ドイツ・ヴァイマル共和国憲法の起草者としてその名を残す法学者プロイス。第一次世界大戦から革命を経て新共和国の創設にいたる危機の時代に、師オットー・ギールケの有機的国家論を先鋭化させた〈主権なき国家論〉を構想し、民主主義的な諸国民共同体の実現を目指した彼の思想と政治的実践を明らかにする。現代における多元主義、連邦主義、そしてEUを考察するうえでも重要な先駆者のモノグラフ。
遠藤 泰弘(エンドウ ヤスヒロ)
遠藤 泰弘(エンドウ ヤスヒロ)
1976年、兵庫県神戸市に生まれる。北海道大学大学院法学研究科法学政治学専攻博士後期課程単位取得退学。博士(法学)。現在、松山大学法学部教授。専門はドイツ政治思想史・政治学。著書に『オットー・フォン・ギールケの政治思想──第二帝政期ドイツ政治思想史研究序説(21世紀国際史・学術叢書2)』(国際書院、2007年)、共著に『ドイツ連邦主義の崩壊と再建──ヴァイマル共和国から戦後ドイツへ』(権左武志編、岩波書店、2015年)、『よくわかる政治思想(やわらかアカデミズム・〈わかる〉シリーズ)』(野口雅弘・山本圭・髙山裕二編、ミネルヴァ書房、2021年)などがある。
序 章
第一部 第二帝政期プロイスの民主主義論──ビスマルク憲法体制に対する厳しい批判者として
第一章 「連邦国家」概念再考──シュミットとギールケの連邦(国家)論を手がかりとして
第一節 シュミットの「連邦」論
第二節 ギールケの連邦国家論
一 第一アンティノミーについて
二 第二アンティノミーについて
三 第三アンティノミーについて
四 「共通の確信」としての根本法
小 括
第二章 ギールケ国家論の継承とその批判
第一節 ギールケの国家論
一 重層的政治秩序構想
二 連邦国家論
第二節 プロイスの主権概念批判
一 ギールケ仲間団体論の継承と批判
二 主権概念批判
三 自治原理の導入
小 括
第三章 プロイスの政治構想
第一節 自己行政体としての国家
一 国家と法の関係
二 法治国家論
三 自治の原理
第二節 仲間団体概念、ケルパーシャフト概念、アンシュタルト概念をめぐって
一 仲間団体概念
二 ケルパーシャフト概念
三 アンシュタルト概念
四 仲間団体、ケルパーシャフト、アンシュタルトの概念関係
小 括
第四章 「諸国民共同体」構想
第一節 領域と領域高権
第二節 神聖ローマ帝国における都市領域と領邦高権
一 領域ケルパーシャフトとしての都市
二 旧帝国における帝国、国家、都市の関係
第三節 新帝国における領域ケルパーシャフトと領域高権
一 領域ケルパーシャフトとしての自治体、国家、帝国
二 領域ケルパーシャフト相互の関係
三 自治体と国家の概念的区別
小 括
第五章 プロイスの国際法論
第一節 「国際法の新しいハンドブック」(一八八五年)
第二節 「経済生活に貢献する国際法」(一八九一年)
一 国際法の実効性
二 法形成の基盤となる生活の諸条件としての経済生活
三 国際法の基盤としての経済的必要性による内的強制
四 利害対立と利益共同体
五 国民的利益共同体の組織化の過程
六 国際的な利益共同体の組織化の過程
七 現代国際法の誕生
八 国際法の実定化
九 国際的利益共同体と国家間の利害対立
一〇 まとめ
第三節 「国際法と国民戦争」(一九一六年)
小 括
第二部 ヴァイマル憲法起草者プロイスの民主主義論──体制批判の立場から権力中枢の立場へ
第六章 直接公選大統領制構想
第一節 ビスマルク憲法改正提案
第二節 プロイスのヴァイマル憲法前草案
第三節 ヴァイマル憲法制定の審議過程
一 ライヒ大統領のライヒ議会召集、停会、閉会および解散権について
二 ライヒ大統領の法律公布権について
三 ライヒ大統領の任期、解職要件について
四 直接公選大統領制構想に関わるそのほかの規定について
小 括
第七章 ヴァイマル憲法第四八条をめぐる憲法制定の審議過程
第一節 諸邦委員会における審議
第二節 国民議会憲法草案第一読会における審議
第三節 国民議会憲法委員会第一読会における審議
一 第六七条について
二 第六八条について
第四節 国民議会憲法委員会第二読会における審議
第五節 国民議会第二読会における審議の展開
一 一九一九年七月四日 第四六回議会
二 一九一九年七月五日 第四七回議会
(一)第四八条について
(二)第四九条について
第六節 国民議会第三読会における審議の展開
小 括
第八章 ヴァイマル憲法第四八条論をめぐるプロイスとシュミット
第一節 シュミット『独裁』(一九二一年)
第二節 プロイス「合憲的独裁」(一九二三年)
一 第四八条導入の理由
二 「委任独裁」としての第四八条
三 憲法審議過程における修正要求
四 実際政治への適用
五 ラント政府との関係
六 まとめ
第三節 シュミット「憲法第四八条に基づくライヒ大統領の独裁」(一九二四年四月)
一 第四八条第二項第一文と第二文の関係
二 第四八条第五項に予定されていたライヒ法律による法的制限
