南イタリア都市の空間史
プーリア州のテリトーリオ

A5判 / 238ページ / 上製 / 価格 4,950円 (消費税 450円) 
ISBN978-4-588-78613-6 C3052 [2022年04月 刊行]

内容紹介

イタリア国内でも農業生産地域として知られ、北部との文化的・経済的格差が語られてもきた南部プーリア州。従来、建築論でも顧みられること少なかったこの地域はしかし、歴史的に諸外国の影響を多く受け、諸都市を軸に独特の文化を形成してきた。ガッリーポリやモノーポリなどの街区形成や住居構造、産業形態を古い文献史料や地図とともに分析し、地域に生きた人々の暮らしを描き出す労作。

著訳者プロフィール

稲益 祐太(イナマス ユウタ)

1978年東京都生まれ。2002年法政大学工学部建築学科卒業。2012年法政大学大学院工学研究科建設工学専攻博士後期課程満期退学。博士(工学)。2011年法政大学研究補助者、2019年久留米工業大学建築・設備工学科特任講師を経て、2021年より東海大学工学部建築学科准教授。『イタリア文化事典』(丸善出版)や『世界都市史事典』(昭和堂)、『建築フィールドワークの系譜』(昭和堂)などで南イタリアの項を分担執筆。

※上記内容は本書刊行時のものです。

目次

第1章 序 論

1 南イタリアの都市とテリトーリオ
 1 イタリアにおける「南」の位置づけ
 2 地域形成における「南イタリア」的都市群の様相
 3 本書の目的
 4 南イタリアの支配体制
2 先行研究の成果と本書の位置づけ
 1 建築史研究
 2 民家研究
 3 都市史研究
 4 テリトーリオ研究

第2章 建築類型から見るガッリーポリの都市構造

1 イオニア海に浮かぶレッチェ・バロックの都市
2 ガッリーポリの建築類型
 1 前庭型住宅
 2 中庭型住宅
 3 袋小路型住宅
 4 パラッツォ
 5 教 会
3 ガッリーポリの都市空間
 1 街路構成
 2 都市建築が建ち並ぶ主要道
 3 搾油所が広がる地下空間
 4 バロック的都市演出の内側街区
 5 外縁部
 6 都市とテリトーリオ
4 まとめ

第3章 拡大と再編に見るモノーポリの都市発展

1 アドリア海の港町
2 住宅の建築類型学分析
 1 各階一室住宅
 2 各階複数室住宅
 3 パラッツォ
3 市街地の空間構造
 1 街路パターン
 2 教会堂とパラッツォの分布
 3 広場の整備
4 海岸沿いの田園地帯
 1 大土地所有制の農地における作付け状況
 2 テッラ・ディ・バーリの空間構造
5 まとめ

第4章 都市組織の変遷から見るコンヴェルサーノの都市形成

1 ムルジェ台地のアグロタウン
2 都市組織の変容過程
 1 チェントロ・アンティーカ地区
 2 カサルヴェッキオ地区
 3 カサルヌオヴォ地区
3 住宅の建築類型
 1 直交外階段型
 2 平行外階段型
 3 階段室型
 4 共有階段室型
 5 パラッツォ
4 ムルジェ台地の地域構造
 1 低ムルジェの田園地帯
 2 高ムルジェ台地の田園風景
5 まとめ

第5章 移牧と農耕がつくるタヴォリエーレ平野の空間構造

1 プーリア北部の穀倉地帯
2 牧羊業に関する制度の歴史
 1 地中海の移動放牧
 2 制度化されるプーリアの移動放牧
3 放牧のための移動路
 1 移動路の整備
 2 移動の管理
4 冬季放牧租借地内の空間構成
5 土地利用
 1 フォッジア牧羊業税関冬季放牧租借地図集
 2 ポスタ
 3 タヴェルナ
 4 農 地
6 平野と山岳都市のテリトーリオ
 1 居住地
 2 山岳都市の居住空間
 3 都市の周辺部
 4 都市の立地分布から見る地域構造
7 まとめ

第6章 結 論

1 建築類型から見る都市空間の変容
2 存立基盤の産業と都市空間
3 都市とテリトーリオ

おわりに
図表出典一覧

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