上製 / 価格 4,400円 (消費税 400円) 
ISBN978-4-588-60363-1 C1322 [2021年09月 刊行]

内容紹介

1919年、日本からの独立運動である三・一運動に始まり、南北分断、四月革命(1960年)、五・一八民主化運動(光州抗争、1980年)、六月民主抗争(1987年)、南北首脳の六・一五宣言(2000年)を経てキャンドル革命(2016~17年)に至る百年のダイナミックな変革の歴史を、白楽晴や白永瑞をはじめ第一線で活躍する知識人・研究者が多角的に描き出す。

著訳者プロフィール

白永瑞(ペク ヨンソ)

延世大学名誉教授、西橋研究所理事長。著書に、『共生への道と核心現場──実践課題としての東アジア』(趙慶喜監訳、中島隆博解説、法政大学出版局、2016年)、『東アジアの帰還』、『社会人文学の道』、『核心現場で東アジアを再び問う』、『キャンドルの目で三・一運動を見る』(共著)など。

青柳 純一(アオヤギ ジュンイチ)

1949年東京生まれ。東北大・大阪外大・大阪教育大学で学び、高校・大学講師を経て、1990年より光州(朝鮮大)・釜山(釜山大)全州(韓一大)で十四年間の教員生活、今は季刊の雑誌『アジェンダ』に「韓国市民革命に学び、現代日本を思う1~10」を連載中。主な著書に、『韓国民主化100年史』(新幹社、2019年)、『被ばく者差別をこえて生きる──韓国原爆被害者2世金亨律とともに』(編訳も、三一書房、2014年)、訳書に、白楽晴『韓国 民主化2.0──「二〇一三年体制」を構想する』(岩波書店、2012年)、李泰昊『鴨緑江の冬──北に消えた韓国の民族指導者』(社会評論社、1993年)など。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

日本語版への序文 編者・白永瑞

はじめに 編者・白永瑞

序章 三・一と朝鮮半島式の国づくり 白楽晴

第Ⅰ部 キャンドル革命の視点で振り返る三・一

第一章 三・一運動、韓国近現代からの再考 林熒澤
第二章 独特な植民地・朝鮮──植民地化は最も遅く、蜂起は最も早く ブルース・カミングス
第三章 時間(Kairos)と記憶(Memory)──建国元年、建国記念日、年号 都珍淳
第四章 連動する東アジアと三・一運動──学習され続ける革命 白永瑞
第五章 三・一運動、キャンドル革命、そして「真理の出来事」 李南周

第Ⅱ部 三・一後に累積されてきた運動と思想

第六章 三・一運動、ジェンダー、平和 李智媛
第七章 四月革命、民主抗争の可能性と現実性 洪錫律
第八章 五・一八精神の普遍化のために 申起旭
第九章 六月抗争と八七年体制──憲政体制の観点から 金鍾曄
第十章 朝鮮半島の分断体制の独特さと六・一五時代 柳在建
第十一章 未完の、あるいは進行中の革命──キャンドル革命後の韓国社会と新たな共同性の模索 鄭憲穆

初出一覧
「百年の変革」史を読む──「監訳者あとがき」に代えて
事項索引
人名索引
執筆者紹介

・執筆者紹介

白楽晴(ペク ナクチョン)
ソウル大学名誉教授、『創作と批評』名誉編集人。著書に、『朝鮮半島統一論──揺らぐ分断体制』(李順愛他訳、クレイン、2001年)、『朝鮮半島の平和と統一──分断体制の解体期にあたって』(青柳純一訳、岩波書店、2008年)、『韓国 民主化2.0──「二〇一三年体制」を構想する』(青柳純一訳、岩波書店、2012年)、『白楽晴会話録』(全7巻)など。

林熒澤(ム ヒョンテク)
成均館大学名誉教授、茶山(丁若庸)研究会会長。著書に、『文明意識と実学』、『韓国学の東アジア的地平』、『21世紀に実学を読む』など。

ブルース・カミングス(Bruce Cumings)
シカゴ大学寄付講座教授。著書に、『朝鮮戦争の起源1 1945年–1947年──解放と南北分断体制の出現』(鄭敬謨、林哲、加地永都子訳、明石書店、2012年)、『朝鮮戦争の起源2 1947年–1950年──「革命的」内戦とアメリカの覇権(上・下)』(鄭敬謨、林哲、山岡由美訳、明石書店、2012年)、『現代朝鮮の歴史──世界のなかの朝鮮』(横田安司、小林知子訳、明石書店、2003年)、『アメリカ西漸史──《明白なる運命》とその未来』(渡辺将人訳、東洋書林、2013年)など。