三 第四八条第二項による権限に対する制約
四 まとめ
第四節 プロイス「憲法第四八条の意義」(一九二五年五月一五日)
一 政府権力の境界
二 緊急命令権の濫用
三 合憲的秩序の保護
四 ライヒ大統領の執行権の不可譲性
五 分邦主義による濫用に対抗するライヒ法律
六 まとめ
小 括
補論 非常事態の法的規制──シュミット鑑定書の考察
第一節 シュミット「第四八条第二項に基づく財政法に代わる命令の鑑定書」
第二節 本鑑定書の位置づけ
小 括
終 章
あとがき
独語目次・要旨・謝辞
引用文献一覧
事項索引
人名索引
第一部 第二帝政期プロイスの民主主義論──ビスマルク憲法体制に対する厳しい批判者として
第一章 「連邦国家」概念再考──シュミットとギールケの連邦(国家)論を手がかりとして
第一節 シュミットの「連邦」論
第二節 ギールケの連邦国家論
一 第一アンティノミーについて
二 第二アンティノミーについて
三 第三アンティノミーについて
四 「共通の確信」としての根本法
小 括
第二章 ギールケ国家論の継承とその批判
第一節 ギールケの国家論
一 重層的政治秩序構想
二 連邦国家論
第二節 プロイスの主権概念批判
一 ギールケ仲間団体論の継承と批判
二 主権概念批判
三 自治原理の導入
小 括
第三章 プロイスの政治構想
第一節 自己行政体としての国家
一 国家と法の関係
二 法治国家論
三 自治の原理
第二節 仲間団体概念、ケルパーシャフト概念、アンシュタルト概念をめぐって
一 仲間団体概念
二 ケルパーシャフト概念
三 アンシュタルト概念
四 仲間団体、ケルパーシャフト、アンシュタルトの概念関係
小 括
第四章 「諸国民共同体」構想
第一節 領域と領域高権
第二節 神聖ローマ帝国における都市領域と領邦高権
一 領域ケルパーシャフトとしての都市
二 旧帝国における帝国、国家、都市の関係
第三節 新帝国における領域ケルパーシャフトと領域高権
一 領域ケルパーシャフトとしての自治体、国家、帝国
二 領域ケルパーシャフト相互の関係
三 自治体と国家の概念的区別
小 括
第五章 プロイスの国際法論
第一節 「国際法の新しいハンドブック」(一八八五年)
第二節 「経済生活に貢献する国際法」(一八九一年)
一 国際法の実効性
二 法形成の基盤となる生活の諸条件としての経済生活
三 国際法の基盤としての経済的必要性による内的強制
四 利害対立と利益共同体
五 国民的利益共同体の組織化の過程
六 国際的な利益共同体の組織化の過程
七 現代国際法の誕生
八 国際法の実定化
九 国際的利益共同体と国家間の利害対立
一〇 まとめ
第三節 「国際法と国民戦争」(一九一六年)
小 括
第二部 ヴァイマル憲法起草者プロイスの民主主義論──体制批判の立場から権力中枢の立場へ
第六章 直接公選大統領制構想
第一節 ビスマルク憲法改正提案
第二節 プロイスのヴァイマル憲法前草案
第三節 ヴァイマル憲法制定の審議過程
一 ライヒ大統領のライヒ議会召集、停会、閉会および解散権について
二 ライヒ大統領の法律公布権について
三 ライヒ大統領の任期、解職要件について
四 直接公選大統領制構想に関わるそのほかの規定について
小 括
第七章 ヴァイマル憲法第四八条をめぐる憲法制定の審議過程
第一節 諸邦委員会における審議
第二節 国民議会憲法草案第一読会における審議
第三節 国民議会憲法委員会第一読会における審議
一 第六七条について
二 第六八条について
第四節 国民議会憲法委員会第二読会における審議
第五節 国民議会第二読会における審議の展開
一 一九一九年七月四日 第四六回議会
二 一九一九年七月五日 第四七回議会
(一)第四八条について
(二)第四九条について
第六節 国民議会第三読会における審議の展開
小 括
第八章 ヴァイマル憲法第四八条論をめぐるプロイスとシュミット
第一節 シュミット『独裁』(一九二一年)
第二節 プロイス「合憲的独裁」(一九二三年)
一 第四八条導入の理由
二 「委任独裁」としての第四八条
三 憲法審議過程における修正要求
四 実際政治への適用
五 ラント政府との関係
六 まとめ
第三節 シュミット「憲法第四八条に基づくライヒ大統領の独裁」(一九二四年四月)
一 第四八条第二項第一文と第二文の関係
二 第四八条第五項に予定されていたライヒ法律による法的制限
三 第四八条第二項による権限に対する制約
四 まとめ
第四節 プロイス「憲法第四八条の意義」(一九二五年五月一五日)
一 政府権力の境界
二 緊急命令権の濫用
三 合憲的秩序の保護
四 ライヒ大統領の執行権の不可譲性
五 分邦主義による濫用に対抗するライヒ法律
六 まとめ
小 括
補論 非常事態の法的規制──シュミット鑑定書の考察
第一節 シュミット「第四八条第二項に基づく財政法に代わる命令の鑑定書」
第二節 本鑑定書の位置づけ
小 括
終 章
あとがき
独語目次・要旨・謝辞
引用文献一覧
事項索引
人名索引







