9・11後、アメリカはイラク、アフガニスタンで戦闘を繰り広げてきた。「敵」と一般住民の境界はあいまいになり、不信感を広げた。そして、いまや戦争は国内に移った。標的とされるのは戦地の住民ではなく自国市民だ。デジタル監視社会化が進み、市民は丸裸にされ、疑わしき人が狩り出される。アメリカの政治は戦争の延長線上に位置づけられ、新しい統治=〈反革命〉が生まれた。これからの社会を考えるための必読書。
バーナード・E. ハーコート(ハーコート バーナード)
バーナード・E. ハーコート(Bernard E. Harcourt)
1963年生まれ。アメリカの法学・政治学者。シカゴ大学教授を経て,2014年からコロンビア大学教授。フランス社会科学高等研究院(EHESS)の主任研究員を兼務。研究領域は刑事司法,社会正義と人権,法と哲学など幅広い。ミシェル・フーコーの講義録の編集にもあたる。法律家としての職歴はアラバマ州の死刑確定囚の代理人から始まり、現在も死刑・終身刑囚,グアンタナモの拘留者の弁護を無償で行っている。南アフリカやグアテマラの人権活動に取り組むほか,第一期トランプ政権のムスリム禁止令の被害者救済にも携わった。近著に Cooperation: A Political, Economic, and Social Theory(Columbia University Press, 2023)がある。
向山 恭一(サキヤマ キョウイチ)
向山 恭一(サキヤマ キョウイチ)
1964年生まれ。新潟大学教授。政治思想専攻。訳書にセイラ・ベンハビブ『他者の権利』,ウェンディ・ブラウン『寛容の帝国』,ナンシー・フレイザー『正義の秤』(以上,法政大学出版局)などがある。
〈反革命〉の誕生
第Ⅰ部 現代戦の台頭
1 対反乱は政治的である
2 ヤヌスの顔をしたパラダイム
第Ⅱ部 外交政策における勝利
3 全情報認知
4 無期限拘留と無人機殺害
5 民心を掌握する
6 恐怖で統治する
第Ⅲ部 対反乱の国内化
7 対反乱が帰ってきた
8 アメリカ人を監視する
9 アメリカ人を標的にする
10 アメリカ人の注意をそらす
第Ⅳ部 対反乱から〈反革命〉へ
11 〈反革命〉が生まれた
12 合法状態
13 新しいシステム
オッカムの剃刀、あるいは〈反革命〉に抵抗すること
注
索引
第Ⅰ部 現代戦の台頭
1 対反乱は政治的である
2 ヤヌスの顔をしたパラダイム
第Ⅱ部 外交政策における勝利
3 全情報認知
4 無期限拘留と無人機殺害
5 民心を掌握する
6 恐怖で統治する
第Ⅲ部 対反乱の国内化
7 対反乱が帰ってきた
8 アメリカ人を監視する
9 アメリカ人を標的にする
10 アメリカ人の注意をそらす
第Ⅳ部 対反乱から〈反革命〉へ
11 〈反革命〉が生まれた
12 合法状態
13 新しいシステム
オッカムの剃刀、あるいは〈反革命〉に抵抗すること
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