都珍淳(ト ジンスン)
昌原大学史学科教授。著書に、『韓国民族主義と南北関係』、『分断の明日、統一の歴史』、『定本 白凡日誌』、『鋼鉄の虹』などがある。

李南周(イ ナムジュ)
聖公会大学中語・中国学科教授(政治学)、西橋研究所所長。著書に、『中国市民社会の形成と特徴』、『東アジアの地域秩序』(共著)、『二重課題論』(編著)など。

李智媛(イ ジウォン)
大林大学人文社会系教授(歴史学)。著書に、『韓国近代文化思想史研究』、『未来世代の東アジア読み』、『三・一運動百年』(共著)、『三・一運動の先頭に立った女性たち』(共著)など。

洪錫律(ホン ソンニュル)
誠信女子大学史学科教授。著書に『分断のヒステリー──公開文書に見る米中関係と朝鮮半島』、『統一問題と政治・社会的葛藤──1953–1961』、『韓国現代生活文化史』(全4巻、共著)など。

申起旭(シン ギウク)
スタンフォード大学社会学科教授。韓国内で出版された著書に、『韓国民族主義の系譜と政治』、『一つの同盟、二つのレンズ』、『南北関係、どう解きほぐすべきか』(共著)など。

金鍾曄(キム ジョンヨプ)
韓神大学社会学科教授。著書に、『連帯と熱狂』、『左衝右突』、『分断体制と八七年体制』、『八七年体制論』(編著)など。

柳在建(ユ ジェゴン)
釜山大学史学科教授。著書に、『変革的中道論』(共著)、『近代世界体制』(共訳)、『イギリス労働階級の形成』(共訳)など。

鄭憲穆(チョン ホンモク)
韓国学中央研究院韓国学大学院教授(人類学)。著書に、『価値のあるアパート作り』、『マルク・オジェ 非–場所)』など。

・訳者紹介

米津篤八(ヨネヅ トクヤ)
朝鮮語翻訳家。朝日新聞社勤務を経て、ソウル大学大学院修士課程修了、現在は一橋大学大学院博士後期課程在学中。専門は朝鮮近現代史。主な訳書に、洪世和『コレアン・ドライバーは、パリで眠らない』(みすず書房、1997年)、韓洪九『倒れゆく韓国──韓洪九の韓国「現在史」講座』(朝日新聞出版、2010年)、洪善杓『韓国近代美術史──甲午改革から1950年代まで』(共訳、東京大学出版会、2019年)など。

朴貞蘭(パク ジョンラン)
大分県立芸術文化短期大学国際総合学科准教授。専門は、日韓教科書研究、ナショナリズム問題、統一教育、市民性教育。名古屋大学大学院文学研究科単位取得満期退学。博士(文学)。主な著作に、『「国語」を再生産する戦後空間──建国期韓国における国語科教科書研究』(三元社、2013年)、「韓国・地方教育庁における「平和・統一教育」への試み──京畿道教育庁を事例に」(『大分県立芸術文化短期大学研究紀要』第58号、2021年)、「韓国「道徳科」教科書における「統一教育」の特徴」(『大分県立芸術文化短期大学研究紀要』第56号、2019年)など。

李正連(イ ジョンヨン)
東京大学大学院教育学研究科准教授。専門は教育学。主な著書に、『韓国社会教育の起源と展開──大韓帝国末期から植民地時代までを中心に』(大学教育出版、2008年)、『日本の社会教育・生涯学習──新しい時代に向けて』(共編、大学教育出版、2013年)、『社会教育福祉の諸相と課題──欧米とアジアの比較研究』(共著、大学教育出版、2015年)、『国家主義を越える日韓の共生と交流──日本で研究する韓国人研究者の視点』(共編、明石書店、2016年)、『躍動する韓国の社会教育・生涯学習』(共編、エイデル研究所、2017年)、『SDGs時代の教育──すべての人に質の高い学びの機会を』(共著、学文社、2019年)、『人生100年時代の多世代共生──「学び」によるコミュニティの設計と実装』(共著、東京大学出版会、2020年)など。